みなさんは“声優”というと、どのようなイメージを持たれているでしょうか?アニメ?洋画・外画の吹き替え?ナレーション?最近ではゲームへの声あてや、アイドル声優なんてのもありますね。近年では人気職業ランキングに登場することもあるようで、声優人気がじわっと来ているようです。一方、声優としての活動だけが注目されると「“声優”ではなく“俳優”だ」と、“声優”と呼ばれることに反発される方もいるように、声優として活動されている方の中には俳優としてテレビや舞台の世界で活動する方もたくさんいます。そこで、もし声優に興味を持ったならば、それをきっかけとして声優の“舞台での活動”も注目してみてはどうでしょうか? 今回は、そんな声優が主催する劇団や演劇ユニットを紹介したいと思います。
関連記事:詠舞台『蟲師』、漫画そのままにアニメ声優陣によってライブ再現!
まずは老舗劇団から。「劇団21世紀FOX」は主宰が肝付兼太です『ドラえもん』の旧スネ夫の声を演じていたと言えば誰もがご存じの方ですね。人気声優の山口勝平も所属しています。北村想の作品の他に、変わったところで藤子・F・不二雄のSF短編の舞台化も行っています。「劇団すごろく」は初代座長の緒方賢一(『名探偵コナン』の阿笠博士!)が退団して、現在は松本保典が座長を務めています。この劇団では、時代劇を中心に演劇という敷居の高さにとらわれない大衆娯楽としての演劇を上演しており、秋公演の第二部では紙テープやおひねりが飛び交う「歌と踊りのグランドショー」という歌謡ショーが開催されて毎回盛り上がります。「ドラマティック・カンパニー」は『それいけ!アンパンマン』のばいきんまんでおなじみの中尾隆聖と、『忍たま乱太郎』の土井先生などを演じる関俊彦が主宰の演劇集団。翻訳劇・オリジナル・ミュージカル・時代劇など幅広いジャンルの作品を上演しています。
☆2015年4月18日(土)~19日(日)には、中尾が演出、関が出演する舞台『たいせつなきみ』が大阪限定で上演されます。要チェック!
NAO-TA!プロデュース vol.8『たいせつなきみ』
ドラマティック・カンパニー『法螺』
「劇団岸野組」は岸野幸正が主催。岸野は野沢那智が主宰した「劇団薔薇座」出身で、オリジナルの時代劇ミュージカルという独特の世界観を持った作品をを中心として上演している劇団です。「劇団あかぺら倶楽部」は大西健晴が代表を務め、『名探偵コナン』の小嶋元太、高木刑事を演じる高木渉ら20代~40代で構成されている劇団。国内外問わずシリアスからコメディーまで幅広い作品が上演されており、マイケル・クーニーやレイ・クーニーの戯曲を日本初上演した実績もあります。「鈴舟」は『ガンダム』のブライト艦長役や『ドラゴンボール』の天津飯役などで有名な鈴置洋孝が主宰していた「鈴置洋孝プロデュース」を前身とした劇団。鈴置が逝去後、『サザエさん』の磯野フネを演じていた麻生美代子、内海賢二、田中完ら「鈴置洋孝プロデュース」の劇団員が新しい劇団として「鈴舟」を旗揚げしました。ハートフル・コメディのような人情劇が多く上演されています。
「ヘロヘロQカムパニー」は『PSYCHO-PASS』の狡噛役などを演じる人気声優の関智一が座長を務めています。他の劇団とは違って特撮ヒーロー・マニアの関ならではのヒーロー物作品や、近年は横溝正史の『金田一耕助』シリーズを舞台化するなど非常にバラエティーに富んだ作品が上演されています。「演劇企画CRANQ」は「劇団あかぺら倶楽部」にも所属する吉田ボイスが中心に結成した演劇ユニット。公演回数はまだ多くは無いですが、参加メンバーのほぼ全員が他の劇団や演劇ユニットに所属している声優で構成されており、また舞台出演の経験がほとんどない人気声優も出演するなど特徴的な人気ユニットです。
劇団CRANQ『止むに止まれず!』
そんな中、注目したいのは2015年4月に旗揚げされる注目の演劇ユニット「ラフィングライブ」。「ラフィングライブ」は、『新世紀エヴァンゲリヲン』加持リョウジ役、ジム・キャリーやブラッド・ピットの吹き替え、朝の人気番組『おはスタ』のメインMCなどで活躍している山寺宏一と、『六神合体ゴッドマーズ』の明神タケル役、サモ・ハン・キンポーの吹き替え、『ひるおび!』のナレーションなどで活躍している水島裕という人気声優の二人と演出家の野坂実が立ち上げる演劇ユニット。2015年4月15日(水)より東京・銀座 博品館劇場にて『パパ、アイ・ラブ・ユー!』が上演されますが、出演者が山寺宏一、水島裕、大塚明夫、小野賢章、折笠富美子、甲斐田裕子、斎藤志郎、坂口候一、関智一と少しでも声優に興味がある人にとっては、ありえないほどの豪華キャスト!! あまりの豪華な布陣に声優業界内でもドリーム・メンバーと言われているそうです。
ラフィングライブ『パパ、アイ・ラブ・ユー』
関連記事:「ラフィングライブ」旗揚げ公演『パパ、アイ・ラブ・ユー!』山寺宏一×水島裕インタビュー
ここに挙げた劇団・ユニットはほんの一端に過ぎません。老舗劇団である「文学座」「俳優座」「青年座」「テアトル・エコー」「演劇集団円」に所属する俳優が声優として活動されることもありますし、声優事務所が自ら公演する舞台に所属する声優が出演するなんてこともあります。普段、演劇に興味が無い方も、あの作品の声優が気になるという方は、声優を機会に演劇の世界に足を一歩踏み入れてはいかがでしょうか?声優を通して演劇という世界を知ることで、あの声の持ち主の生の演技や新たな一面を垣間見ることで、更に声優に興味が持てると思います。
関連記事:ヒュー・ジャックマン、『HAWAII FIVE-0』のダノ役など、「声」でも活躍されているのがこちら!「青年座」山路和弘