「三心同体」でぶつかり合う!『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》レポート


2023年3月2日(木)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》が開幕した。本記事では、大阪初日前に行われた公開ゲネプロの模様をレポートする。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(通称:ヒプマイ)は、キングレコード EVIL LINE RECORDS が手掛け、2017年に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト。その舞台化8作目となる本作では、2022年9~10月に上演された《どついたれ本舗 VS Buster Bros!!!》、12月に上演された《Bad Ass Temple VS 麻天狼》公演と同様に、ヒプステ次章として《2nd D.R.B》の時間軸を描いたストーリーとなっている。

登場するのは、シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”飴村 乱数役の安井謙太郎、夢野 幻太郎役の坂田隆一郎、有栖川 帝統役の滝澤 諒と、ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”碧棺 左馬刻役の阿部顕嵐、入間 銃兎役の水江建太、毒島 メイソン 理鶯役のバーンズ勇気。

また、ヒプステおなじみのディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”として、Toyotaka、RYO、gash!、SHINSUKE、HILOMU、Dolton、KENTA、GeN、KIMUTAKUが熱いパフォーマンスで物語を彩る。

今回もToyotakaのマイクパフォーマンスで幕開け。そこで告げられるのが、ライブパートでの「コール&レスポンス」の復活だ。今回の公演では、1月27日に政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が一部変更されたことを受け、感染症対策をした上でライブパートでのコール&レスポンスが可能になっている(本編では不可)。

そのウォーミングアップとして、Toyotakaがオープニングから客席を煽る。久しぶりだ、この感覚。必ずマスクを着用の上、久しぶりに歓声を上げながら“ライブの臨場感”を味わおう。

今回は、シブヤDiv.とヨコハマDiv.の《2nd D.R.B》までの出来事が描かれる。これまでは「過去」の因縁が物語を動かすことが多かったが、今回は、冒頭に飴村 乱数(安井)から碧棺 左馬刻(阿部)に衝撃の事実が告げられ、現在進行形でふたつのディビジョンにぶつかる「理由」が生まれる。

それと同時に、バラバラの個性を持つシブヤDiv.と、確立した自我を持つヨコハマDiv.がそれぞれに絆を強め、戦う相手を認め、まさに「三心同体」となって正々堂々ぶつかり合う姿が描かれている。

物語が進むにつれて、徐々に明かされていく飴村 乱数の正体。“The Dirty Dawg”として登場した-track.5-からヒプステ参加となった安井が、乱数の複雑な心の動きを繊細に表現する様はとても訴えかける力が強い。また、今回はクローン乱数の登場シーンが多数あり、その一部も安井自身が演じている。この決定的な違いが、まさに今の“Fling Posse”を担う3人が演じる「ポッセ」たらしめているように思う。

夢野 幻太郎役の坂田は、昨年の夏に行われた《Rep LIVE》で初めてヒプステの舞台に立ち、メインストーリーには本作が初参加となった。その歌唱力は折り紙付きで、まろやかな声でさらりと歌いこなしながら、謎めいて掴みどころのない夢野 幻太郎という人物に新しい一面を生み出した。

そんな2人と、「今までのポッセ」を、有栖川 帝統役を演じる滝澤の柔軟さが繋ぐ。キレッキレのダンスで言葉をバウンドさせ、コミカルな面も担いながら、相手を想う心を泥くさくぶつける。一貫して、「仲間」を想う気持ちを貫く姿は気持ちがいい。

一方、碧棺 左馬刻は、行方不明となっていた妹・碧棺 合歓について明らかになっていく事実に、心を乱される。同時に見える、兄として大切な妹を想う気持ち、背中を預ける仲間への信頼。阿部は、碧棺 左馬刻という器を演じる度に一回りずつ大きくしていく。役としても、演じ手の側面から見ても、懐の深さが際立つ回となっている。

「兄」として揺れる碧棺 左馬刻を支えるのが、水江演じる入間 銃兎と、バーンズ演じる毒島 メイソン 理鶯。二人は、作品の中でも「大人」なキャラクターだ。大人だからこそ、先を考え、すべてを言葉にはしないこともある。でも、相手を心配するなら、あえてぶつからなければいけない時もある。左馬刻に対する2人の姿勢を、水江とバーンズはそれぞれが担うキャラクターらしく一歩踏み込んで見せた。

理鶯とひょんなことから出会った帝統の「料理」にまつわるシーンは、本作のほどよい緩衝材となっている見どころだ。

「ヒプノシスマイク」の中で、「言葉」は攻撃する矛であるが、誰かを守る盾にもなる。口に出すことで人を勇気づけ、強くさせることができるのもまた、「言葉」である。そんなことを考えさせられる作品となっていた。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》は、3月2日(木)から3月5日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール、3月9日(木)から3月19日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演。上演時間は約2時間を予定。

なお、大阪初日の3月2日(木)18:00公演、東京大千秋楽の3月19日(日)17:00公演では、ABEMA PPV ONLINE LIVEにてライブ配信が行われる。



(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》公演情報

上演スケジュール

【大阪公演】2023年3月2日(木)~3月5日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール
【東京公演】2023年3月9日(木)~3月19日(日) TOKYO DOME CITY HALL

スタッフ・キャスト

【原作】EVIL LINE RECORDS
【演出】植木 豪
【脚本】亀田真二郎

【出演】
<シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”>
飴村 乱数:安井 謙太郎
夢野 幻太郎:坂田 隆一郎
有栖川 帝統:滝澤 諒

<ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”>
碧棺 左馬刻:阿部 顕嵐
入間銃兎:水江 建太
毒島 メイソン 理鶯:バーンズ 勇気

<ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”>
Toyotaka RYO gash! SHINSUKE HILOMU Dolton KENTA GeN KIMUTAKU

ライブ配信

【対象公演】
①3月2日(木)18:00公演
②3月19日(日)17:00公演

【配信サイト】
ABEMA PPV ONLINE LIVE

【見逃し配信期間】
①3月2日(木)~3月8日(水)23:59
②3月19日(日)~3月25日(土)23:59

【販売価格】
一般チケット:ABEMAコイン3,090コイン(3,708円相当)
ABEMAプレミアム会員:ABEMAコイン2,470コイン(2,964円相当)
※詳しくは購入ページにてご確認を

【販売期間】
①3月2日(木)18:00公演
2月20日(月)17:00~3月8日(水)21:00

②3月19日(日)17:00公演
2月20日(月)17:00~3月25日(土)21:00

【購入ページ】
①3月2日(木)18:00公演
https://abema.tv/channels/payperview-5/slots/F8YWax5uZLoPef
②3月19日(日)17:00公演
https://abema.tv/channels/payperview-7/slots/F8YWd5Grin4qRh

公式サイト

【公式サイト】https://hypnosismic-stage.com/
【公式Twitter】@hm_rtstage

(C)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会







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