2023年10月6日(金)から10月9日(月・祝)まで、東京・浅草花劇場にて上演される舞台『home』。その制作発表が、9月19日(月)に開催された。
本作は、甲状腺ガンの手術をきっかけに歌手になる夢を叶えた木山裕策の楽曲「home」から家族愛をテーマに書き下ろされた作品。母に女手一つで育てられた三兄弟が、どんな選択をし、大人になっていくのか、「家族」にまつわる愛を描いていく。演出は安藤亮司(劇団ウルトラマンション)と田中広喜(ミュージカル・ギルドq.)が担当(安藤は脚本も担当)。2022年に初演され、今回は新キャストを迎えた再演となる。
出演者には、三兄弟役として、韓国の4人組バラードボーカルグループTRITOPS*よりイ・ウゴン、チャン・ユジュン、韓国の6人組男性アイドルグループBFよりノ・ミヌ。母役の網浜直子などが名を連ねた。
制作発表には、イ・ウゴン、チャン・ユジュン、ノ・ミヌ、網浜直子、脚本・演出の安藤亮司に加え、企画協力をした木山裕策が登壇した。
まず、出演オファーを受けた時を、長男役のウゴンは「この作品に出演できることになり、本当嬉しかったです。今、稽古の真っ最中なんですけど、とてもいい雰囲気です。自分ももっと集中して、がんばりたいと思います」と振り返る。
次男役のユジュンは「家族の話、兄弟の話ですが、ウゴンの兄貴とはもう15年も一緒にいる同じグループの仲間なので、本当の兄貴だと思っています。だから、本気でいけるんじゃないかと思って」とコメント。
ミヌは「僕は舞台の上に立つのが大好きなので、また日本の皆さんと舞台に立つ機会をいただけたことがとても光栄でした。また、台本を読んで、内容に感動しました」と語った。
母親役の網浜は、本作が久しぶりの俳優復帰であり、初舞台となる。子育てを終え、実際の子どもたちに背中を押されて復帰が実現したことを明かし、「台本をいただいて読んだ時、私のことを調査されていたのでは?と思うぐらい、リアルに共感する部分が多かったです。その一方で、三兄弟のキャスティングを知り、こんなキラキラした子たちのお母さん役をやらせてもらえるんだと、ちょっとときめいてしまいました(笑)。ブランクのある身で初舞台にはなりますが、韓国の皆さんが一生懸命言葉のを勉強しながらがんばってお芝居されているのを観て、足を引っ張らないようにと気を引き締めています」と挨拶。
ウゴンとミヌが演じる長男と三男は、いつか売れる日を夢見て路上で歌っているストリートミュージシャン、ユジュンが演じる次男はその活動に反対している銀行員という役どころ。それぞれ、実際の家族との違いを聞かれると、ウゴンとユジュンは姉のいる弟であり、ミヌは長男であることが分かった。
ウゴンは「僕は姉が一人います。弟役をやるのも初めて。でも、メンバーのユジュンも、ミヌさんもめっちゃくちゃかわいくて。本当に弟がいたらこんな愛おしいんだなと思いました」と兄を演じる心境を明かした。
ユジュンは「僕も姉が1人。実際の家の中では、今回の役とは逆で、自分で言うのもなんですがかわいい系で・・・お母さんにワンチャンって呼ばれています。外ではそんな雰囲気は出していないので、ギャップがあります(笑)」と告白。
一方、ミヌは「僕は長男で妹がいるので、この作品での状況とは真逆。末っ子役の僕だけ長男って、なんか不思議ですね(笑)。実際にはお兄さんはいないけれど、今、役の上でお兄さんが2人もできたので、僕もお兄さんが欲しかったなって思ってます」と笑った。ちなみに、制作発表前の様子を見ていても、3人の中でダントツにしっかりしているのはミヌだったという。
ここで、スペシャルゲストとして「Home」を歌う木山が登場。自身の楽曲が舞台化された初演について、「舞台化のお話をいただいたのは、コロナ禍真っ只中の頃でした。楽曲を舞台にするって、最初はイメージがつかなくて。まずは僕の人生の話を聞いていただいたんですが、それがそのまま舞台になってしまったらどうしようって、ちょっと怖かったんですよ(笑)。でも“家族愛”という普遍的なテーマで、潔く、かつ、斬新なストーリーに仕立てていただいてほっとしましたし、客観的に拝見して、泣いたことを覚えています」と振り返った。
また、新キャストたちに向けて「今日の控室での様子を見ていても、皆さんめちゃくちゃ仲がいいんですよ。もうすでに家族っぽい。初演とはまた違う家族の絆が生まれそうな予感がしましたので、全力でどうぞよろしくお願いします」とエールを送った。
稽古はまだ始まったばかり。印象的な台詞を聞かれると、ミヌは「山郷兄弟です。兄弟で歌ってます。あ、もし時間があったら1曲聴いてもらえませんか?よろしくお願いします」という台詞を挙げ、「何回も繰り返して言うんですが、感情とか、兄弟を取り巻く状況を含めて一番印象的な台詞じゃないかなって思います」と言うと、木山も「僕も好き。この台詞を聞くと、初演をすごく思い出します。なぜ彼らがこう言うのか、背景を知ると泣けるんですよ」と同意していた。
ユジュンは「短いんですけど『社会に出るって大変なことなんだよ』です」と一言。次男の性格を一番表している台詞なのだという。
ウゴンが挙げたのは「オードブルね!」という何気ない台詞。これは、母がオードブルを“オードンブル”と間違えて言ったところに、長男がツッコむシーンの台詞だそうだが、「僕自身が、オードブルをちゃんと分かっていなくて、稽古では“オードンブル”に引っ張られてしまっていて・・・(笑)。練習して、本番では完璧な“オードブル”にします。がんばります!」と照れ笑い。
本作の中で、「家族愛」と共に描かれているのが「夢」だ。ウゴン・ユジュン・ミヌは、それぞれが今抱えている夢を聞かれると「皆さんの前で歌ったり踊ったり演じたりするのを、長く続けること」と掲げた。
ミヌは「愛している人たちと、どんな大変なことがあっても乗り越えて、幸せに生きることが夢です」、ユジュンは「活動をずっと続ける、長く歌いたい」、ウゴンは「僕たちはデビューから1人も欠けず、めっちゃ仲良しでここまで来ました。それは本当に難しいことで、僕たちのプライドであり、運命だと思っています。活動はほぼ生活になので、僕たちのファンの方と、できればできるだけ長く幸せな生活を、一緒に歩いていきたいです。それが夢です」と語った。
最後に、ミヌは「とても心が温かくなる物語です。皆さんのいい思い出になるように、出演者全員で協力して、いい作品にしたいと思います。がんばりますので、応援よろしくお願いします」、ユジュンは「僕自身もそうなんですが、家族と本気で話すのは恥ずかしかったり、難しかったりするかもしれません。でも、この作品を家族で観たら、その家族はもっと仲良しになると思います。ぜひ、家族みんなで観に来てください」、ウゴンは「皆さんに温かい気持ちになって帰ってほしいです。僕たちみんなで、素晴らしい作品にするため、がんばります。よろしくお願いします」と呼びかけた。
そして、網浜は「私は、最後のシーンを読んだ時、自宅の台所で泣いちゃったんです。今の時代、いろんな形の家族があると思いますが、世代を問わず、感情移入して観ていただける作品だと思います。私も一生懸命、この3人のお母さん役を務めたいと思います」と意気込んだ。
なお、各公演の終演後には、回替わりでアフタートークの実施が決定。初日10月6日(金)の19:00公演と、千秋楽の10月9日(月・祝)16:30公演には、木山がゲスト参加する。公演に向けて、木山は「ここ最近、大変な時代になって、心が疲れていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。僕は、ぜひそんな皆様に観ていただきたい舞台だなと思います。僕も何度も駆けつけて、歌も歌わせていただいたりしますので、皆様、ぜひ足をお運びください」と締めくくった。
舞台『home』は、10月6日(金)から10月9日(月・祝)まで東京・浅草花劇場にて上演される。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)
舞台『home』公演情報
上演スケジュール
2023年10月6日(金)~10月9日(月・祝) 東京・浅草花劇場
スタッフ・キャスト
【出演者】
長男・山郷祐一:イ・ウゴン(TRITOPS*)
次男・山郷健次:チャン・ユジュン(TRITOPS*)
三男・山郷蒼太:ノ・ミヌ(BF)
祐一の婚約者・ナミ:瀬口美乃
芸能事務所社長・渡辺:粟澤穂乃花
健次の銀行の上司・中島:妹尾竜弥
健次の銀行の同僚・松林:獅劇レオン
警察官:梶本:佐良慶太
母・山郷充子:網浜直子
【演出】安藤亮司(劇団ウルトラマンション) 田中広喜(ミュージカル・ギルドq.)
【脚本】安藤亮司(劇団ウルトラマンション)
チケット
【料金】
指定席:9,300円(税込)
バルコニーサイド席:6,300円(一般発売より)
※ドリンク代別途500円
※4歳以上有料,3歳以下入場不可
チケット申込:https://ticketstage.jp/home2023/
アフタートーク登壇者
10月6日(金)1部 :ALL CAST
10月6日(金)2部:イ・ウゴン/チャン・ユジュン/ノ・ミヌ/網浜直子
<ゲスト>木山裕策
10月7日(土)2部:イ・ウゴン/チャン・ユジュン/ノ・ミヌ/瀬口美乃/粟澤穂乃花
10月8日(日)1部:女性キャスト全員
10月8日(日)2部:イ・ウゴン/チャン・ユジュン/ノ・ミヌ/網浜直子
10月9日(月・祝)1部:男性キャスト全員
<ゲスト>木山裕策
10月9日(月・祝)2部:ALL CAST
<ゲスト>木山裕策
公式サイト
【公演特設サイト】 https://ticketstage.jp/home2023/
【公演X(旧Twitter)】https://twitter.com/Home_musicstage