小瀧望、初ミュージカル!若者のエネルギー溢れる『ザ・ビューティフル・ゲーム』開幕

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小瀧望、初ミュージカル!若者のエネルギー溢れる『ザ・ビューティフル・ゲーム』開幕

2023年1月7日(土)に東京・日生劇場にて『ザ・ビューティフル・ゲーム』が開幕した。初日前にはフォトコールと取材会が行われ、主演の小瀧望(ジャニーズWEST)、木下晴香、益岡徹、上演台本・演出を手掛けた瀬戸山美咲が登壇した。

本作は『オペラ座の怪人』や『キャッツ』などの作曲を手掛けたことで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーと、『We will Rock You』などを手掛けた人気作家ベン・エルトンによって制作されたミュージカル作品。2001年にイギリス演劇界で最も権威があるとされるローレンス・オリヴィエ賞ミュージカル部門において優秀新作賞を受賞するなど高い評価を得ている。

物語の舞台は、イギリス領北アイルランドの首都ベルファスト。街では北アイルランドの独立を訴えるカトリック派の組織・IRAの活動が盛んになり、宗派による分断が起こっていた。そんな中、人々はサッカーの試合を「ザ・ビューティフル・ゲーム」と呼び、人生そのものとして楽しんでいた。

サッカーチームのエースであるジョン(小瀧)もチームメイトとともに、監督のオドネル神父(益岡)による厳しいトレーニングの元、練習に励んでいた。しかし街はカトリック派とプロテスタント派の争いが日増しに激しくなり、ジョンやチームにも不穏な空気が忍び始め・・・。

フォトコールでは、一幕からベルファストの労働者階級の若者同士が喧嘩を始める「オーバーチュア」、サッカーの試合が展開していく「ビューティフル・ゲーム」、女性キャストを中心とした「写真の中の少年たち」、ロッカールームでシューズを磨く「雑用はうんざり」、メアリー(木下)とジョンが口論を繰り広げる「好きじゃない」の5曲、二幕からは、チャペルで新郎新婦と笑顔を交わす友人たちの「人生最高に幸せな日」、結婚を誓い合う「すべての愛」の2曲が披露された。

実に7曲にも及ぶ歌唱シーンからは、小瀧と木下を中心とした若者の力強さが感じられ、サッカーを通してチームで励む姿や恋の甘酸っぱさに青春の鮮やかさが滲んでいた。一方で、宗教によって分断されていく差別意識が見受けられ、街の人々に這い寄る暗い影を映していた。

初日を迎える意気込みを聞かれた小瀧は「コロナ禍で迎える舞台はこれで3作目ですが、 毎回初日を迎えることを奇跡のように感じています。みんなで感染対策に気を付けて稽古乗り切って、今日を迎えられることが本当に嬉しいです。やっとここからがスタートなので、スタッフ・キャスト一同、気合を入れて引き締めていきます」とにこやかに答えた。

この話を受け、木下からは「3日前くらいにやっとマスクを外して、みんなと初めてお芝居をしました。そこで変化したやりとりもあったので、これから公演が終わるまでの間、みんなで力を合わせて頑張っていきたいなと思っています」と挨拶。益岡は「ミュージカルの舞台では、自分の体の中に沁みこませて作っていくというのが大変な作業でしたが、公演が進むにつれてより大きく膨らませていけたらいいなと思っています」と語った。

小瀧は、今回がミュージカル初挑戦ということで「本当にみんなにおんぶに抱っこで助けられてます。(ミュージカルをやるのは)30歳手前ぐらいと勝手にイメージしていたので、予想より早くミュージカルのお話をいただき驚きましたが、挑戦できることがとにかく嬉しいです。右を見ても左を見ても頼りになる仲間ばかりで、本当に人に恵まれてるなと思いますし、皆さんのエネルギーを感じながら追いつけるように頑張ってます」とカンパニーへの信頼を口にした。

歌稽古は9月頃から始まり、海外と中継しながら音楽指導を受けていたそう。「顎をリラックスさせることを意識して」と指摘された小瀧は、所属するジャニーズWESTが歌うロック調の楽曲に多い、喉を鳴らす歌い方の癖を取ることが大変だったという。

上演台本・演出の瀬戸山は、小瀧の初舞台『モールス』でも上演台本を手掛けており、今回は演出としてもタッグを組む。「(『モールス』の時も)とてもいい俳優さんだなと思いました。繊細で感受性が豊かで、ビシっと決めた芝居もできる。とても貴重な存在だと思うので、今後もどんどん舞台をやってほしいです」と絶賛。

また「私も初めてのミュージカル演出なので、ミュージカルにおけるお客さんとの関係の結び方、客席への意識の飛ばし方など、たくさん話し合いながらやってきました。ちゃんと届くようになったと思うので、この調子でいけたらと思います。また、この作品はジョンが“一生懸命、生きている”ということがすごく大事な作品です。(座長として)小瀧さんはとにかく明るく楽しく、みんなをどんどん引っ張るようになってきてくれたと思います」と、今回も高く評価しているようだ。

そんな初いっぱいの座組を、歌声で牽引するのはやはり木下だろう。その木下の歌声について、小瀧からは「すっっっごいッス!僕が一番近くで聞いているのですが、こんな細い体からどうやってそんな声量が出てくるんだ!?と毎回思います。最初から最後まで見ていただくと、想像より20倍ぐらいすごいって感じると思います」と褒め倒した。

そんな木下とのデュエットについては「勘弁してください(笑)。初ミュージカルでデュエットさせていただくのは恐れ多い・・・でも、それがモチベーションになりますね。早く追いつかないと」と気合を見せる小瀧。

続いて益岡は、小瀧・木下との間にラインを引くようにして「突出して、と言うとおかしいんですけど、世代が結構・・・違いますよね(笑)」と笑いつつ、「時代や国が違っても、社会情勢や宗教対立など、立ちはだかる問題を前に思うように生きられない子どもたちがいます。若者たちが命を煌めかせながら素晴らしい人生を歩もうとするも、それが許されていない時代もあった。私の役柄は宗教家であり、大人なんですが、若者たちをどうにもしてやれない。大人としての無力感と、その対比をすごく感じました。少年たちが必死で生きている姿に胸を打たれます」と益岡は作品で得た感動を伝えてくれた。

ジャニーズWESTのメンバーについて聞かれた小瀧からは「(この舞台を)見に来てくれるんじゃないですかね。僕、楽屋とかでもこの劇中の歌を歌っていたんですよ。そうしたら、メンバーも覚えちゃって(笑)。一幕で『とにかくお酒を飲むぞ』っていう歌があるんですが、お酒好きのメンバーが多いこともあって、特に桐山が一緒に歌いながら『俺、多分見に行く時、一緒に歌ってまうわ!』って言うてました」と会場に笑いを誘った。

同世代の出演者の方が多いことについて「年下の方がいるのも初めてで、それがとにかく新鮮でした。同世代が多いからこそ、いいチームワークが築けたと思います」と小瀧。木下もこれまで同世代との共演が少ないことから「稽古場で不思議だなと思いながら、本当に何度も『青春してるな』って感じてました(笑)。みんな素敵で大好きなので、こんな楽しい作品に関われることをすごく幸せに思います」と笑顔を見せた。

「とにかくやってないことをやってみたい」という思いが強いと語る小瀧は「自分がどう感じるのか、相手にどう感じさせるのか。とにかく興味があったんです。そして、(表現の一つとして)いつかはミュージカルにも挑戦してみたいと思っていました」と明かした。

見どころについては「とにかく登場人物全員の生命力とエネルギー。あとは、この舞台の人たちって、明日命があるかもわからないぐらい死と隣り合わせで生きてる人たちの作品なので、僕たちが1日1日をとにかく全力で生きてるこの生命力を感じてもらいたいです。戦争・紛争・分断などが、いかに無意味かということを伝えられる作品じゃないかなと思います」と真剣な表情で語った小瀧。

続く木下が「(小瀧に)全部言われちゃった(笑)」と慌てると、小瀧が「すいません!残しとけばよかった!」と微笑ましい一幕も。その後、木下は「本作は、音楽をロイドウェバーさんが手掛けられたものですが、すごくリプライズが多い作品だなと思いました。メロディは一緒でも、歌っている状況が違ったり、立ち位置が変わったり。それもこの作品の特徴の一つだなと思います。お客様にも時代の変化、登場人物の変化、環境の変化を、音楽とともに感じながら物語を楽しんでいただけたらなと思います」と付け加えた。

また小瀧は、稽古期間にちょうどワールドカップが重なっており、男性キャストの半数ほどは寝不足だったと暴露。本作には、サッカー監修として大久保嘉人が参加しているが、稽古前にサッカーチームを演じるキャスト陣の実際の実力を大久保に見てもらう機会などもあったそう。サッカー経験のある小瀧は「お前、いつか大久保さんにサッカー見てもらえるぞ!」と言ってやりたいと興奮気味に語っていた。

最後に、小瀧は「何より豪華なキャストが揃い、若いエネルギーと登場人物たちの生命力を感じてもらえる作品になっていると思います。どこか、他人事とは思えないような話ばかりなので、何かを感じ取ってもらえれば嬉しいなです。最後まで走りきれるようにキャスト・スタッフ一丸となってがんばりますので、皆さん応援のほどよろしくお願いします!」と会見を締めくくった。

『ザ・ビューティフル・ゲーム』は1月7日(土)から1月26日(木)まで東京・日生劇場、2月4日(土)から2月13日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。

目次

『ザ・ビューティフル・ゲーム』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年1月7日(土)~1月26日(木) 日生劇場
【大阪公演】2023年2月4日(土)~2月13日(月) 梅田芸術劇場 メインホール

スタッフ・キャスト

【作曲】アンドリュー・ロイド=ウェバー

【上演台本・演出】瀬戸山美咲
【振付】ケイティ・スペルマン

【出演】
ジョン:小瀧望(ジャニーズWEST)
メアリー:木下晴香
トーマス:東啓介
クリスティン:豊原江理佳
バーナデット:加藤梨里香
ダニエル:新里宏太
ジンジャー:皇希
デル:木暮真一郎
オドネル神父:益岡徹

今村洋一 江見ひかる 岡本拓也 尾崎豪 後藤裕磨
齋藤信吾 酒井比那 酒井航 鮫島拓馬 社家あや乃
田川颯眞 富田亜希 中野太一 広瀬斗史輝 松田未莉亜
宮崎琴 門馬和樹 安井聡 吉田萌美 渡部光夏

公式サイト

【公式サイト】https://www.tbg2023.com/
【公式Twitter】@TBGJP2023




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