海宝直人が新たな少年王を体現!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【海宝直人・木下晴香ver】


細川智栄子あんど芙~みんが今もなお連載を続ける人気漫画が原作のミュージカル『王家の紋章』が東京・帝国劇場で上演中。4年ぶりの上演となる今回、初演からメンフィス役を見事に体現してきた浦井健司の他、新キャストとして海宝直人、神田沙也加、木下晴香らが加わり、古代エジプトを舞台にした若き王と現代のアメリカ人少女との時空を超えたロマンスを描き出している。今回は8月6日に行われた、海宝直人、木下晴香、大貫勇輔、朝夏まなと、前山剛久、大隅勇太verの公開ゲネプロの模様をお伝えする。

本作は、細川智栄子あんど芙~みんが今もなお連載を続ける同名漫画を原作として製作されたミュージカル。世界初のミュージカル化となった2016年の初演を経て、異例のスピードとも言われる半年後には再演がされており、今回は4年ぶりの公演。脚本・作詞・演出を荻田浩一、作曲・編曲をシルヴェスター・リーヴァイが務め、豪華な衣装や美しい音楽などで古代エジプトの世界を色濃く映し出していく。

8月5日から帝国劇場で上演されており、8月6日には海宝、木下らも初日を迎えた。今回、開幕直前に行われた海宝、木下、大貫、朝夏、前山、大隅verの公開ゲネプロの模様をお伝えする。なお、浦井、神田、平方、新妻、岡宮、前山verの公開ゲネプロレポートはこちら。( 浦井健治が再びエジプト王に!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【浦井健治・神田沙也加ver】

物語は、エジプトで大好きな考古学を学ぶアメリカ人のキャロル・リードがメンフィスの墓を発掘したことがきっかけで古代・エジプトにタイムスリップし、メンフィスと出会うことから始まるキャロルのいた現代・アメリカでは個人の生き方が尊重され、メンフィスのいる古代・エジプトでは人が奴隷として扱われることが当たり前。その価値観の違いから、初めは対立するキャロルとメンフィス。

しかし、度重なる苦難をキャロルが自身の持つ知識と知恵で乗り越え、やがて古代エジプト人達から、“ナイルの娘”“黄金の姫”と呼ばれ崇められるように。その姿を見たメンフィスは、人の命を大切にする優しさと絶対的な王であるメンフィスに対し全く物怖じしない強さを持つキャロルに惹かれ、メンフィスを恐れていたキャロルもまた彼を愛していく。2人が心の距離を縮めていく中、ヒッタイトの王子・イズミルがキャロルを奪おうと画策し…というストーリーを展開。

海宝直人が新たな少年王を体現!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【海宝直人・木下晴香ver】

今回、古代エジプト王・メンフィス役に初挑戦した海宝は、若さゆえの少しの傲慢さと果敢さを感じる少年王を描き出し、戴冠式で見せたキリっとした眼差しと躍然たる歌声には「私が国を率いらなければ!」という強い覚悟を感じることができた。また、現代への想いを馳せ、不安に思うキャロルを優しく包みこむ姿にもグッと心を掴まれるだろう。そんなメンフィスに次第に惹かれていくキャロルを、こちらも本作品初出演の木下が好演。メンフィスやエジプトの人々に見せる柔らかな表情にキャロルの優しさや慎み深さが表れ、怯えながらも困難に立ち向かう姿が周囲に勇気をもたらしていく。これまた新たなキャロルの姿を見せてくれた。

海宝直人が新たな少年王を体現!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【海宝直人・木下晴香ver】

互いを支え、信じ合うメンフィスとキャロル。そんな2人の前に現れ、物語を大きく変えていくヒッタイトの王子・イズミルを演じるのは大貫。初出演ながら、自身の長い手足を生かしたしなやかな動きと凛とした表情、そして兄としての逞しさが、観客の目を引きつけて離さない。

さらに、初出演の朝夏はメンフィスの姉・アイシスを気高く、意気揚々と演じる。しかし最愛の弟であり、唯一心の拠り所であったメンフィスが傍を離れてしまう時、アイシスの心の弱さや脆さが露呈。朝夏が見せたやるせない表情に、思わず目頭が熱くなってしまった。

海宝直人が新たな少年王を体現!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【海宝直人・木下晴香ver】

海宝直人が新たな少年王を体現!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【海宝直人・木下晴香ver】

他にも前山が落ち着きのある口調と1つ1つの美しい所作でイズミルの部下としてエジプトに潜入し、キャロルを警護(監視)するルカ役を演じ、ウナスとは全く違う雰囲気で作品に溶け込んでいた。そして、大隅は、澄んだ瞳で喜びを素直に表現するなどキュートな一面も見せつつ、力強い声でしっかりとした頼もしさも持ち合わせた、キャロルを警護するウナスを描き出していた。

新旧キャスト陣が新たな化学反応で描き出しており、さまざまな組み合わせで観たくなってしまうミュージカル『王家の紋章』は2021年8月から9月にかけて東京、福岡で上演。上演時間は第一幕が1時間15分、休憩25分、第二幕が1時間15分の2時間55分を予定している。

(取材・文・撮影=エンタステージ編集部4号/動画撮影=エンタステージ編集部3号)

ミュージカル『王家の紋章』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年8月5日(木)~8月28日(土)帝国劇場
【福岡公演】2021年9月4日(土)~9月26日(土)博多座

スタッフ・キャスト

【原作】細川智栄子あんど芙~みん(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
【脚本・作詞・演出】荻田浩一
【作曲・編曲】シルヴェスター・リーヴァイ

【出演者】
メンフィス:浦井健治/海宝直人(Wキャスト)
キャロル:神田沙也加/木下晴香(Wキャスト)
イズミル::平方元基/大貫勇輔(Wキャスト)
アイシス:朝夏まなと/新妻聖子(Wキャスト)
ライアン:植原卓也
ミタムン:綺咲愛里
ナフテラ:出雲 綾
ルカ:前山剛久/岡宮来夢(Wキャスト)
ウナス:大隅勇太/前山剛久(Wキャスト)
イムホテップ:山口祐一郎

【公式サイト】 https://www.tohostage.com/ouke/

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