この日々が、いつか輝く力になる! 志田音々、二瓶有加、佐藤日向、佐々木李子らによる舞台『かげきしょうじょ!!』レポート


2023年10月18日(水)に東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて舞台『かげきしょうじょ!!』が開幕した。初日当日に公開ゲネプロと囲み取材が行われ、志田音々、二瓶有加、佐藤日向、佐々木李子が登壇した。

「かげきしょうじょ!!」は、「MELODY」(白泉社)にて連載されている斉木久美子の人気漫画。コミックスは紙+電子累計累計100万部を突破し、現在13巻まで刊行されている。物語の舞台は、女性のみで構成される“紅華歌劇団”の人材育成を目的とした紅華歌劇音楽学校。“第100期生”である10代の少女たちが未来のスターを目指してひたむきに奮闘・葛藤する姿を描く。

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出演は、“オスカル様”に憧れる天真爛漫な長身の少女・渡辺さらさ役に志田、夢も友達もすべてに無関心な“元”国民的アイドル・奈良田愛役に二瓶。“第100 期生”の頼れる委員長・杉本紗和役を佐藤、高い歌唱力を持ちながらも自分に自信が持てない山田彩子役をアニメ版でも同役を演じた佐々木が演じる。

また、元・紅華歌劇団娘役の祖母と母を持つサラブレッド・星野薫役を新谷姫加、しっかりものだが大事な場面で一歩引いてしまう少女・沢田千夏役を高橋果鈴、千夏の双子の妹であり“とあるきっかけ”から姉への罪悪感を抱く沢田千秋役を和泉風花。

100期生たち“予科生”の先輩にあたる“本科生”の3人として、愛の指導を担当する野島聖役を青山なぎさ、さらさの指導を担当する中山リサ役を石井陽菜、本科生の委員長・竹井朋美役として深沢萌華。

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さらに小野寺保役として鷲尾昇、安道守役として佐野瑞樹、奈良田君子役として斉藤レイ、奈良田太一役として芹沢尚哉、橘直美役として桃菜が名を連ねる。そして、予科生を指導する自衛官・穴井一尉役として、アニメ版でも同役を演じた声優・若本規夫が声で出演する。

囲み取材では、まず登壇者がそれぞれ挨拶を行った。志田は「本日、ゲネプロと初日を迎えることができて大変うれしく思っています。すごく緊張しているんですけど、いつもどおり楽しみながら本番を迎えていきたいなと思っております。頑張ります! さらさです!!」と演じる役柄を思わせるような元気はつらつさで意気込みを披露。

仁瓶は「短かったような、長かったような稽古期間に、いろんなことがありました。でも、劇場に入ってみて、セットを見た時にすごく華やかで、そして可憐な作品になると思いました。カンパニー一同、みんなで力を合わせて千秋楽まで突っ走りたいと思いますので、よろしくお願いします」と意気込みを語った。

佐藤は「原作版があり、アニメ化され、ついに舞台化ということで、リアルで紅華歌劇音楽学校を体感できるのは、ここのスペース・ゼロだけなんじゃないかなと思っています。初舞台の子とかも結構いますし、あんまり舞台に慣れていない子もいる中での初々しさが紅華歌劇音楽学校に入学したばかりの少女たちの初々しさにつながっていると思うので、優しい目でぜひ見守っていただけたらと思います」と打ち明けた。

佐々木は「キャスト・スタッフ全員が力を合わせてお稽古をして、今日を迎えることができました。これで完成じゃなく、毎日進化し続ける舞台にしていきたいと思っております。千秋楽までみんなと笑顔で楽しくお届けしていきますので、楽しみにしていてください」と呼びかけた。

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初主演、そして初座長になる志田は、カンパニーについて「初座長で、しかも舞台自体が4年ぶり2回目ということで、もう初舞台のようで知らないことばかりでした。座長として引っ張っていこうと最初は思っていたんですけど、やっぱり覚えることが多くて、逆にみんなに支えられたという実感のあった1か月間でした。なので、このカンパニーはすごく助け合いがあって、本当に紅華歌劇団音楽学校の少女たちのように切磋琢磨した1か月間だったなと思っています」と振り返ると、「みんな初共演だったんですけど、最初から仲良くできたなのはみんなのおかげだと思いますし、それは舞台上でも出てくると思うので、雰囲気を味わっていただけたらなと思います」と魅力を訴えた。

そんな志田の座長っぷりについて、二瓶は「“ナチュラルボーンさらさ”というのは初めて会った時から感じていました。天真爛漫で、素直で明るくて、音々ちゃん自身がさらさちゃんと似ているところが多いんです。音々ちゃんが、みんなに助けられたと言ってますけど、(稽古で)みんなが疲れがたまってきた中でも、毎日、明るい笑顔で稽古場に入ってくれる音々ちゃんを見て、私はいつも救われていました」と称賛。

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その言葉に、志田が泣くふりをすると、二瓶が「泣いてないだろ」とツッコミを飛ばし、会場から笑いが起こった。そして二瓶は、改めて「なので、そういうところも本当に引っ張っていただいた、もうしっかりとした座長だなと感じています」とコメントすると、志田は「嬉しい。もうゲネができないかも」と喜ぶと、登壇者たちから「頑張ろう!」と声を掛けられる微笑ましい一幕もあった。

志田の印象について、佐藤は「すごい変な子なんです(笑)。本当に面白い子で、私は予科生委員長の役なので、号令やかけ声をかけたりすることが多いんですけど、私が最初に言わなきゃいけないのに、同じタイミングで私と一緒に(志田が)かけ声をするんです(笑)」と稽古中のエピソードを披露し、笑いを誘った。

さらにダンス稽古中の志田のエピソードとして、二瓶が「ダンス稽古の時に楽しくて『ヘイ!』って言っちゃってました(笑)。ずっと芝居の稽古ばかりで、途中でダンス稽古に切り替わった時に、こんな明るい子だったんだというぐらいキラキラしながら、『星の旅人』(アニメED曲)のサビが始まる直前で「ヘイ!」って(笑)。本人は無意識だったみたいですけど(笑)」と明かすと、志田は「これから気をつけます!」と笑顔で茶目っ気たっぷりに応えた。

演じる役柄について問われると、佐々木は「彩子ちゃんとは結構共感する部分が多いです。歌が大好きで、ちょっと内面的なところも心を開くのがなかなか苦手で、そういう部分も私はすごく似ていると思っています。お稽古が始まってからも、ちょっと緊張しながらみんなの輪を眺めたりしていたんですけど、でもすごく優しくみんなが迎えてくれたので、リアルに彩子ちゃんの気持ちをお稽古でも感じることができました。演じていても、いろんなシーンがあるんですけど、常に新しい気持ちで、涙が枯れないぐらい毎回感情移入しちゃうので、本番も大切に演じさせていただきたいと思っています」と共感を示した。

主席で合格して委員長となった杉本紗和という役柄に対して、佐藤は「今作では、紗和ちゃんは先生たちから褒められるシーンが一度もないんです。褒められるのが全てではないんですけど、先生たちの目には主席で入った以上、できて当然と思われているところからのスタートというのが、みんなとは違う苦悩があるのかなと感じています。あまり私も褒められない人生だったので(笑)、紗和に共感しながら一緒に頑張ろうと思いながら舞台は立っています」と思いを明かしつつ、「今回、私は髪の毛を自分で結んでいるので、紗和も学校に行くと時にこうやって髪を結んで心をピシッとしてから、声も通るみたいなルーティーンがあったのかなと思いながら、毎朝メイクをしています。その時間は共感とはちょっと違うんですけど、リンクしているんじゃないかなと思える時間ではあります」と役作りについて語った。

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奈良田愛を演じることについて、二瓶は「自分自身の性格と愛ちゃんの性格は、初めは全然一致するところがなくて、自分に愛ちゃんの役が務まるんだろうかとすごく不安に感じてはいたんです。だけど、稽古を続けていくと、愛ちゃんをすごく理解するようになって、今まで自分が人に見せてこなかったちょっと人には見せない陰の部分といいますか、そういったところを愛ちゃんの役でぶつけることができました。なので、今回は新たな一面を見せることができる役なんじゃないかなと思います」と期待を寄せた。

登壇者たちから、さらさに似ていると言われた志田は「さらさちゃんと私は似てないと思っていたんですけど、みんなから『似てるよ』と言ってもらえて、それでもまだまださらさちゃんのパワーとか元気っぷりは計り知れないなと稽古を重ねるたびに今でも思っています。先ほども演出のキムラ真さんから『まだまださらさの元気が足りない』と言われてしまったので、そういう面では追いつきたいなと思っています」と意気込むと、「夢に向かって突き進むところはすごく共感ができるんですけど、難しかったのが、歌舞伎が大好きな女の子で助六とかになりきるシーンが最初は恥ずかしかったんですけど、今は払拭しています」と見どころとして挙げた。

最後に、登壇者たちからメッセージが寄せられた。佐々木は「すごい短い時間の中で、一生懸命スタッフもキャストもアイデアを出し合って、たくさん練って作り上げた舞台です。すごく細かいところまで観てほしいなという気持ちがあります。セリフを言っていないキャラクターも同じ空間で同じく生きているので、原作では見られないキャラクターたちの表情や動きといった部分にも注目しながら、私たちの青春の物語を一緒に楽しんでください」とアピール。

佐藤は「今回の舞台は、本当にギリギリのギリギリまで台本が実は変わっていまして、カットや追加が目まぐるしくて行われていたので、正直、幕が開くのが怖いなという気持ちもまだまだあるんですけど、幕が開いたら最後まで走り抜けるしかないと思っています」と気合いを入れ直すと、「振付の松本稽古さんの振りがあるんですけど、実際のアニメで使用されている楽曲に合わせて踊っているナンバーもあって、立体的に紅華歌劇音楽学校が皆さんのもとに届くと思いますので、皆さんも紅華の先生や生徒になった気持ちで客席で観ていただけたら、そして配信で楽しんでいただけたらと思います」と訴えた。

仁瓶は「漫画があって、アニメがあって、そしてこの舞台ということで、舞台でしか見せられない『かげきしょうじょ!!』といのうがふんだんに詰め込まれた作品になっていると思います。舞台は同じキャストが同じセリフをしゃべっても同じように進むことはなくて、一回一回の生の臨場感、その回だからこそ楽しめるという違った魅力というのもあると思うので、一度劇場に足を運んでいただけたら何度も足を運びたくなるような作品になっていると思います」と魅力を語ると、今の私たちでしか見せられない紅華歌劇音楽学校の生徒みんなだったりとか、今のカンパニーでしか作れない温度感というのを千秋楽までぶつけて頑張りたいです」と意気込んだ。

そして、志田は「この1か月間、みんなでアニメや漫画の『かげきしょうじょ!!』を十分にリスペクトしつつ、稽古を続けて参りました。その中でもやっぱり舞台ならではの生きているキャラクターとして、自分なりの感性を入れたりとか、人間らしさを突き詰めてお稽古をしてきたので、それをこの舞台でも出せたらなと思っております」と意気込みつつ、「座長としてお稽古を進めてきましたけども、本番というのはどんな景色が待っているんだろうか、劇場の客席にお客さんが実際に座ったらどんな感じだろうか、お芝居がいつもの稽古どおりできるんだろうかという不安もありますが、リアルな感情だったりも舞台で出して、みんなでお芝居をしていきたいので、それを観てくださる皆様と味わえたらなと思います」と会見を締めた。

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紅華歌劇音楽学校の校章が頭上に燦然と輝くステージには、講堂をイメージした舞台セットを配置。そのステージで、物語は、第100期生の合格発表時に桜舞い散る紅華桜の木の下でさらさと愛が出会う原作でも印象的なシーンから始まる。舞台のオープニングも、夢見る“かげきしょうじょ”たちのキラキラと輝くダンスと共にアニメOP「星のオーケストラ」が流れるなど、劇中ではアニメファンにもおなじみの楽曲・劇伴が使用されており、アニメへのリスペクトも存分に感じさせる作りとなっている。

原作の予科生編の中盤までを描く本作は、さらさと愛を中心とし、舞台となる神戸でのストーリーにフォーカスしたものとなっており、限られた上演時間の中でも無理のないテンポの良い作品へと仕上げられている。宝塚を彷彿とさせる歌劇音楽学校を舞台に頑張る女の子たちのお話を、リアルにきらめく女の子たちが演じる青春スポ根ストーリーとして、幸甚指数MAXな舞台化となっている。

さらさを演じる志田は、無邪気で明るく、天性のスター性を持つ役柄を好演。二瓶の“ナチュラルボーンさらさ”という言葉どおりに、漫画・アニメから飛び出してきたようなさらさらしさでハマリ役となっている。さらに、さらさのアニメ・漫画好きという設定を活かした舞台版ならではの彼女のセリフの数々も楽しい見どころの一つとなっている。

もう一人の主人公とも言うべき愛を演じる二瓶は、本作のキャラクターたちの中でも成長物語を大きく担う難しい役柄を巧演。そして、ミュージカル『アニー』でアニー役を演じたこともある佐々木は、彩子という普通で等身大的な役柄の心の機微を繊細に演じ、アニメ版でも披露した美しい歌声をステージ上に響かせてくれる。

そして紗和を演じる佐藤は、主席で入学して委員長でもある真面目さを存分に出しつつ、実は紅華オタクというコミカルさをギャップとして見事に演じきっている。さらに、千夏&千秋を演じる高橋と和泉が陽気な双子感を可愛さたっぷりに演じれば、紅華歌劇団OGの祖母と母を持つ薫を新谷が誇り高く演じている。

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そこに、可愛らしい外見とは裏腹に、腹黒い性格の聖を演じる青山、一見厳しそうな先輩だが、実は後輩思いのリサを演じる石井、本科生の委員長・竹井を演じる深沢が本科生の先輩らしさとして存在感を見せれば、小野寺役の鷲尾、安道役の佐野、太一役の芹沢、橘役の桃菜ら大人キャストたちが舞台を引き締め、物語に安定感をもたらしてくれる。

未来のスターを目指して輝く舞台へ情熱をそそぐ、個性沸き立つ“かげきしょうじょ”たちのまばゆい青春がストレートに描かれる舞台が、今、幕を開ける!!

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舞台『かげきしょうじょ!!』は、10月18日(水)から10月22日(日)に東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ」にて上演。上演時間は、途中休憩10分を含む約2時間半を予定。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

舞台『かげきしょうじょ!!』公演情報

上演スケジュール

2023年10月18日(水)~10月22日(日) こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ

スタッフ・キャスト

【出演】
渡辺さらさ:志田音々
奈良田愛:二瓶有加
杉本紗和:佐藤日向
星野薫:新谷姫加
山田彩子:佐々木李子
沢田千夏:髙橋果鈴
沢田千秋:和泉風花
野島聖:青山なぎさ
中山リサ:石井陽菜
竹井朋美:深沢萌華
奈良田太一:芹沢尚哉
橘直美:桃菜
小野寺保:鷲尾昇
安道守:佐野瑞樹
奈良田君子:斉藤レイ

【原作】斉木久美子「かげきしょうじょ!!」(白泉社「メロディ」連載)
【脚本】鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)
【演出】キムラ真(ナイスコンプレックス)

あらすじ

大正時代に創立され、
未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で、
世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。
その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、
高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。

“オスカル様”に憧れる、スター性を秘めた天真爛漫な少女、渡辺さらさ。
夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田愛。
首席で合格した、根っからの紅華オタクの委員長、杉本紗和。
元娘役の祖母と母に続いて入学した、プロ意識の高い努力家、星野薫。
抜群の歌唱力を持つが、自分に自信がない気弱な少女、山田彩子。
双子揃っての入学を果たした、沢田千夏・千秋姉妹。

何もかもがバラバラな少女たちの、
希望と葛藤に満ちた熱き音楽学校生活が今、幕を開ける──!!

公式サイト

【公式サイト】https://kageki-stage.com/
【公式Twitter】@kageki_stage

(C)斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
(C)舞台「かげきしょうじょ!!」製作委員会2023

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