2023年8月24日(木)に大阪でいよいよ幕を開けるミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 –最後の事件-。2019年に始まった『モリミュ』がついにたどり着く、「最後の事件」を前に、シャーロック・ホームズ役の平野良、ジョン・H・ワトソン役の鎌苅健太、ジョージ・レストレード役の髙木俊に、話を聞いた。
\大阪初日8/24 18時公演で配信あり!/
詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?id=stage&season=5479mrbls00262
――モリミュは5作目となりますが、ここまでを少し振り返ってお話いただけますか?
平野:Op.1の立ち上げは大変と言えば大変だったんですが、当時はコロナ前だったので、みんなで飲みに行ったりして、芝居の話がいっぱいできていたよね。
鎌苅:そうだね。Op.2からはもうコロナ禍に突入しちゃったから。劇場では、より一層拍手が染みるようになったよね。
平野:あとは「良くて当たり前」みたいになってきてるじゃないですか。
一同:(笑)!
平野:毎回、初日のオープニング曲が終わった後の拍手を聞くとちょっと安心するんですよ。それにしても、皆さんの期待値、上がりすぎてない?って思ってます(笑)。
髙木:あと、SNSの反応はちょっと気になっちゃいますね。
平野:分かる分かる(笑)。
髙木:皆さんが期待してくれていたものがちゃんと届けられたか気になるし「期待を超えてきた」って言ってもらえていると、勇気づけられるからね。
鎌苅:毎回、『モリミュ』は稽古に行くのに最初は怖いんですよ。ふんどし締めてかからないといけない、というか。でも、だからこそとても有意義な時間を過ごさせていただいています。毎年の通過儀礼になっていますね。
――『モリミュ』は、2.5次元というジャンルを高めてくれた存在になった気がしています。
平野:そう思っていただけていたら嬉しいですね。「Japan Musical Festival」というイベントに呼んでいただけたりもしましたし。それをきっかけに、グランドミュージカルのファンの方や、原作をご存じない方が興味を持ってくださったという話を聞くと、すごく嬉しいですね。
鎌苅:僕は、前回のJMFに参加させてもらったんですが、鈴木さんと平野さんが名だたるミュージカルスターと肩を並べていて、誇らしかったですね。 自分の出番じゃない時のリハーサルを楽屋で観ていたら、「おっ、今、勝吾がノったぞ!」って分かる瞬間があってのをよく覚えていますね。
平野:勝吾くんが、手を広げて回ったらもう完璧だからね(笑)。
髙木:新しく知ってくれた方たちは、最初から観たい!全編通して観たい!って思ってくださったんじゃないですかね。映像として作品は残っていますけど、やっぱり舞台は生で体感していただくのが一番ですから。物語も終盤に差し掛かっているので、ぜひ劇場で観ていただきたいですよね。
――本作は、鈴木さんと平野さんのW主演でずっとやってこられましたが、何か変わったことってありましたか?
平野:そうだなあ・・・勝吾くんがどんどん大人になっていったというか。
鎌苅:傍で見ていて、Op.1の時は良が(カンパニーを)引っ張っていた気がしたんです。勝吾を自由にさせるために、良が基盤を作っていたというか。そのバランスがどんどん変わっていくのがおもしろくて。良の顔が勝吾の天真爛漫さに感化されて変わっていったり・・・。化学変化が起きて、密度が上がっていく感じ。そういう感覚が、どんどん色濃くなっていきましたね。
髙木:楽屋で見てると、二人とも子どもみたいなんですよ。僕は、二人がすっごく楽しんでバカなことをやっているのを傍観しているのが好きなんです(笑)。勝吾くんはよくトイレにこもるんですけど。
鎌苅:トイレの悪魔ね(笑)。
髙木:急に歌い出すんですよ。しかも、同じところしか歌わない。きっと、引っかかってるところなんだと思うんですけど。そういう、何気ない二人の感じが、僕はすごく好きです。居心地がいいです。
――ホームズ陣営は、どうやって雰囲気を作ってこられましたか?
髙木:物語の中では、モリアーティ陣営が頭脳派チーム、ホームズ陣営がちょっと明るめな雰囲気ですけど、稽古場では逆だよね。
平野:そうかも。
髙木:ホームズ陣営の方が大人なので、モリアーティ陣営はうるさいんです(笑)。でも、そのギャップが俺は結構好き。
鎌苅:すごく綺麗なパズルと、いびつなんだけどなんかはまっちゃうパズル、みたいな違いがあるよね。
平野:確かに、休憩中そんなにホームズ陣営はしゃべってないですもんね。だから、(七木)奏音ちゃんとなんて、Op.1からずっと一緒にやってますけど、休憩中に数えるくらいしかしゃべってない気がする。
鎌苅:奏音ちゃん、大人しい子だけど誰よりも差し入れを取りに行くのがめちゃくちゃ早いよね(笑)。「これ食べた?」って聞くと、ちゃんと確保してる。それがすっごくかわいいの。
一同:(笑)!
――西森さんの稽古現場って、総じてディベートが多いという話を聞くのですが、『モリミュ』はどうですか?
平野:モリアーティ陣営は、ディベートというか、話し合いはよくしているイメージがありますけど、僕らの場合は・・・『モリミュ』でも、別作品でも、見たい景色とか、要所要所でオーダーをいただくことはありますけど、その範囲内で任せてくれるので、こっち(ホームズ陣営)はあんまり話し合いとかもしたことないかも。「なんとなくこんな感じがいいんじゃない?」ぐらい。結構自由にやらせていただいています。
髙木:台本の書き方で、なんとなく西森さんがやりたい感じが分かるので、「じゃあ、こっちでちょっと揉みます」「稽古場で出します、どうですか?」みたいな感じだよね。
鎌苅:テーブル稽古ではしっかり想いを伝えてくれますけど、基本はホーム陣営については任せてくれるよね。世間話的に、「あそこのあれ、いいよね」みたいな話をしてくれたりはするけどね。
髙木:でも、俺は西森さんに言いたいことがある(笑)。台本上で「レストレードにちょっと面白くしてほしい」みたいな感じで書かれている部分があって、西森さんからも「ここ、しゅんりーに任せてもいい?」って毎回言われるんです。だから、稽古場でいろいろやるんですけど、ダメ出しの時にも「あそこ良かったよ」とも何とも、一言も触れてくれないんですよ!
平野・鎌苅:あははは(笑)!!
髙木:なんか言ってくれてもいいんだけどな~ってずっと思ってるんですよ。やった時に、笑ってはくれるんです。だから、言葉にしてくれてもいいんですよって、ずーっと思ってるんです(笑)。
平野:きっと、そこだけしゅんりーさん演出の別作品っていうカウントなんだよ(笑)。
鎌苅:自分の管轄じゃないって思ってるんですよ(笑)。
髙木:でも、西森さんの感想聞きたいよ~。
――今回はどうでしょうか(笑)。いよいよ、物語は「Op.5 -最後の事件-」へと突入しますが。
平野:原作も第一部が完結したところで、きっとミュージカルもどういう作品になるのか注目してくださっている方も多いと思うんです。 どういう楽曲で、どういう演出になるか、そこはミュージカル『憂国のモリアーティ』としてしっかりお届けするので、安心して楽しみに足を運んでいただけたらなと思います。
鎌苅:それぞれの想いを吐露する場面がとても多いので、大きな渦と、個々の点が・・・星座のように散らばっているのでね(突然ちょける鎌苅さん)。
平野:ミルフィーユじゃなくていい?(のっかる平野さん)
鎌苅:ミルフィーユでもいい(笑)。気持ちが層になってね、たくさん積み重なっているのでね。
平野:年輪だ。バームクーヘンだ!
髙木:例えが多いな(笑)!
鎌苅:(笑)。どの人の感情を追いかけていてもずんと心の奥に刺さる、響くところがたくさんあると思います。
髙木:僕、今回のストーリーをやるにあたって、クライマックスがどう演出されるのか、どういう音楽で描かれるのか、すごくワクワクしていたんです。僕自身も驚きたいですし、皆さんにも驚いてほしいなと思います。
平野:どうする?ロケして撮った映像だったら。
鎌苅:急に映画になるんだ(笑)。
髙木:(渋い顔で)・・・つまんね~!!
――ちなみに、『モリミュ』の音楽はとてつもなく繊細で難易度が高いと聞いていても思うのですが、皆さんは楽譜をもらった時どう感じられたんでしょうか。
平野:無、です。感情を抱く余地がない(笑)。僕、毎回オープニングの曲歌う時、(鈴木勝吾との)二人のハモリができる気がしないのよ。その前のコーラスからもうすでにやばい。
一同:(爆笑)!!
平野:こんなこと言っちゃダメだと思うんですけど、オープニングの曲、いつも歌ってるけど、一番難しいんです。毎回、そろそろできるかな?と思うけど、できない。音が取れない。
平野:激ムズですよね・・・!しかも、ホームズ陣営3人とも音が違うんですよ。楽譜見ると、びっくりしますよ本当に。ただすけさんの楽曲って、音が合っていても不協和音に聞こえるような作りになっていたりもするので。
鎌苅:俺、「この地に」病なのよ。
一同:(爆笑)!!
鎌苅:ハモり部分歌ってるじゃない?あの入りが、どれだけ怖いか。だから、いつも本番前に「こ?」「こ?」(音程確認)ってやってるもん。回を重ねて、掴んだ気になるんだけど、また逃げていくのよ。
平野:いや、あの曲は本当に難しい。そもそも、オープニングで歌う曲として作ってないんですもんね。ただすけさんも「これ歌わせるの?!」ってなったらしいもん。
鎌苅:えっ、そうなの?!
※ミュージカル『憂国のモリアーティ』を告知する最初のCMを作る際に、オリジナル曲が必要となり、制作側からただすけさんにCM用としてオーダーしたものに、西森さんがいつの間にか歌詞をつけていたそうです
――でも、あの曲が『モリミュ』の方向性を示したような気がします。
鎌苅:そうですよね。やっぱり『モリミュ』っていうと、あの曲が真っ先に頭に浮かびますもんね。
髙木:でもOp.2の時に台本をもらって「またあったか・・・」って思っちゃった(笑)。
一同:(爆笑)!!
平野:メインテーマだからね(笑)。しかも、毎回バージョンが違うから。今回も「Op.5」ver.で変わっているからね。
鎌苅:ああ・・・(頭を抱える)。でも、毎回このちょっとの違いも楽しいんだよね。
髙木:オープニングが終わったあとのお客さんの反応が楽しみだね。
鎌苅:そうだね。毎回鳥肌立つもんなあ。
――「Op.5」は、どんな仕上がりになっているのか、楽しみにしています。
髙木:僕は僕のポジションを全うして、お客様を楽しませたいと思います!
鎌苅:『モリミュ』のワトソンでいられることがすごく好きで、一つの誇りになっています。お互いに心を震わせられる、濃密な時間を皆さんと過ごしたいと思いますので、ぜひ劇場でお待ちしています。
平野:「有終の美」と言いますが、僕は、その終わった先が学問になると思っています。「Op.5」を観終わったあとに、お客様の中で何が動き始めるのか。それが生まれてこそ、この作品をやってきた意味だと思うので、ピリオドを打つのではなく、余白を残した終わり方ができたらなと思います。ぜひ、楽しみにしていてください。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
\大阪初日8/24 18時公演で配信あり!/
詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?id=stage&season=5479mrbls00262
ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 –最後の事件-公演情報
上演スケジュール
【大阪公演】2023年8月24日(木)~8月27日(日) メルパルクホール
【東京公演】2023年9月1日(金)~9月10日(日) 天王洲 銀河劇場
スタッフ・キャスト
【原作】構成/竹内良輔 漫画/三好 輝 『憂国のモリアーティ』(集英社「ジャンプSQ.」連載)
【脚本・演出】西森英行
【音楽】ただすけ
【出演】
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ:鈴木勝吾
シャーロック・ホームズ:平野良
アルバート・ジェームズ・モリアーティ:久保田秀敏
ルイス・ジェームズ・モリアーティ:山本一慶
セバスチャン・モラン:井澤勇貴
フレッド・ポーロック:長江崚行
ジェームズ・ボンド:大湖せしる
ジョン・H・ワトソン:鎌苅健太
ミス・ハドソン:七木奏音
ジョージ・レストレード:髙木俊
マイクロフト・ホームズ:根本正勝
伊地華鈴 大澤信児 木村優希 熊田愛里
柴野瞭 白崎誠也 高間淳平 竹内一喜
永咲友梨 中村祐輔 蓮井佑麻 山下真人
Piano:境田桃子
Violin:林周雅
ライブ配信
動画配信サービスDMM TVにて、ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 ライブ・アーカイブ配信実施決定!
【配信公演】
<大阪初日公演>
8月24日(木)18:00【スイッチング映像】【全景映像※アーカイブ配信のみ】
<東京千秋楽公演>
9月10日(日)12:00【全景映像】/17:00(大千秋楽)【スイッチング映像】
\大阪初日8/24 18時公演で配信あり!/
詳細>>https://tv.dmm.com/vod/?id=stage&season=5479mrbls00262
公式サイト
【公式サイト】 https://www.marv.jp/special/moriarty/
【公式Twitter】@mu_moriarty
【公式Instagram】mu_moriarty
(C)竹内良輔・三好 輝/集英社 (C)ミュージカル『憂国のモリアーティ』プロジェクト