舞台『弱虫ペダル』島村龍乃介と中島拓人の「シリーズ最終公演」にかける想い

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2024年8月31日(土)より舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tearsが上演される。舞台『弱虫ペダル』新シリーズの第4弾、かつ、ペダステシリーズ「最終公演」となる本公演。インターハイ3日目では、ついに主人公・小野田坂道とライバル・真波山岳がぶつかり、各高校のプライドをかけた戦いに決着がつく。

泣いても笑っても最後。総北高校・小野田坂道役の島村龍乃介と、箱根学園・真波山岳役の中島拓人に、公演への心構えから、「最終公演」に向けた率直な心境などを聞いた。

目次

舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears島村龍乃介×中島拓人インタビュー!IH3日目、そして「最終公演」にかける想い

――「ペダステ」、ついにシリーズの区切りを迎えると発表があった時は、とても驚きました。皆さんはどのように受け止めていらっしゃったのでしょうか。

島村:発表になった今も、まだ実感が湧いていないというか・・・。きっと、IH3日目を走り切ってからぐわーっとこみあげてくるものがあるんだろうなって思います。

僕らが出演させていただくようになって4作目になるので、積み上げてきた想いがありましたし、こんなに同じカンパニーでやった作品はほかにないので、このメンバーでもうできないと思うと・・・。終わった後、自分の感情がどうなっちゃうのか分からないです。

中島:「最終公演」って連絡をもらった時、最初は僕たちが役を卒業するのかなと思っていたんです。僕、「ペダステ」に出演が決まってから映像で拝見させていただいたもので、生で観劇できていないんです。だから、僕以外が演じる真波を、ペダステを客席から観てみたかったなという気持ちが・・・。

島村:めっちゃ分かる!

中島:だよね。しかも、出演する前に観るより、演じた後に観た方が裏のことも分かるし、今、あのキャラクターを演じている俳優さんはこういう状況だろうって想像もつくから、もう一つ別の感情移入をしながら観れただろうから、ちょっと寂しいという気持ちはあります。

島村:坂道くんにとって初のインターハイの最終日でもありますから、いろんな想いはありますけど、有終の美を飾りたいです。僕らがシリーズを締めさせていただくというのは、すごく光栄なことだと思うので、責任を持ってゴールしたいです。

――ついにIH3日目、ですからね。

島村:そうですね。まずはIH3日目をしっかり走り切る。なんですが、走りきれるか今からちょっと心配で・・・。IH3日目は本当に大変なことがたくさんあるから。

中島:僕はめっちゃ楽しみ。真波、やっと走れる(笑)。

島村:1作目の「一緒に走ろう」っていう約束がやっと果たせますもんね(笑)。

中島:そうそう。まだりゅうとは、がっつり役として話し合いをしたりする機会もあんまりなくて。プライベートな話はよくしてるんだけどね。りゅう自身はここまで3作品がっつり走ってきているけど、自分はまだそこまで走ってないじゃないですか。でも、坂道と真波にそんな経験差はないから、ギャップが見えないように、今まで走ってきたりゅうに追いつけるように、稽古から全力出さないと間に合わんぞと思っております。

島村:拓人くんの走り、すごくきれいなんですよ。僕なんて、映像で見返す度に坂道くんの走り方がどうなのか訳わかんなくなっちゃって。

中島:え~(笑)!

島村:でも、拓人くんの走りはいつも安定していてすごくきれい。箱根学園(ルビ:ハコガク)メンバー全体もきれいですよね。ハンドルも動きがブレないし。総北は気持ちが出過ぎちゃって、ハンドル動かしまくり。それを言い訳にしちゃいけないと思ってるんですけどね。

中島:それが個性だから(笑)。

島村:いいカンジに言ってくれた(笑)。

――中島さんのライドは確かにすごくきれいだなと観ている側としても感じました。どういう点を心掛けていらっしゃるんでしょうか?

中島:言っていただけるのはすごく嬉しいんですが、基本に忠実であろうとしているだけで。僕の中で「一番強いヤツって基本に忠実」みたいなイメージがあるんですよ。だから、基本を押さえた上で、真波の飛んでいってしまいそうな軽やかさを意識するようにしてきました。

島村:僕、走りのことで忘れられないことがあって。以前、稽古場にきてくださったシャトナーさん(脚本・レース演出メソッド創作/監修の西田シャトナー氏)に「箱根学園(ルビ:ハコガク)の方が強そうに見えた」って言われたことがあったんです。それがめちゃめちゃ悔しくて・・・。総北で集まって「なんでだ?!」ってたくさん話し合って、そこから特に“走り方”について考えるようになりました。ハンドルを握るだけでなく、それに連帯する動きに気持ちを乗せようって。(ほかのチームには)負けたくないから。

舞台『弱虫ペダル』新シリーズで築き上げた「小野田坂道と真波山岳」二人の絆

――今の「ペダステ」カンパニーは、学校ごとの絆がすごく強いように感じていたのですが、お二人の関係性はどのように作ってこられましたか?

島村:確かに、チーム感は強いんですけど、拓人くんとは一番歳が近いんですよ。

中島:そうだね。

島村:そういう意味でも、拓人くんとは話すことがたくさんありました。

中島:みんな仲はいいけど、総北とハコガク、各々自分たちのやるべきことをやっている感じが強いもんね。僕は、がっつり走るシーンがここまであまりなかった分、体力的にも余裕があったので、総北にもちょこちょこちょっかいをかけにいったりしていました(笑)。だから、今回一緒に走るシーンを作っていく過程は、きっと早いと思います。

島村:あと、寒咲さん(寒咲幹)をやってくれていたので!

中島:そう、僕、総北の一員でもあるので。ハコガクのみんなには裏切り者~!って言われたけど(笑)。

島村:あはは(笑)。

――ここまでご一緒されてきて、お互いを見た時に成長を感じる部分はありますか?

中島:りゅうは、公演を重ねる度に背中がでっかくなってるって、すごく感じます。伸び方も、徐々に・・・じゃなくて、どん!どん!どん!って感じ。座長としてあれこれ言うタイプじゃないけれど、引っ張られる背中になっていってるなと。しかもこの年齢で。求心力のある俳優になっていっているなと、肌で感じていますね。

島村:真波ががっつり走るのはこれからなので、僕は拓人くんが思いっきり走る姿を見るのが楽しみなんですけど・・・拓人くん、どんどん面白くなっていくんですよ。寒咲さんだけでなく、モブ役をやっている時も、もう、毎回面白すぎて!面白さが振り切れていってる。

中島:(笑)。

島村:特に前作「THE DAY 2」に出てきた奈良山理学園の大粒健士!僕はあのシーンでは後ろを向いているからよかったんですけど、毎回どうしても笑っちゃって。でも、笑うことで「よし、ここからもうひと踏ん張り!」って気持ちになれていました。

中島:レースシーンが少ない分、考える時間を他のことに当てられていたから。くだらないことをたくさん考えてしまいました(笑)。

島村:前回(演出の)鯨井さんからのダメ出しも、真波より大粒の方が多かった気がする。

中島:そうそう。「それ・・・ちょっと違うな」「分かりました!」みたいなやり取りをめちゃめちゃしてました(笑)。

――鯨井さんはやはり笑いには厳しい(笑)?

中島:はい。鯨井さんはそういう笑いのセンサーが本当にすごいんです。敏感だし、センスのある方なので。言われていることは分かるんですけど、自分がまだ体現できてないなと思うことが多いので。だから、IH3日目が終わるまでに認めてもらえるようになりたいです!

島村:おお~!!

中島:だけど、IH3日目にそんな笑いを追求するシーンがあるかどうかは知りません(笑)!

島村:(笑)!

舞台『弱虫ペダル』IH3日目は「楽しみだけどめっちゃ怖い」

――現時点で、IH3日目のラストシーンはどのように想像していますか?

島村:もう・・・想像もつかない。鯨井さんに「どうやるんですか?」って聞いたら、「いろいろ考えているけど、俺も分からない!」っておっしゃってました。

中島:(笑)!

島村:でも、楽しみです。最後、スロープの上かな~。

中島:絶対そうだよ!と、思うんだけど・・・どうなるんだろう。

島村:楽しみだけど、めっちゃ怖いです。足が爆発しちゃうんじゃないかなって。

中島:りゅうは、毎回死にそうになるくらいのターンがあるもんね。

島村:そうなんです、自分の限界を超えちゃう、未知の領域に足を踏み入れてしまうことがきっとあるから、それがすごく怖くて。物理的に怪我をしてしまったら・・・という怖さもありますし、テンションが上がりすぎて喉を痛めてしまったり。一度、稽古場で限界を知っておいて、そこから調整しないと。

中島:だから、演出の鯨井さんは一回天井(自分たちの限界)を見せるんだよね。

島村:稽古場でそこまで駆り立てていただけるのはすごくありがたいです。早くその限界の先に行きたい!

――では、IH3日目に向けて何か「心構え」として準備してることはありますか?

島村:僕は基本、「考えない」です。プレッシャーになりすぎてしまうから、直前になるまでフラットな状態でいたいなと思っています。

中島:僕は、食べる量を考えています。一時期、食べるタイミングとかまで考えてやっていた時があったんですけど、その状態を早く始めちゃうとイヤになってしまうから、まずは量を気をつけるところから。好きなものは食べるけど、寝る4時間前には食べない、みたいなことを始めています。

島村:「THE DAY 2」の時、揚げ物は食べないようにしたりもしていたよね。

中島:そう!だから、前回終わった後に食べた唐揚げがめっちゃうまかったのよ!サイクルジャージって、身体のラインがはっきり分かるじゃないですか。真波の強さに説得力を出したいから、誰よりも細く!細く!

島村:(笑)。

――今回「ボーナスステージ」として、歴代のキャストさんなどがいらっしゃいますが、お会いするのが楽しみな方は?

中島:僕はやはり、植田圭輔さんですかね。「The Cadence!」の時にもトークゲストとして来てくださったんですけど。それから、杉咲真広も。真広はもともと友達なので、毎回来てくれていて、直接感想を聞きやすい役者なんですが、改めてトークで聞けるのは楽しみだな。でも、歴代の方が来てくださるのは楽しみな反面、やっぱり緊張しますね。どう思ってるんだろう?とか、気になっちゃう。でもきっと、そんなこと考える暇もないくらいしんどいと思うんですけど(笑)。

島村:僕は・・・一旦、全部忘れたい。IH3日目を走っている方もいらっしゃるし。

中島:あはは(笑)。今回、初日にシャトナーさんと原作の渡辺航先生が来てくださるじゃないですか。役者とは違う視点で話ができる方々が、どんなことを話してくださるんだろうっていうのも、楽しみだったりします。

島村:みなさんいっぱい話してくれそうだから、MCの河原田さん(現:レース演出協力の河原田巧也)大変ですね(笑)。

――IH3日目の完走を、心より願っております!

中島:ここまでファンの皆様の応援あっての「ペダステ」です。これまで「ペダステ」に関わったすべての人に観に来てもらいたいです。これが最後になるので、新シリーズは観てこなかったという方にも劇場で生で見届けてもらえたら嬉しいです。そして、僕は真波が先にゴールするんじゃないかなって思っているので!ぜひ、ご自身の目で確認してください。よろしくお願いします。

島村:「最終公演」というのは寂しいのですが、IH3日目で最後まで走れるということが、とても嬉しいです。それは、今まで観に来てくださった皆さん、応援してくださった皆さんのおかげだと思っています。

僕たち、本当に「お客さんのおかげで最後まで走れている」って思うんです。正直、走っていて途中でリタイアしそうになったり、もうダメだって思う瞬間がたくさんあったんですけど、その度にお客さんの応援に力をもらってきました。だから、観劇ではなく、「ペダステ」の世界を共にしている「お客さん」として、応援してほしい、見届けてほしいです。そうしたら、きっと坂道くんは真波くんに勝てる。多分、坂道くんの方が速い!応援よろしくお願いします。

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舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears 公演情報(チケットなど)

舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears(ペダステ/キャスト・チケット・配信など)

 

(C) 渡辺航(秋田書店)2008/ 舞台『弱虫ペダル』製作委員会

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