浦井健治が再びエジプト王に!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【浦井健治・神田沙也加ver】


2021年8月5日に東京・帝国劇場で、ミュージカル『王家の紋章』が開幕。4年ぶりの上演となる今回、初演からメンフィス役を見事に体現してきた浦井健司の他、新キャストとして海宝直人、神田沙也加、木下晴香らが加わり、古代エジプトを舞台にした若き王と現代のアメリカ人少女との時空を超えたロマンスを描き出していく。今回は8月4日に行われた、浦井健治、神田沙也加、平方元基、新妻聖子、岡宮来夢、前山剛久verの公開ゲネプロの模様をお伝えする。

本作は、細川智栄子あんど芙~みんが今もなお連載を続ける同名漫画を原作として製作されたミュージカル。世界初のミュージカル化となった2016年の初演を経て、異例のスピードとも言われる半年後には再演がされており、今回は4年ぶりの公演。脚本・作詞・演出を荻田浩一、作曲・編曲をシルヴェスター・リーヴァイが務め、豪華な衣装や美しい音楽などで古代エジプトの世界を色濃く映し出していく。

3度目の上演となる今回は、エジプトの若き王・メンフィス役を浦井、海宝、現代のアメリカ人少女・キャロルを神田、木下、ヒッタイトの王子・イズミルを平方、大貫勇輔、メンフィスの姉・アイシスを朝夏まなと、新妻聖子がそれぞれWキャストで演じている。また、キャロルの兄・ライアンを植原卓也、宰相イムホテップを山口祐一郎、イズミルの妹・ミムタンを綺咲愛里、エジプトの女官長・ナフテラを出雲綾らが演じ、イズミルの部下・ルカは前山剛久と岡宮来夢、キャロルの警護役・ウナスを大隅勇太と前山剛久がWキャストで務めている。

物語は、エジプトで大好きな考古学を学ぶアメリカ人のキャロル・リードがメンフィスの墓を発掘したことがきっかけで古代・エジプトにタイムスリップし、メンフィスと出会うことから始まる。キャロルのいた現代・アメリカでは個人の生き方が尊重され、メンフィスのいる古代・エジプトでは人が奴隷として扱われることが当たり前。その価値観の違いから、初めは対立するキャロルとメンフィス。

しかし、度重なる苦難をキャロルが自身の持つ知識と知恵で乗り越え、やがて古代エジプト人達から、“ナイルの娘”“黄金の姫”と呼ばれ崇められるように。その姿を見たメンフィスは、人の命を大切にする優しさと絶対的な王であるメンフィスに対し全く物怖じしない強さを持つキャロルに惹かれ、メンフィスを恐れていたキャロルもまた彼を愛していく。2人が心の距離を縮めていく中、ヒッタイトの王子・イズミルがキャロルを奪おうと画策し…というストーリーが展開される。

浦井健治が再びエジプト王に!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【浦井健治・神田沙也加ver】

初演時から古代エジプトの王・メンフィスを演じ続ける浦井は、マントを翻しながら豪快に剣を振るう。その姿は非常に勇ましく、瞳には熱い闘志が感じられた。冷酷なメンフィスがキャロルに出会って変化し、最終的に国や愛する人のために戦う姿は、今回も見る者の心を熱くさせるだろう。そして本作初出演となる神田は、突如古代エジプトの世界に誘われたキャロルを熱演。真っ直ぐに伸びる綺麗な歌声は、キャロルの朗らかさや芯の強さをありのままに感じさせ、喜怒哀楽たっぷりに演じることで好奇心旺盛でキラキラとしたキュートなキャロルを作り上げていた。

浦井健治が再びエジプト王に!ミュージカル『王家の紋章』公開ゲネプロレポート【浦井健治・神田沙也加ver】

そんな2人の関係に波乱を巻き起こす、エジプトと対立するヒッタイトの王子・イズミルを演じるのは初演から続投している平方。聡明でクールな表情を見せながらも、胸の奥に交錯する思いを秘めているという役どころ。身に纏った真っ白な衣装をなびかせながら立ち回る姿は非常に美しく、思わずうっとりしてしまう。

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そして初演・再演とキャロルを務めた新妻は、弟であるメンフィスを愛寵するアイシスを演じた。その妖艶な美しさに酔いしれてしまう一方、彼に近づく女には全く容赦しないため、その鋭い眼に恐れおののく。新妻の力強い歌声がアイシスという役柄をより際立たせ、恐怖で見るものの心を震わせた。

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他にも、新キャストである植原は、キャロルの兄・ライアンを優しい愛情いっぱいに演じ、綺咲は華やかでキュートなイズミルの妹・ミタムン役を見せ、イズミルの部下としてエジプトに潜入し、キャロルを警護(監視)するルカ役の岡宮は、時折見せる不敵な笑みでイズミルへの確固たる忠誠心を表現。そして、機転の利くキャロルに大きな信頼を寄せつつ、彼女を警護するウナス役の前山は、強い責任感を持ちながら見せるその愛らしい表情でキャロルだけでなく観客の心も解していく。

新旧キャスト陣が新たな化学反応で描き出していくミュージカル『王家の紋章』。メンフィスとイズミルの対立、メンフィスとキャロルの愛の結末はいかに…。愛とロマンに包まれた古代エジプトの世界観をぜひ劇場で堪能していただきたい。なお、本作は8月から9月にかけて東京、福岡で上演、上演時間は第一幕が1時間15分、休憩25分、第二幕が1時間15分の2時間55分を予定している。

(取材・文・撮影=エンタステージ編集部4号/動画撮影=エンタステージ編集部3号)

ミュージカル『王家の紋章』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年8月5日(木)~8月28日(土) 帝国劇場
【福岡公演】2021年9月4日(土)~9月26日(土) 博多座

スタッフ・キャスト

【原作】細川智栄子あんど芙~みん(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
【脚本・作詞・演出】荻田浩一
【作曲・編曲】シルヴェスター・リーヴァイ

【キャスト】
メンフィス:浦井健治/海宝直人(Wキャスト)
キャロル:神田沙也加/木下晴香(Wキャスト)
イズミル::平方元基/大貫勇輔(Wキャスト)
アイシス:朝夏まなと/新妻聖子(Wキャスト)
ライアン:植原卓也
ミタムン:綺咲愛里
ナフテラ:出雲 綾
ルカ:前山剛久/岡宮来夢(Wキャスト)
ウナス:大隅勇太/前山剛久(Wキャスト)
イムホテップ:山口祐一郎

【公式サイト】 https://www.tohostage.com/ouke/

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