2025年1月22日に東京・東急シアターオーブで開幕したミュージカル『ケイン&アベル』。1月23日(木)に開幕記念会見が行われ、松下洸平、松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、愛加あゆ、益岡徹、山口祐一郎が登壇し、世界初演となる本作への意気込みや、稽古中の裏話を語った。
松下洸平&松下優也主演で世界初演!ミュージカル『ケイン&アベル』
本作はイギリスの国民的作家、ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作に、東宝とキューブの製作でオリジナル・ミュージカルで、今回が世界初演。音楽は数多くのミュージカルを手掛けるフランク・ワイルドホーンが務め、脚本・演出は、ダニエル・ゴールドスタインが手掛けるなど、世界有数のクリエイターが集結している。
物語の舞台は、20世紀初頭。ボストンの名家ケイン家に生まれ、祝福される人生を歩むウィリアム・ケイン。ポーランドでドイツ侵攻により孤児となり、何とかアメリカに辿り着いたヴワデク(後のアベル・ロスノフスキ)。ケインは銀行頭取に、アベルはホテル王へとのし上がり、そして、二人は出逢う。宿命的に出逢った二人は、戦い、失い、再起し、また衝突し、彼ら自身の世界を変えていく・・・というストーリーが描かれていく。
出演者には、松下洸平、松下優也のほか、咲妃みゆ、知念里奈、愛加あゆ、上川一哉、植原卓也、竹内將人、今拓哉、益岡徹、そして、山口祐一郎が名を連ねている。
「二十一世紀前半で最も素晴らしいミュージカルだったと語り継がれる」
そんな注目作が1月22日に開幕し、1月23日に行われた会見には、松下洸平、松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、愛加あゆ、益岡徹、山口祐一郎が登壇。
銀行家の父の跡継ぎとして祝福された人生を歩むウィリアム・ケインを演じる松下洸平は「興奮冷めやらぬなかですが、初日は思っていたより緊張せずリラックスして舞台に臨めたなと思いますし、お客さまが居てくださることが、すごく安心につながって。充実した初日を迎えられました。いい状態で2日目も迎えられています」と初日を振り返った。
ウィリアムが生まれた同じ日にポーランドの山奥で生まれ、さまざまな苦難に見舞われながらも懸命に生きてきたアベル・ロスノフスキ役の松下優也も「まずは無事初日を迎えられたことにほっとしています。洸平くんも緊張がなかったと言っていましたが、僕も普段は割と初日に緊張があるのですが、前日ゲネを経てからの初日だったので、すごく落ち着いて楽しくできて、ぐっすり寝れました」といい状態で初日を終えたようだ。
フロレンティナ役の咲妃は「私はお二人とは違って信じられないくらい緊張して開幕の時を迎えたんですけれども。お話が進んでいくにつれて、シーンごとに皆さんが熱量をどんどん受け渡していって、お話が進んでいって、それをお客様が受け止めてくださっているという空気を自分も感じられるようになって、そこからは少し呼吸ができるようになりました。ここまで作り上げてきた全ての時間が思い起こされて、胸がいっぱいになりました」と感無量の様子。
ザフィア役の知念は「世界初演というと、すごくプレッシャーを感じてしまうかなと思っていたのですが、私もすごくリラックスして初日を迎えることができました。(W松下の)お二人の話を聞いていてそういう雰囲気を作ってくださっていたんだなと思いました。千秋楽まで、みんなでどんな風になっていくのかなと楽しみです」と笑顔で語った。
ケイト・ブルックス役の愛加は「私も信じられないくらい緊張していました(笑)。出番が少し遅れて参加の役なので、最初はモニターで拝見させていただいているんですけど、熱量がとにかくすごくて。お客様の集中力も伝わってくる、そんな初日だったなと思います」と舞台袖からも圧倒されたことを明かした。
アラン・ロイド役の益岡は「個人的に歌がないと思っていたのですが、稽古の終盤になって皆さんより全然短いんですけど入りまして。ミュージカル新参者なのでどう克服すればいいのかというのが稽古場からの課題でしたが、自分ではうまくいったかなという風に思っております。世界初演の実感と自覚というのを、これから自分の中で感じていきたいと思っています」と苦労しつつも、無事に初日を乗り越えたようだ。
そして、デイヴィス・リロイ役の山口は「皆さんのすごさを真横で感じながら、きっとこの作品は二十一世紀前半で最も素晴らしいミュージカルだったと語り継がれるんだろうなと、そういう初日だったと確信しています。本当に素敵な方たちです」とすでに作品の仕上がりに大きな自信を持っているようだ。
演出を務めるゴールドスタイン氏とのけいこなどについて、松下洸平は「言葉の壁があるかなと思っていたんですが、全くそういったこともなく言葉ではないところで繋がれたことが大きいなと感じていました。もちろん言葉は大事ですが、いろんな方々が情熱やパッションを持って接してくれたので、言葉以上に受け取るものが毎日ありました。海外の方とまた仕事をしたいなって思えた、刺激をもらえた1ヶ月半のけいこ期間でした」と振り返る。
松下優也も「新作なので日々変更することが多かったんです。益岡さんが歌うことになったというのもそうですし、実は一幕の最後も結構変わりました。でもすごく充実していましたし、この作品をより良くしていくためにという前向きに捉えてキャスト一同やっていたかなって思います。言語の壁があるからこそ、日本人スタッフと作るときよりコミュニケーションを多く取るようにして、なるべく齟齬がないようにしていました」と語った。
“W松下”として、ともにカンパニーを引っ張り息ぴったりの様子の松下洸平と松下優也。お互いの尊敬できる点について、洸平は「数え切れないくらいあるよ。研究熱心でそばにいる身としては刺激を受けた」と語り、優也は「自分がやることが多くても周りを見てくれているなって。ライバルと言うより相棒です」と信頼しあっている様子だった。
そんな二人を中心として、山口が「二十一世紀前半で最も素晴らしいミュージカルだったと語り継がれるんだろうなと、そういう初日だったと確信しています」と語るほどの作品として仕上がっているミュージカル『ケイン&アベル』は、2月16日(日)まで東急シアターオーブで上演。その後、2月23日(日)から大阪新歌舞伎座で上演予定。上演時間は第一幕が1時間25分、休憩25分、第二幕1時間10分だ。
(舞台写真:公式提供)
ミュージカル『ケイン&アベル』公演情報
ミュージカル『ケイン&アベル』公演情報(キャスト・チケット・配信など)
https://enterstage.jp/database/160352