蜷川幸雄の追悼公演『ムサシ』開幕!吉田鋼太郎「更にパワーアップし強く、深く、繊細に」


2021年8月25日(水)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて、舞台『ムサシ』が開幕した。本作は演出家・故蜷川幸雄が手掛けた傑作のひとつで、劇作家・故井上ひさし書き下ろし作品。

初演から一貫して宮本武蔵を演じるのは藤原竜也。井上ひさし氏が藤原をイメージしながら書き上げたこの当たり役を、 確立した演技で座長として作品をリードする。今回、オリジナル演出の蜷川に加えて、吉田鋼太郎が「演出」に名を連ねている。

蜷川幸雄の追悼公演『ムサシ』開幕!吉田鋼太郎「 更にパワーアップし強く、深く、繊細に」

藤原の武蔵に真っ向勝負を挑む佐々木小次郎役には溝端淳平。 加えて、第28回読売演劇賞で大賞と最優秀女優賞を受賞した鈴木杏や、白石加代子、塚本幸男ら蜷川作品を彩ってきたキャストが再集結する。

命の重さや負の連鎖を断ち切ると言う普遍的なテーマは、今の世の中だからこそ響く、見どころの一つ。重厚なテーマの中に笑いを盛り込んだオリジナリティ溢れるエンターテインメントとなっている。

コメント紹介

◆吉田鋼太郎(演出/柳生宗矩役)
『ムサシ』、回を重ねておりますが、更にパワーアップし強く、深く、繊細になっていると思います。出演者一同、初演からのメンバーは体にこの作品が叩き込まれておりますので、叩き込まれたことと、今回新たに発見したこと、その2つをプラスして、更に井上先生の深い世界、蜷川幸雄演出のダイナミックな部分、そして細やかな部分すべてが際立つような仕上がりになってます。

初めてご覧になる方も、何度も観ていらっしゃる方も、またまた楽しめますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。素晴らしい作品です。

◆藤原竜也(宮本武蔵役)
井上先生と蜷川さんの想いの詰まった『ムサシ』は、初演から12年に渡り世界各地の劇場で、たくさんのお客様にお届けする機会に恵まれてきました。コロナ禍という大変な状況の中でも、この作品をより良いものに出来るように、チーム一丸となって稽古を重ねてきました。劇場で芝居を観るという喜びをお客様と共有できるように、ひたすらにがんばります。

◆溝端淳平(佐々木小次郎役)
僕個人としては3度目の参加となりますが、また一から小次郎と向き合う中で改めてこの戯曲の崇高さを感じています。同時に老若男女問わずクスッと笑える優しさと、命の尊さを力強く伝えてくれる『ムサシ』はまさに今やるべき戯曲であると思います。井上さんと蜷川さんが残して下さった世界にまた自分が挑戦させてもらえる喜びと、この状況下で板の上に立たせてもらえる有り難みを噛み締めながら、ひとつひとつ丁寧に小次郎という役を生きていきたいと思います。

◆鈴木杏(筆屋乙女役)
振り返れば、人生の3分の1の期間に渡り『ムサシ』に関わっている事になるのだなと気がつきました。こんなに何回も再演できる作品は中々ないですし、今回で最後かもしれないという思いで、1公演1公演大切に舞台の上に立ち、井上先生の言葉を紡いでいきたいと思います。がんばります。

◆塚本幸男(沢庵宗彭役)
幸せなことに、これまで『ムサシ』には全公演出演させていただいていますが、この度、初めて沢庵和尚を演らせていただきます。どんな和尚になるのか、とにかくがんばります。『ムサシ』ほど、おもしろい作品はなかなか無いと思っております。今もまさに地球上で起こっている、恨みの連鎖を断ち切る!!ぜひ劇場でお楽しみください。お待ちしております。

◆白石加代子(木屋まい役)
幾度も再演を繰り返す中で、『ムサシ』ほど思い出の多い作品は他にないといっても過言ではありません。国内はもとより海外公演でいただいた盛大な拍手喝采が物語るように、全人類の課題が敷かれたこの作品のテーマは世界にも通じました。グローバルな思想が貫かれた世界観を楽しんでいただきたいです。

『ムサシ』公演情報

※上演時間:3時間(休憩20分込み)

上演スケジュール

【東京公演】2021年9月2日(木)~9月26日(日) Bunkamuraシアターコクーン
【大阪公演】2021年9月30日(木)~10月10日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【北九州公演】2021年10月15日(金)~17日(日) 会場:北九州芸術劇場 大ホール
【浜松公演】2021年10月22日(金)~10月24日(日) 浜松市浜北文化センター

キャスト・スタッフ

【出演】
藤原竜也
溝端淳平
鈴木杏
塚本幸男
吉田鋼太郎
白石加代子

大石継太
飯田邦博
井面猛志
堀源起*
齋藤慎平
*さいたまネクスト・シアター

【作】井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
【オリジナル演出】蜷川幸雄
【演出】吉田鋼太郎
【音楽】宮川彬良

(撮影:田中亜紀)

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