2024年12月13日(金)に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて「進撃の巨人」-the Musical-の日本凱旋公演が開幕した。初日当日に行われた公開ゲネプロの模様をレポートする。
ニューヨーク公演を成功させた「進撃の巨人」-the Musical-
2009年から2021年に「別冊少年マガジン」(講談社)にて連載され、コミックス累計発行部数1億4千万部を突破し、アニメ化もされた「進撃の巨人」。勢いは国内に留まらず、コミックスは全世界18言語・180カ国以上で出版され、TVアニメシリーズは海外アワードを複数獲得するなど、世界中で愛されている。
同作を舞台化した「進撃の巨人」-the Musical-は、2023年に日本初演を上演し大好評のまま幕を閉じ、2024年10月にアメリカ・ニューヨークで初の海外公演を大成功におさめ、いよいよ12月より日本凱旋公演を上演する。
演出を植木豪、脚本を畑雅文が引き続き務め、主演のエレン・イェーガー役を岡宮来夢、ミカサ・アッカーマン役を七木奏音、アルミン・アルレルト役を小西詠斗が演じる。
そのほかに、福澤侑、泰江和明、高橋祐理、星波、村田充、林野健志、冨田昌則、舞羽美海、唐橋充、立道梨緒奈、松田凌、大野拓朗が出演する。
進撃ミュ:巨人と空中アクションによる圧倒的なまでの迫力とドラマティックなミュージカルシーン
人を食らう巨人。その恐るべき存在から逃れるため、人々は巨大な三重の壁を築き上げ、自由と引き換えに平和を手にした。それから100年、突如として平和は崩れ去る。現れた超大型巨人により、エレン、ミカサ、アルミンの住む街が蹂躙され、大切な存在をも奪われていく。
物語はそこから、エレン、ミカサ、アルミンの3人が巨人の脅威に対抗するための兵団に訓練生として入団し、大きく展開していく。ジャン、マルコ、コニー、サシャといった同期の訓練生との出会い、人類が巨人と戦うためにワイヤーにる空中移動を可能とした立体機動装置の訓練などを経て、エレンは壁の外を調査する調査兵団のエルヴィン、リヴァイ、ハンジの目にとまる。
そして、晴れて訓練兵団を卒業したエレンたち。人類の反撃を信じる彼らだが、そんな彼らの前に巨人が再び進撃を始めるのだった・・・。
初の海外公演を終えて、さらに磨きのかかったパフォーマンスとクオリティーで魅せる本作。本作ならではの大きな見どころとなる巨人と人類との戦いは、日本凱旋公演でも健在だ。
映像だけでなく、可動する巨大なセット、マンパワーによる巨大な人形操演などによって舞台上に出現する巨人の圧倒的な存在感と、ワイヤーアクションとダイナミックな動きの映像を組み合わせた立体機動装置によるアクロバティックな殺陣が、唯一無二のアクションシーンを生み出している。
そして、ボーカルダンスグループ「PaniCrew」のメインボーカルでもある植木らしい演出となるバラエティー豊かなダンスパフォーマンスと、演者たちによる情景あふれるミュージカルシーンがドラマティックにステージを沸き立たせる。
また、日本凱旋公演では全公演で英語字幕が導入されており、インターナショナルな本作にふさわしいものとなっている。
初演から引き続き出演する岡宮と小西。エレンを演じる岡宮は、巨人を駆逐してやるとばかりの強い思いとは裏腹に、悲運の力を持った存在としての二面性をエネルギッシュさと繊細さを併せ持つ歌声と供に熱演。
アルミンを演じる小西は、絶望の渦巻く世界の中で無力な自分にコンプレックスを抱きながらも、優しさと信念を失わない姿を柔らかい歌声を交えて演じる。
その2人に加わるのが、日本凱旋公演からミカサを演じる七木だ。ミカサの冷静沈着でありながらピンチには仲間を鼓舞するまでの熱さと、エレンをストイックなまでに思う気持ちを演じ分け、力強さの中に可憐さを纏った歌声と、華麗なるワイヤーアクションでで観客を引き込む。
そして、初演からリヴァイ役を務める松田は“人類最強の兵士”とも呼ばれるリヴァイらしく、傑出した強さを誇るオーラとカリスマ性を醸し出す演技とアグレッシブなワイヤーアクションで、リヴァイらしさMAXに気高く演じ上げている。
自由の翼を携えたキャストたちの熱量がほとばしり、大旋風を巻き起こしたワールドワイドな2.5次元ミュージカルの最高峰をぜひ劇場で目撃してほしい。
日本凱旋公演は、2024年12月13日(金)から12月22日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALL、2025年1月11日(土)から1月13日(月・祝)まで大阪・オリックス劇場にて上演。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)
『進撃の巨人』-the Musical- 公演情報(チケットなど)
(C) 諫山創・講談社/「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会