内野聖陽×瀬戸康史、三谷幸喜の完璧な喜劇コメディ『笑の大学』フォトコールレポート


2023年2月8日(水)に東京・PARCO劇場で、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』が開幕した。初日前日にはフォトコールと取材会が行われ、作・演出の三谷幸喜内野聖陽瀬戸康史からコメントが寄せられた。

開場50周年を迎えるPARCO劇場。1994年よりほぼ毎年、PARCO劇場をホームグラウンドに数々の名作を発表してきた三谷が、今回選んだのは『笑の大学』。1996年にパルコ・プロデュース公演として青山円形劇場で初演された本作は、第4回読売演劇大賞で最優秀作品賞を受賞し、その後1998年、PARCO劇場にてアンコール公演が行われた。ロシア語、韓国語、中国語、フランス語にも翻訳され、海外で上演され続けている不朽の名作を、今回初めて三谷自身が演出する。

出演は、検閲官・向坂睦男役に、三谷に「内野さんの”向坂”が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まった」と言わしめた内野。劇団『笑の大学』の座付作家・椿一役には、三谷が今最も頼りにしている俳優の一人である瀬戸。

物語の舞台は戦時色濃厚な昭和15年の警視庁の取調室。劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばきはじめ)に対して、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさかむつお)は、非常時に喜劇など断じて許さないと、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返す。しかしなんとか上演許可をもらいたい椿は、向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら、あくまで真正面からの書き直しに挑戦していくのだが・・・。

 

フォトコールでは、7日間の物語のうち、5日目の向坂の提案で椿が台本を直していくうちに、椿が向坂の中にある笑いの才能に気づくシーンと、6日目の椿が向坂を信頼し、作家としての自分の信念を伝え、それを聞いた向坂が椿に最後の要求をするという2シーンが公開された。

向坂を演じる内野は、一度も心から笑ったことのない厳格な検閲官でありながら、やがてノリノリで台本直しに夢中になっていく姿を巧妙に演じれば、瀬戸は、上演許可をもらうべく奮闘する喜劇作家として向坂と対立していきながらも、向坂に信頼を寄せていく椿を好演。

短いフォトコールではあったが、警視庁の取調室を舞台に、相対する男2人による激しい議論の攻防で生まれる完璧な喜劇コメディーの中で、内野と瀬戸の2人の魅力を遺憾なく引き出す三谷演出の神髄が味わえる内容となっていた。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『笑の大学』は2月8日(水)から3月5日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演後、3月11日(土)から新潟・長野・大阪・福岡・宮城・兵庫・沖縄を巡演する。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

コメント紹介

◆三谷幸喜(作・演出)

『笑の大学』は僕にとって思い入れのある作品です。登場する劇作家は僕の理想像。
そんな「笑の大学」が25年ぶりに再演。感無量です。
演じる役者さんは、今、僕がもっとも信頼している二人。
内野さんは、ああ見えてとても繊細。瀬戸さんは、ああ見えてとても大胆。年齢も個性も全く違う二人が、丁々発止とやりあう2時間弱の演技バトル。一秒たりとも飽きるところがありません。作った本人が言っているのですから、間違いない。
二人芝居は演劇の原点。堪能してください。面白いですよ。

◆内野聖陽(向坂睦男役)

演劇は演者とスタッフワークだけで完成しないものです。
ドキドキワクワクですが、お客様の皆さんと一緒に心地よく『笑の大学』という劇世界を旅したいと思っています。
稽古をしていくうちに、表に見えてない部分が大切だなぁと感じるようになりました。
三谷さんは僕らの芝居を見ながら、今回の二人にしか出せない面白さを探してくださって、僕らに合わせて現場で台詞がどんどん変っていくのが嬉しく感じました。
瀬戸くんとはセリフの掛け合いが日々面白くなり、信頼関係もバッチリできたように思っています。
皆さんと楽しい劇空間を共有できますこと、楽しみにしております!!

◆瀬戸康史(椿一役)

『笑の大学』いよいよ始まります。
約1ヶ月の稽古期間は、今まで関わってきたどの作品よりもあっという間でした。2人しかいないのに。
いや、2人だけだからか・・・?
とにかく、毎日がとても濃い時間でした。初共演の内野さんとは、最初はお互い様子を伺いつつ話をしたり、ストレッチしながら台詞を合わせたり。そして稽古を通じて距離を縮めていき、今では、大変な時も楽しい時も共に味わった大切な相棒・・・だと勝手に思っています(笑)。なんだかこれは、向坂さんと椿さんが台本直しを通じて感じていくことと近い様な気がしています。年齢や立場をなしにして人間同士が認め合っていく。こういう人間関係、憧れます。
三谷さんの演出、内野さんと僕の2人だけでお送りする「笑の大学」を、是非多くの方に楽しんでいただきたいです。

公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年2月8日(水)~3月5日(日) PARCO劇場
【新潟公演】2023年3月10日(金)~3月12日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
【長野公演】2023年3月17日(金)~3月19日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
【大阪公演】2023年3月23日(木)~3月26日(日) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】2023年3月30日(木)~4月2日(日) キャナルシティ劇場
【宮城公演】2023年4月6日(木)~4月9日(日) 電力ホール
【兵庫公演】2023年4月13日(木)~4月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【沖縄公演】2023年4月20日(木)~4月21日(金) 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場

スタッフ・キャスト

【作・演出】三谷幸喜

【出演】
内野聖陽 瀬戸康史

公式サイト

【公式サイト】https://stage.parco.jp/program/warai
【公式Twitter】@parcostage







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