2022年9月1日(木)に、東京・天王洲 銀河劇場にて舞台『パタリロ!』~ファントム~が開幕した。本作は、魔夜峰央による人気漫画「パタリロ!」の舞台化シリーズ第4弾。パタリロ役として加藤諒が主演を務め、今回は「ファントム編」のエピソードを上演する。初日前には公開ゲネプロと会見が行われた。
出演は、バンコラン役に宇野結也、マライヒ役に後藤大、ザカーリ役に佐藤永典。ミスターフー役に井阪郁巳、タマネギ部隊役に原嶋元久・佐川大樹・田村升吾・武本悠佑、魔夜メンズ役に小沢道成・愛太・笹尾ヒロト、歌姫役に中村中、ヒューイット役に丘山晴己。また、各回に日替わりゲストも予定している。
脚本は、日曜ドラマ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(日本テレビ)にも出演している池田テツヒロ、演出はNHK Eテレ『みいつけた!』にオフロスキー役で出演し、最近では舞台『呪術廻戦』の演出も手掛けた小林顕作が担当。
会見には、主演の加藤、宇野、後藤、演出の小林に加え、原作者である魔夜峰央も登壇した。まず、加藤は「ご時世的に、いろんなことに気をつけての稽古だったので、初日を迎えられたことが今まで以上に嬉しく感じます。なので、このまま千秋楽まで突っ走っていけたらいいなと思っています」と挨拶した。
シリーズ第3弾となった「~霧のロンドンエアポート~」より参加している宇野は「カンパニーの結束がより強まって、作品のクオリティもさらに上がったと思います。確実に、前回よりももっと耽美で、ワチャワチャな世界が待っているので(笑)。ぜひ楽しみにしていてください」と、手応えを感じていた。
同じく、「~霧のロンドンエアポート~」より参加の後藤も「前作からの続投メンバーも、新キャストの皆さんも打ち解けて、みんなでディスカッションすることがすごく増えた気がしています。今回も、舞台でしか表現できない素敵な部分をお届けできたらと思います」とコメント。
本作は、原作が来年で45周年を迎えるため、その記念公演でもある。演出の小林は、新たな取り組みとして公演の後半がレビューショーになっていることに触れ、「お祝いとして公演を盛り上げていきたいなと思いまして、少し趣向を変えてみました。お客さんは発声できない状況ですが、拍手や手拍子で一緒に盛り上げていただけたらと思っております」と明かした。
これに対し、「舞台本編よりレビューショーのほうが長いんじゃない?」と突っ込んだ魔夜。生みの親ながら「毎回びっくりさせられることがあって、感心しているんですよ。絶対外さない」と大満足の様子。
しかし、小林が魔夜に「ファントムのお話はどういう気持ちで描いたのか?」と質問したところ、「何を描いたか覚えていない」という返事が返ってきたという。キャラクターについても「描いたことはなんとなく覚えているが、何をどう描いたのかは覚えていない。だから、舞台で何をやっても私には(正解が)分からないわけです」と語り、45年描き続けた歴史の重み(?)を感じさせた。
後藤が「さとちゃん(佐藤)のザカーリは顕作さんが作ったんだろうなぁって感じる」と打ち明けていたが、昭和から続く原作のエピソードが舞台ならではの色をつけながら、令和の今に蘇っている。そんな新たな色のついた新キャラクターたちを演じるキャストについて、小林は「佐藤永典くん、井阪郁巳ちゃん、丘山晴己ちゃん・・・ド級!にドヤバいです」とニヤリ。
加藤も、その言葉に大爆笑しながら「パタリロを演じるのって、実はめちゃくちゃ大変なんです。今回、お稽古の中で身体も声も壊れちゃったぐらい、『ファントム』はこれまでで一番ハードかもしれません。それぐらい盛りだくさんなんです。パタリロと共に自分も壊れていこうという決心がつきました(笑)!」と、決意表明していた。
舞台『パタリロ!』には、魔夜を模したミーちゃん先生が登場しているが、今回は日替わりゲストの一人としてレビューショーに登壇する。清水の舞台から飛び降りるならぬ、「『パタリロ!』の舞台から落っこちるぐらいの気持ちで」と、こちらも楽しみにしていた。魔夜は、初日のほか、大阪の大千秋楽公演にも日替わりゲストとして登壇予定なのでお楽しみに。
最後に、加藤は「原作の45周年を祝う“お祭り感”を一緒に、隅々まで楽しんでいただけたらと思いますし、45周年という時間の重みをみんなと一緒に感じたいです!」と締めくくった。
タマネギ部隊を引き連れ、アメリカ・ラスペガスに降り立ったパタリロ。本来の目的をよそにカジノへ向かうパタリロに、美少年が声をかける。ザカーリと名乗ったその美少年は、アメリカで一番有能と言われる天才占い師だった。パタリロは、その占い結果に言いがかりをつけ、ザカーリをいいように利用していく。そんな姿を、一匹狼の殺し屋「ファントム」が見つめており・・・。
そこへ、ザカーリの知人で魔術師のミスター・フー、CIAのエージェントで狙撃の名手ヒューイット、MI6のバンコラン、そのパートナーとなった美少年マライヒを交えて、今回もあちこちで大騒動が巻き起こる。果たして、「ファントム」の正体は?パタリロの運命やいかに――。
本編は、パタリロらしい楽しさが満載。「クックロビン音頭」や、これまでのシリーズで登場したおなじみの曲に新曲を加え、歌って踊って、物語を大いに盛り上げる。新キャストたちが個性を強く放つ中、加藤が演じるパタリロは、やはりこの人あっての舞台『パタリロ!』と思わせてくれる。
レビューショーで歌われる楽曲は、事前にTwitter上で募集されていた「#舞台パタリロ総選挙」の結果を受けて選ばれたもの。歴代の作品からなるべくたくさんの楽曲を、メドレーを含めて届けてくれる。なお、レビューショーではグッズとして販売されているリングライトに加え、ペンライト、うちわなどの使用が可能になっている。公式の情報をご確認の上、この“お祭り”を目一杯楽しんで。
舞台『パタリロ!』~ファントム~は、9月1日(木)から9月11日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、9月17日(土)から9月19日(月・祝)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。上演時間は約1時間50分を予定。
なお、東京公演の初日(9月1日)と千秋楽(9月11日)の2公演が、配信プラットフォームSPOOXにてライブ配信される。また、2023年3月にはDVDの発売も決定した。詳細は公式サイトにてご確認を。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
ライブ配信情報
【配信プラットフォーム】SPOOX
https://spoox.skyperfectv.co.jp/static/sales/content/patalliro
【配信公演】
2022年9月1日(木)18:00東京公演初日
2022年9月11日(日)14:00東京公演千秋楽
【販売価格】
東京初日公演:3,700円(税込)
東京千秋楽公演(本編のみ):3,700円(税込)
東京千秋楽公演(全景映像付き):4,500円(税込)
【配信形式】ライブ配信+アーカイブ配信
【販売期間】9月12日(月)20:59まで
舞台『パタリロ!』~ファントム~公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2022年9月1日(木)~9月11日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】2022年9月17日(土)~9月19日(月・祝) サンケイホールブリーゼ
スタッフ・キャスト
【原作】魔夜峰央「パタリロ!」(白泉社刊)
【脚本】池田テツヒロ
【演出】小林顕作
【出演】
パタリロ役:加藤諒
バンコラン役:宇野結也
マライヒ役:後藤大
ザカーリ役:佐藤永典
ミスターフー役:井阪郁巳
タマネギ部隊役:原嶋元久 佐川大樹 田村升吾 武本悠佑
魔夜メンズ役:小沢道成 愛太 笹尾ヒロト
歌姫役:中村中
ヒューイット役:丘山晴己
日替わりゲスト
【東京公演】
9月1日(木)18:00 魔夜峰央
9月2日(金)18:00 奥田夢叶
9月3日(土)13:00/18:00 池田テツヒロ
9月4日(日)13:00/18:00 川上将大
9月6日(火)13:00/18:00 三津谷亮
9月7日(水)13:00 中田凌多
9月8日(木)13:00/18:00 石田隼
9月9日(金)18:00 田口司、星豪毅
9月10日(土)13:00/18:00 金井成大
9月11日(日)14:00 佐奈宏紀
【大阪公演】
9月17日(土)13:00/18:00 金井成大
9月18日(日)13:00/18:00 川上将大
9月19日(月・祝)13:00 魔夜峰央
公式サイト
【公式サイト】https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2022/
【公式Twitter】@patalliro_stage
(C) 魔夜峰央/白泉社 (C) 舞台「パタリロ︕」製作委員会