佐奈宏紀×梶原岳人『Paradox Live on Stage vol.2』2.5次元と声で同役を演じる二人のアレン特別対談

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佐奈宏紀×梶原岳人『Paradox Live on Stage vol.2』2.5次元と声で同役を演じる二人のアレン特別対談

2023年3月9日(木)東京・品川ステラボールにて開幕する『Paradox Live on Stage vol.2』(パラステ)。パラステはHIPHOPメディアミックスプロジェクト『Paradox Live』(パラライ)の舞台化作品だ。2021年9月に『Paradox Live on Stage』が上演され、今作が続編となる。

本インタビューでは、「BAE」の朱雀野アレンをパラステで演じる佐奈宏紀、パラライで演じる梶原岳人の“二人のアレン”による対談が実現。二人が思うパラライの魅力や、俳優目線、声優目線での作り上げる役へのアプローチ方法などを聞いた。

目次

同じアレン演じる佐奈宏紀さんと梶原岳人さんが初対面!

――お二人はこれが初対面と伺いました。

梶原:そうなんですよ!

佐奈:せっかくの機会なので、梶原さんに色々伺いたいなと楽しみにしていました。よろしくお願いします!

――お二人を繋ぐのが『Paradox Live』ですが、このコンテンツの魅力はどのようなところにあると思いますか?

梶原:パラライは「メディアミックスプロジェクト」として、ドラマCDからアニメ、イベント、ライブ、舞台と幅広く行っています。入り口がたくさんあるから、いろんな方が興味を持ってくださるタイミングが多いのかなと思ってます。あと音楽。僕は、このプロジェクトに携わるまでHIPHOPはあまり聞いていなかったんですが、パラライをきっかけに聞くようになりました。

佐奈:僕もパラライは音楽が1番の魅力だと思います。いろんなチーム、いろんな雰囲気の曲があるけれど、どれもHIPHOP。音楽の面白さを感じます。そして、キャラクターや少し尖った設定が音楽とうまく交わって、パラライならではの魅力になっているんだと思います。

――梶原さんさは、ラップもパラライで初めて経験されたのですか?

梶原:そうですね。ラップもこれまであまり聞いたことがなかったですし、実際にやったこともなかったんです。

佐奈:え~!本当ですか?!上手すぎる!!

梶原:ラップを指導してくださったMICROさん(「BAE」の楽曲の作詞等も担当)の指導がすごく上手なんですよ。説明、擬音語も多いんですけど(笑)。

佐奈:「ここはズコーン!」とか「そこはズーン」って感じ」とか、そういうことですか?

梶原:そうそう(笑)。僕、言葉で説明されるより感覚で教えてもらう方が合ってたので、むしろすごく分かりやすかったんですよね。

――佐奈さんは、ラップのご経験は?

佐奈:僕はHIPHOPという楽曲のジャンルについては、1つのエンタメとして確立されて、ジャンルも色んなものがあることを知ってから、どんどん触れるようになりました。ただ、自分で歌うことはカラオケなどでもやったことなく、パラライで初めて挑戦しました。

――お二人とも初めてだったとは・・・。パラライでもパラステでも実際にお客様の前でライブパフォーマンスがありますが、演じるのとはまた違う感覚なのでしょうか。

梶原:そうですね。レコーディングでは“歌のみ”に集中するのですが、ライブとなると自分の身体全部も表現の1つになるので声に感情を乗せるだけではなく、自分の立ち姿を鏡で見て把握しておかないといけないし・・・大勢のお客様から見られながらパフォーマンスをすることは慣れていないので、いつも苦戦してます。

佐奈:梶原さんのライブしてる姿、めちゃくちゃかっこいいです!

梶原:そんなそんな・・・。

佐奈:僕は、先日、初めて自分自身としてライブをやったんですけど、もう全然感覚が違って!今までも演じてきた舞台で歌う機会はたくさんあったんですが、それが例えライブだけの公演でも、演じている役の延長線上の気持ちだったです。パラステでもアレンの身体を借りて、アレンとして歌っている感覚。今まで僕は、表現者として、役を借りて、自分の考え方とか思いとかを皆さんに伝えてきました。でもそれは、役の持っているものに僕を刷り込んでいるから100%僕じゃない。すべてを自分で表現するのは、めちゃくちゃ怖かった・・・。

梶原:その感覚わかります。役を背負っていると表現が自然とできるんですが、表現するものが“自分”になった途端、分からなくなったりするんですよね。

佐奈:「僕ってこんな人間ですよ!」って表現することは本当に難しいんだなと痛感しました。“自分”を表現するアーティストの方々のすごさが身に沁みました。アレンの魂を借りればどんな大きい会場でも自信を持って立てるのに、佐奈だったら出来ない。だからライブパフォーマンスをする時はより役の魂を感じているんだなと思います。

声優と俳優、表現のフィールドの違い

――お二人は、違うフィールドでそれぞれ「朱雀野アレン」を演じていらっしゃいますが、どのようなアプローチで役作りをされていきましたか?

梶原:役作りって難しいですよね。

佐奈:(大きくうなずく佐奈さん)。

梶原:声の仕事をしてると、1日に何本も違う役の声を録ることがあります。向き合わないといけないことがらが多いのでて、まずどこに目を向けたらいいか、限られた時間の中でどこまで掘り下げられるだろうかということを、常々考えています。本番は絶対良いものにしなければいけない、でもやってみるまでは正解も何も見えてないこともありますし…。

佐奈:これは、声優さんと俳優の大きな違いかもしれないですね。僕らも平行する作品があったりもしますが、1日に何役も演じて、全部本番だなんて、脳がパニックになりそう・・・。

梶原:そうした状況下でも、いつも意識しているのはしっかり役と向き合い、深めて演じていきたいという事です。声で表現しているけれど、身体も心も演じる役でいたい。理想の領域に達するにはどうしたら良いのか、ずっと考えてますね。今の僕の課題でもあります。

佐奈;少ない時間で、演じるキャラクターの“核”みたいなものを見つけるためにしていることとかありますか?

梶原:そのキャラを構成しているものについて、すごく考えますね。「自分を自分たらしめる」ものはなにか。短いシーンでも、そこに至るまでキャラがどう思ったかのか、絶対に根底にあるものを探しています。アニメは、話数が多いので演じる度に役が深まっていく感じがします。今まさに「Paradox Live」のアニメのアフレコが始まっているんです。掘り下げれば掘り下げるほど、アレンのことが見えてきますね。

佐奈:確かに、アニメは話が進むにつれて明らかになることも多いから、大変だ・・・。

梶原:佐奈さんは、舞台でキャラクターを演じるためにどんなアプローチをするんですか?

佐奈:僕はまず、演じるキャラクターのステータスを決めて、次に自分との置き換え作業をします。一番最初に置き換えるものが、僕の中ではそのキャラに一番大事な部分だと思って始めるんですけど、アレンの場合はやっぱり音楽でした。

“俺を証明するのが音楽”って言い切っちゃうのがアレンのかっこいいところ。そんな彼にとっての音楽は、僕にとってどれぐらい大きなものなんだろう。軽はずみな置き換えはできないと思って、すごく時間をかけて考えていきました。それから「BAE」の仲間もアレンを作る軸だと思いました。パラステ第1弾では、そこも大事に作っていきました。

――小南光司さん、立道梨緒奈さんとは「BAE」をどう作っていきましたか?

佐奈:あの!これが!!実は最初の頃って事務的な話しかしてないです(笑)。全員が人見知りだった事もあって。でも、それが功を奏した気がしていて。「BAE」のメンバーって、各々ほっといても1人でも生きていけそうで、やりたいことがしっかりあるタイプじゃないですか。必要事項だけちゃんと伝えて、ライブ始まったらバチって決めるみたいな。でも、なんだかんだずっと一緒にいる3人。僕たちもそういう感じがあります。

また去年から、いくつか「パラステ」のステージをご一緒している中で少しづつコミュニケーションも増えてきて「vol.2」の今回はよりBAEらしさがさらに出てきているのかなとも感じています。

――現場の雰囲気と役の関係って近いものになるんですね。ちなみに、他のグループはどうなんでしょう?

佐奈:まさに、ですよ。「悪漢奴等」とか、ずっとわちゃわちゃ仲良くしてます(笑)。 「cozmez」の二人はお互いの芝居や音楽に対してより良いものにするためのぶつかり合いが多いし、「The Cat’s Whiskers」は大人の二人が引っ張っていって・・・どこのグループも、やっぱりキャラクターに引っ張られている気がします。

梶原:すごい!それも僕らと少し違うところだなあ。

佐奈:声優さんたちの場合、グループはどのような雰囲気で作られていくんですか?

梶原:僕らの場合、個人個人で考えてきたものを本番で出し合うのが基本なんですよ。もちろん、掛け合いのシーンでは相手を思い合いますが、「次のシーン、もっとこういう方がいいですよね」といった相談はまったくしないです。基本的に空き時間は雑談ばかり(笑)。

役や演技については、監督やディレクターが伝えてくれることが全てになります。作品の骨組みは監督やディレクターが作り、僕たちはそれを自分たちで嚙み砕いて表現していくことに注力しています。

佐奈:本読みや顔合わせとかってあるんですか?

梶原:ないですね。ある時もありますが、基本は「初めまして」の状態で本番を録ります。

佐奈:すごい~・・・!

梶原:同じ作品でも、取り組み方が変わると全然違いますね。

――梶原さんは、前作のパラステはご覧になりましたか?

梶原:映像で拝見しました。自分がライブをする時とかにある“理想のアレン像”を佐奈さんが理想通りに表現されてて!

佐奈:本当ですか!?

梶原:声優として、俳優さんとして、それぞれの場で自分の得意な特色を出せるのがメディアミックスの面白さですよね。僕にはできないことを、佐奈さんがやってくださることで、素敵ものに仕上がっているのだなと思いました。

佐奈:嬉しい・・・!がんばろう!

パラステ、待望の第2弾!梶原岳人「僕も舞台から吸収したいものがたくさんあります」

――パラステ、いよいよ第2弾が始まります。

梶原:僕、第1弾は直接拝見できなかったので、今回はぜひ観に行きたいです!あ、プレッシャーかけるとかじゃないんですけど(笑)。

佐奈:はーーはーーー(胸に手を当てて大きく呼吸をする佐奈さん)。

梶原:僕も舞台から吸収したいものがたくさんありますし、佐奈さんのアレンや舞台全体を通して自分に還元できるも探したいなと思ってます。役者としてとても楽しみにしております!

佐奈:がんばります!

梶原:僕も先々のストーリーをよくできるように続けられるようにがんばります。で、舞台絶対に観に行きます!

佐奈:ありがとうございます!お客様のために、梶原さんのためにがんばります!!

――新作公演、楽しみにしております!

佐奈:第1弾をやった時に、今回のお話まで全部把握した状態で演じていたので、ようやく皆様にお見せできることが嬉しいです。キャストも一層気合いが入ってますし、 まだまだ未来に続けていくぞ!という意気込みを持っています。舞台の方でも、どんどん『Paradox Live』を盛り上げたいですし、舞台から知ってもらった方にも、原作を見て楽しんでほしいなって思ってます。いろんな駆け橋やきっかけになれるように、最高の舞台にしていきます!

(文/一本柳歌織、取材・撮影/エンタステージ編集部 1号)

『Paradox Live on Stage vol.2』公演情報

上演スケジュール

2023年3月9日(木)~3月19日(日) 東京・品川プリンスホテル ステラボール

スタッフ・キャスト

【原作】Paradox Live
【脚本】伊神貴世
【演出・脚色】私オム

【出演】
<BAE>
朱雀野アレン:佐奈宏紀、燕 夏準:小南光司、アン・フォークナー:立道梨緒奈

<The Cat’s Whiskers>
西門直明:竹内良太、神林匋平:安里勇哉、棗リュウ:堀海登、闇堂四季:輝山立

<cozmez>
矢戸乃上珂波汰:土屋直武、矢戸乃上那由汰:大崎捺希

<悪漢奴等>
翠石依織:武子直輝、雅邦善:川上将大、征木北斎:稲垣成弥、伊藤紗月:小林竜之、円山玲央:神越将

チケット

会場チケット料金:8,800円(税込/全席指定)
こども無料チケットあり

【チケットぴあ】https://w.pia.jp/t/paradoxlive-stage/
【楽天チケット】https://r-t.jp/paradoxlivestage_vol2
【ローソンチケット】https://l-tike.com/paradoxlive-stage/
【イープラス】https://eplus.jp/paradoxlive-stage_vol2/

アフターイベント開催

お見送り会に加え、特定日にはアフタートークも!
詳細:https://www.paradoxlive-stage.jp/news/detail.php?id=1106116

来場者特典:『お礼ボイスメッセージ付き ビジュアルカード』
劇場に来場した観客だけがもらえる「来場特典」として『お礼ボイスメッセージ』付きビジュアルカード(1キャラクター1種類)を来場1名につき1枚、日により定められたチームのカードを、ランダムで配布
配布スケジュール:https://www.paradoxlive-stage.jp/news/detail.php?id=1105477

日替わりシャッフルチームショウ
本編公演に加え、各チームの垣根を超えたシャッフルチームによる「日替わりシャッフルチームショウ」も開催。
詳細:https://www.paradoxlive-stage.jp/news/detail.php?id=1105474

公式サイト

【公式サイト】https://paradoxlive-stage.jp/
【公式Twitter】@paradoxlive_st

(C)Paradox Live on Stage2023




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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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