11月1日(土)からM&Oplaysプロデュース『水の戯れ』が本多劇場にて上演中だ。M&Oplaysプロデュース公演では、これまでに『死ぬまでの短い時間』『マレーヒルの幻影』『アイドル、かくの如し』などの岩松了の作・演出作品を上演しており、高く評価されてきた。今回取り上げるのは、岩松が1998年に「竹中直人の会」に書き下ろした戯曲。チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を意識して書かれており、人間の抱える裏側の狂気を時にユーモアを交えて鋭く暴くという、まさに岩松作品の真骨頂ともいえる戯曲だ。16年ぶりの再演にあたり、キャストも一新された。
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家業を継ぎ、仕立屋をしている男。死んだ弟の妻にひそかに長らく思いをよせているが、生来のまじめな性格のため、告白できない。男の気持ちに薄々気づいている女も、思いを同じくしているようだが、亡夫のことがあるのか、はっきりとは気持ちを表してはいない。あるとき、海外に働いている兄が若い中国人の恋人を連れて帰ってくる。兄たちの親密なけんかを見ながら、40歳を過ぎた男は決心を固めつつも、なかなか行動に移すことができない。ハッキリしない二人の態度と、周囲の勘違いと思いこみも重なり、事態は次第に緊迫感を増し、ゆっくりと狂い始めていく…大人ゆえに口に出せない、切ない想いに翻弄される男と女と男の愛のドラマとなっている。
出演は、光石研、菊池亜希子、近藤公園、瑛蓮、根本宗子、岩松了、池田成志。
M&Oplaysプロデュース『水の戯れ』は、11月1日(土)~16日(日)まで本多劇場にて、11月22日(土)に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、11月24日(月・祝)に愛知・名鉄ホールにて、11月29日(土)・30日(日)にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演される。
問合せは、森崎事務所まで。(電話:03-6427-9486 平日11:00~18:00)
Photo:三浦憲治