美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」


劇作家・末満健一のTRUMPシリーズ新作ミュージカル『ヴェラキッカ』が、2022年1月15日(土)東京・東京建物 Brillia HALLにて開幕した。TRUMP流「人間愛奇劇」と銘打たれた本作には。美弥るりか、松下優也、古屋敬多、平野綾らが出演している。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

TRUMPシリーズは、末満健一がライフワークに掲げ、2009年より展開する演劇オリジナルシリーズ。吸血種と人間種が共存する社会で、不死を失った吸血種「ヴァンプ」たちが、永遠の命を持つとされる吸血種「トランプ」の不死伝説に翻弄されていく様を描いている。2020年より「ヤングエース」(KADOKAWA)にてコミック連載がスタート(漫画:はまぐり)するなど、演劇の枠を超えて展開。シリーズファンの間ではシリーズに“ハマっている”状況を「繭期」と称するなど、確立された世界観を築いてきた。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

(以下、物語のあらすじ一部に触れています)

「生と死」という普遍的なテーマはそのままに、ある一族を巡る「想い」と「繋がり」をTRUMP流に仕上げた本作の舞台は、秘密に覆われた荘園。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

名門貴族ヴェラキッカ家の当主ノラ(美弥るりか)は、遠縁の親戚であるシオン(松下優也)、異母弟のカイ(古屋敬多)、シオンの妹ジョー(愛加あゆ)、家庭教師のロビン(宮川浩)、執事のウィンター(西野誠)ら一族の仲間や、クレイ(大久保祥太郎)、マギー(斎藤瑠希)ら養子たちに囲まれて暮らしていた。そこに、新しい養子としてキャンディ(平野綾)が迎えられたことから物語は動き出す・・・。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

アップテンポで思わずスイングしたくなるようなダンスナンバーにあわせてヴェラキッカ家の人々がキャンディを新たな家族として歓迎する。そして“ただ一つだけ”の家訓を掲示した、それは当主である“ノラを愛する事”。初めて会った人をすぐに愛する事はよく分からない、と戸惑うキャンディだったが、クレイやマギーら先の養子たちに「ノラを愛することは出来ても、愛されることを望んではダメ」――抜け駆けをしてはいけないとクギを刺され、次第にノラを巡るマウントゲームに巻き込まれていく。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

ヴェラキッカ家の人たち全員がノラにみせる強烈なまでの愛情と執着、それは吸血種特有の繭期(人間でいう思春期のようなもの)のせいなのか、それとも愛ゆえになのか・・・ヴェラキッカ家の秘密が徐々に暴かれていく。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

音楽を手掛けるのは和田俊輔。末満×和田のタッグは、TRUMPシリーズにとってなくてはならないものだ。歌と声に秀でた出演陣が揃っているので曲に乗って歌詞が“言葉”として観客の胸に響く。ポップや重厚なクラシック調まで多種多様な音楽と言葉が折り重なっていく。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

オリジナル作品ならではの「用語」や「世界観の解説」も、自然とストーリーに組み込みながら物語が進んでいくので、シリーズ初見の方も、音楽と言葉でしっかりとTRUMPの世界へと誘ってくれる。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

ヴェラキッカ家の当主ノラを演じる美弥は、圧倒的な歌唱力と頭の先からつま先まで行届く“名門貴族当主”の風格と気品を体現。その立ち振る舞いには家訓に縛られない観客側をも幻想的な世界の中へと取り込んでいく。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

新しい養子としてヴェラキッカ家に現れるキャンディを演じる平野は芯があり、でも幼さが残る少女を見事に演じていた。そして、松下演じるシオン、古屋演じるカイの歌声は伸びやかなでよく響き胸に刺さる。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

愛加、大久保、宮川、西野らTRUMPシリーズ常連組は安心感と安定感があり、確かな演技力と歌声で物語の世界に観客を誘ってくれた。また、マギーを演じる斎藤は快活な歌声と相反する吸血種繭期の危うさを堂々と演じていた。

美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」

2009年からスタートしたTRUMPシリーズは、15周年に向けて新たなステージへと歩み出す。目に映る華やかな光景と、耳から流し込まれる荘厳な音楽は、愛で包んだ毒か薬か。寝ても覚めてもTRUMPのことしか考えられなくなった皆さん、繭期へようこそ・・・。

ミュージカル『ヴェラキッカ』は、2022年1月15日(土)から1月23日(日)東京・東京建物 Brillia HALL、2022年2月2日(水)から6日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。上演時間は1幕80分、休憩20分、2幕75分の計2時間55分を予定。

なお、東京公演ではライブ配信の実施も決定。ライブ配信されるのは1月18日(火)18:00公演、1月22日(土)13:00公演/18:00公演の3公演。「最前列カメラ」、演出家自らがスイッチングを担当する「末満健一スイッチング」、「全景映像」など、様々な企画が用意されている。

(取材・文/カヤシマヒデミ)

配信詳細

1月18日(火)18:00公演「最前列カメラ」4,000円(税込)
1月22日(土)13:00公演「全景映像」2,800円(税込)
1月22日(土)18:00公演「末満健一スイッチング」4,000円(税込)
※各回、24時間アーカイブあり

ミュージカル『ヴェラキッカ』公演情報

上演スケジュール

2022年1月15日(土)~1月23日(日) 東京建物Brillia HALL
2022年2月2日(水)~2月6日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

キャスト・スタッフ

【作・演出】末満健一
【音楽】和田俊輔

【出演】
ノラ・ヴェラキッカ:美弥るりか
シオン・ヴェラキッカ:松下優也
カイ・ヴェラキッカ:古屋敬多(Lead)
ジョー・ヴェラキッカ:愛加あゆ
クレイ・ヴェラキッカ:大久保祥太郎
マギー・ヴェラキッカ:斎藤瑠希
ウィンター・ヴェラキッカ:西野誠
ロビン・ヴェラキッカ:宮川浩
キャンディ・ヴェラキッカ:平野綾

<養子たち:畑中竜也、山﨑感音、伊藤わこ、金井菜々、千歳ふみ、能勢うらら

あらすじ

ようこそ、秘密に覆われた荘園へ――TRUMP流「人間愛奇劇」、開幕。
名門貴族ヴェラキッカ家の当主ノラ(美弥るりか)は、遠縁の親戚であるシオン(松下優也)、異母弟のカイ(古屋敬多)、シオンの妹ジョー(愛加あゆ)、家庭教師のロビン(宮川浩)、執事のウィンター(西野誠)ら一族の仲間や、クレイ(大久保祥太郎)、マギー(斎藤瑠希)ら養子たちに囲まれて暮らしていた。ヴェラキッカ家の吸血種たちは、全員がノラに強烈なまでの愛情と執着を見せる。そこに新しい養子であるキャンディ(平野綾)が迎えられる。ノラを巡るマウントゲームにキャンディが巻き込まれたことから、ヴェラキッカ家の秘密が暴かれていく・・・。

【公式サイト】https://verachicca.westage.jp/
【TRUMPシリーズ公式サイト】https://trump10th.jp/

チケットぴあ
美弥るりか主演ミュージカル『ヴェラキッカ』開幕!この愛は毒か――TRUMP流「人間愛奇劇」
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。