2023年1月に、根本宗子の作・演出で、高畑充希が主演を務める新作舞台『宝飾時計』の上演が決定した。根本と高畑、同年代の二人が初めてタッグを組む。また、公演の衣裳はファッションデザイナーの神田恵介(keisuke kanda)が手掛ける。神田が演劇の衣裳を担当するのはこれが初めて。メインビジュアルのために作られた衣裳には、ベビー服や学生服など、主人公の生きてきた様々な時代が詰め込まれている。
高畑が演じるのは、子どもの頃から「女優」として生きてきた主人公「ゆりか」。30歳を迎え、自分の人生は一体誰のものなのだろうと、人生に迷う日々を送っている。そんな彼女が選ぶ、人生の進め方とは・・・。
「根本さんの作品は私の好きな毒気を持った素敵な作品なので、いつかご一緒したいと思っていました」と高畑。5年ほど前に、直接「わたしに芝居を書いて欲しい」と根本に伝えていたという。根本は「最大のラブレターを渡せるわたしになってから」と構想を練りに練り、ようやく実現した。
『宝飾時計』は、2023年1月に東京・東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。2月にツアー公演予定あり。
コメント紹介
◆高畑充希
根本さんの作品は、私の好きな毒気を持った素敵な作品なので、いつかご一緒したいと思っていました。実際根本さんにお会いしてもすごく魅力的な方だったので、根本さんの描く世界で演じられることが、とても楽しみです。
主人公のゆりかは子役出身ですが、私も中学生からお仕事をしているので近い部分があり、確かにキャリアが長くなっていく中で、自分の人生と演じている人生が混乱してくることもあります。30歳になったから何かが変わった訳ではないのですが、自分自身や、周りの手の届く人たちを大切にしたくて、優しくなりたいと思ったり、年々穏やかな人に憧れるようになってきました。
演劇は敷居が高いという印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、根本さんの作品は女友達と話しているような気持ちで観られる作品が多い気がします。愛おしく、歪な人たちが出てくる印象なので、私もそんなキャラクターを作れたらと思っています。
アラサーを生きて戦っている女性たちにはもちろん、ご年配の方や男性にも、エンタメとして楽しんでいただける作品になるといいなと思います。
愛と毒気がたっぷり詰まった普通じゃない話になると思いますし、私はそこに全力で向かっていきたいと思っています。ぜひ劇場に体感しに来ていただけると嬉しいです。
◆根本宗子(作・演出)
かれこれ5年くらい前でしょうか、充希さんから「わたしに芝居を書いて欲しい」と言っていただいたのは。それはそれはもう飛び上がるほど嬉しかったです。言葉と共にクロワッサンをくださったんですが、そんな嬉しい言葉をいただいた後ですから、人生で食べたクロワッサンの中で一番美味しく感じましたし、絶対忘れない味として記憶に残っています。そんなにストレートに、しかも本当に実現するくらい大きな声で言ってくださる方はそうそういないので、さらに嬉しかったんです。
充希さんは様々な役の人生を背負ってきた俳優ですから、どんな役をお渡しするのがいいかとても悩み「最大のラブレターを渡せるわたしになってから」と思ってしまい、構想を死ぬほど練りに練ってお待たせしてしまいました。
充希さんの俳優人生と、わたしの作家人生の交わり重なるポイントを捉えてこのタッグでしか出来ない舞台のプランを出すことができて、2023年ご一緒すべきベストなタイミングがやってまいりました。大好きで憧れの神田恵介(keisuke kanda)さんも衣裳で参加してくださることになり、今年に入ってからずっと胸が高なっております。
「演劇」をお見せできるよう、精一杯取り組みたいですし、この冬の全てを捧げようと思っております。
◆神田恵介(衣裳)
作・演出の根本宗子さんにお声掛け頂き、衣裳として参加させて頂くことになりました。主演の高畑充希さんと根本さんという同世代の二人の才能がどのように世界をつくりあげていくのか、今から楽しみでなりません。演劇と言えばお稽古場でのジャージですが、自分のブランドでも様々なデザインのジャージをずっと作り続けて来たということもあり、その重なりを力に変えて今までに無い舞台衣裳にできたらと意気込んでいます。戯曲や演出に寄り添う御守りとして。袖を通してもらう役者さんの戦闘服として。この舞台に自分なりに花を添えられるよう、精一杯取り組みたいと思います。