2024年2月から3月にかけて東京・明治座にて上演される、明治座創業150周年ファイナル公演 舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』。その製作発表が、2023年12月19日(火)に都内にて行われ、藤原紀香・剛力彩芽・高島礼子らが登壇した。
本作は、北条司の「CAT’S EYE」を原作に、物語の舞台を明治座の創業された時代でもある“明治時代”に設定を変え、怪盗キャッツアイの3姉妹が鮮やかな盗みの大一番を披露するオリジナルストーリーを展開する。
会見には、藤原、高島、剛力のほか、美弥るりか、染谷俊之、上山竜治、長谷川初範、新谷姫加、そして脚本の岩崎う大(かもめんたる)、共同脚本・演出の河原雅彦が登壇した。
脚本の岩崎は「普段、かもめんたるというお笑いコンビや、劇団かもめんたるという自分の劇団を中心に活動しているので、こんな大きな舞台のお話を明治座さんからいただいた時は、俺も・・・ここまで来ちゃったかぁ・・・と思いました(笑)。『CAT’S EYE』と言えば、僕が子どもの頃は夕方にやっていて、記憶に残るアニメです。派手に書かねばと思ったのですが、キャストの方々の見た目がすでに頂上決戦!という感じですし、河原さんにお任せすれば絶対におもしろくアレンジしてくださるだろうという気持ちで、自分にできることをがんばりました。皆さんに表現していただけたらと思っております」と挨拶。
河原は「明治座さんから、明治時代を舞台に『CAT’S EYE』をやりたいんです!ととてもにこやかにお話をいただいたんですけど、これ・・・すごく大変なことになるの分かってるのかな・・・と思いました(笑)。台本ができてきて、音楽、衣裳など様々な打ち合わせが始まっているんですけども、やはり通常の2倍ぐらい盛りだくさんのエンターテインメントになっています。・・・空に人が飛んでいったりね(笑)。大変ですけど、これをいい形でまとめられたら、お客さんに楽しんでもらえる、明治座さんの150周年のラストを飾るにふさわしいものになると思うので、皆さん楽しみにしていてください」と含み笑い。
そして、来生瞳役の藤原は、1997年公開の『CAT’S EYE キャッツ・アイ』に来生泪役として出演しており、「人生で二度もご縁があるなんて!」と喜びながら、「明治時代が舞台になると聞いて、これはおもしろくなりそうだと思いました!脚本を読んで、これはお客さんが本当に喜んでくださる作品になる!とおもったのですが、いや、待てよ。やるのは我らだぞ、と(笑)。この華やかで素晴らしい皆さんと一丸となって、 稽古を進めていきたいと思います」と意気込んだ。
末っ子の妹・来生愛役の剛力は、初舞台を踏んだのが明治座だった(『祇園の姉妹』2016年)ことを振り返り、「すっごく楽しかったので、そこから舞台が大好きになりました。この記念すべき150周年の最後を飾る舞台に立たせていただけることが本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。愛ちゃん役については、どの世代の方にもピッタリ!って言っていただけたので嬉しいなとおもいつつ、機械に強い愛ちゃんに対して、私はそんなに得意じゃないので、しっかりした愛ちゃんに見えるようにがんばります。新しい年に、皆さんがまた楽しい気持ちで観に来ていただけたら嬉しいです!」と明るく挨拶した。
そして、キャッツアイ3姉妹の長女・来生泪役の高島は「北条先生の作品は、以前TVドラマの『エンジェル・ハート』(2015年)でお世話になったことがあり、今度は大好きな『CAT’S EYE』をやらせていただける。ものすごく緊張しておりますが、楽しみにしております。今回、初めて共演する方がほとんどなので、刺激を受けながら私も負けじとがんばりたいと思っております。どうぞ応援よろしくお願いいたします」とコメント。
意外にも作品での共演経験は少ない(藤原と高島は初めて、藤原と剛力は同作品に出演していたが同じ場面はなし、高島と剛力は2014年の映画『L・DK』で共演して以来)という3人だが、すでに和気あいあいとした雰囲気を醸す。
特に、高島は藤原について「共演経験はないんですが、紀香ちゃんとはコレクションなどではよく会っていて、いつも刺激をくれる存在です。私、こんなに製作発表で何を着るか悩んだの初めてです・・・。紀香ちゃんがスタッフさんに報告されていた衣裳を聞いて、『これではいけない!』と思い、急遽自前の着物を着て参りました(笑)。きっと、お芝居についても、モチベーションを上げてくれる存在だと思いますので、本当に楽しみです」と語っていた。
藤原といえば“梨園の妻”でもあり、歌舞伎の宙乗りもよく目にしているだろう。河原が「人が空を飛ぶ」と演出を示唆していたことから、藤原は“飛び方”について「やってみないと分からないですが、歌舞伎の宙乗りとはまたちょっと違う感じになるかもしれませんね。宙乗りは、観ていると気持ちよさそうなんですが、話を聞くと身体に負荷がかかりますし大変と聞きます。本番、どうなるかは・・・『CAT’S EYE』らしいシーンになるのではと思っております」と予想。
また、パートナーである片岡愛之助が新作歌舞伎『流白浪燦星(ルパン三世)』に出演していることから、「愛され続けている作品をやらせていただけることが嬉しく、リスペクトと責任を持ってがんばろうと言っていたんですけど、ふと『家に泥棒が多いね』みたいなことを話しました(笑)」と笑った。
瞳の恋人でキャッツアイを追う警察官・内海俊夫役の染谷が「人気作で、素敵なキャストの皆さんとご一緒できることが嬉しく、大変光栄です。僕、下の名前が“俊之”って言うんですが、今から紀香さんに“トシ”と呼んでもらえることがとっても楽しみです」と言うと、フライングで藤原が“ト~シ!”と呼びかけ、染谷が天を仰ぐ一幕も。
内海の後輩刑事で、興奮するとサーベルを振り回してしまう平野猛役の上山は「全力で努力します。まずは稽古に向けて、筋トレをやっていきたいと思います!」とサーベルを振り回すように手首をぐるぐる回し、気合を示していた。
一方、三姉妹の父親で現在は失踪中のミケール・ハインツ役の長谷川は「失踪中なんですが、出ますよね・・・?」と確認しながら、「三姉妹の皆さんの会話を聞いていて思い出したんですが、僕の母が4姉妹なんですよ。あ~こんな感じだったなと、懐かしくなりました。現場も楽しくなるんじゃないかな」とニコニコ。
喫茶猫目に現れる車椅子に乗った謎の少女・栞役を演じる新谷は「個人的に一番大きな舞台で、こんな素敵な豪華な皆様と一緒の舞台に立てることがとても光栄です。ちょっとした役かなと思って台本読んだら、意外と重要な役をいただいていたので すごく緊張しておりますが、精一杯がんばらせていただきます」と初々しい心境を吐露した。
その栞に寄り添い、何をしても様になる執事・藤堂役を演じる美弥は、「ビジュアル撮影の時に、久しぶりに燕尾服を着まして。宝塚歌劇団を卒業してから約4年ぶりだったもので、しばらく封印していた男役のスイッチが徐々に戻ってきております。性別もよく分からないすべてが謎の人物なので、精一杯かっこよく演じたいなと思っておりますし、素敵な作品に少しでも花を添えられるようがんばりたいと思います」と襟を正した。
最後に、藤原は「奇想天外、華やかで豪華絢爛な世界に誘いたいと、我々、一生懸命稽古しますので、ぜひ明治座にいらしてください!」、剛力は「いいものをお届けできるようにがんばりますので、皆さん、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです」、高島は「明治座創業150周年記念ファイナル公演にふさわしく、来てくださる皆さんに楽しんでいただけるよう、力合わせていきたいと思います」と呼びかけ、会見を締めくくった。
明治座創業150周年ファイナル公演 舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』は、2024年2月6日(火)から3月3日(日)まで東京・明治座にて上演される。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)