映画『邪魚隊/ジャッコタイ』5月31日ロードショー!石井一彰インタビュー「やってみたい役だった」


【東映ムビ×ステ】最新作として、2024年に<ミュージカル時代劇>『邪魚隊/ジャッコタイ』が映画・舞台として誕生する。

【東映ムビ×ステ】は、東映による「ムービー(映画)とステージ(演劇)を融合」させ、ひとつの作品世界を「映画」と「演劇」としてそれぞれ公開・上演するプロジェクトだ。

今回は<ミュージカル時代劇>と銘打ち、死罪免除を条件に、将軍おかかえの使い捨ての特殊部隊となった「邪魚隊」の物語が描かれる。映画では、「謎の集団・お太鼓教への潜入捜査」が邪魚隊に下されるが・・・。

本記事では、お太鼓教のカリスマ教祖役を演じる石井一彰に、撮影の裏側などについて話を聞いた。

映画『邪魚隊/ジャッコタイ』で石井一彰さんが演じるのは・・・

――まず、ご出演が決まった時のお気持ちを教えてください

映画と舞台が連動して物語がつながっていくという仕掛けがあり、映画が好きな人も舞台が好きな人も二度楽しめるじゃないですけど、とても面白い取り組みだなと思いました。

――石井さんの役どころは?

お太鼓教という謎の集団のカリスマ教祖です。江戸の街に人喰い鬼が出没し、それらに対抗できるお札をその宗教が配っていることで、民衆から大変人気があるカリスマ的存在、というのが表向きの姿です。ですが、実は裏でいろいろとやっていまして・・・(笑)。

――映画の重要な役どころだと思いますが、そういう役が自分に来たことについては?

率直に、ものすごく嬉しかったです。自分がやってみたい役柄だったということもありますし、演じ甲斐もありますし。 詳しく知ればしるほど、演じるのが楽しみになりました。

――撮影はどのくらいの期間で行われたんでしょうか。

全体で2週間くらいだったかと思います。僕が参加させてもらったのは、4日ぐらいだったかな?結構タイトではありました。でも、限られた時間の中で丁寧に撮っていただきました。 撮影自体は過酷だったのかもしれないですが、それを感じないぐらい、やりがいがある楽しい現場でした。

――台本を読んでいた時のイメージと、実際に現場に入られて感じたこと、何か変わったことありましたか?

大きく違いを感じたことはなかったんですが、時代劇ということで太秦の撮影所に素晴らしいセットを組んでいただいていたんですよ。そこに自分が入って素敵なカツラと最高の衣裳を身に着けさせていただいた時は、ものすごいエネルギーを感じました。本を読んでいた時のイメージが立体化したというか、自然と役に入り込めたんです。演じる役の行動は無茶苦茶で、すごいことしているんですけど(笑)。でも、セットや衣裳などの力に助けられて、自分の役になっていけた感覚がありました。

――先ほど「やってみたい役だった」とおっしゃられていましたが、ここまで悪に振り切った役を演じられるのは初めてですか?

そうですね、ここまで振り切った役は初めてかも・・・。怒りや悲しみが先行する役柄はこれまでにも結構やることがあったんですけど、映像で、ここまでド悪役はなかったかも・・・(笑)。どちらかというと、長く演じさせていただいている役もあり、シュッとした正統派、ちゃんとした人というイメージを抱かれることが多いかと思うんですが、自分の中には真逆の願望もあったりして。負のエネルギーを持つ役柄にも取り組んでみたいと思っていたところに、この作品のお話をいただいたので、大変嬉しく思いました(笑)。

――私も拝見して驚きました。役にはどんなアプローチで臨まれましたか?

役を作りこむ、というよりは、自分がやりたいこと、やってみたいなと思っていたことを詰め込みました。演じていて一番面白かったのは、狂気の表現でした。一言で狂気と言っても、静かな狂気と言いますか。監督から説明をいただいて、最初に撮影したシーンが、池の上を歩いて現れて、対岸の女性を・・・というところだったんです。撮影していた時間は、ちょうど真夜中だったこともあり、静かな怖さをイメージしてやってみました。

それが監督のイメージにもハマったのか、カリスマ教祖の静かな狂気の中から、最後に壊れて本性が出る、という感じでやってみようという話になりまして。「静かな狂気」をどう表現していくか考えて、目線や仕草など、いろんな映像を見て研究して、自分のイメージするものと織り交ぜながら表現してみました。

映画『邪魚隊/ジャッコタイ』5月31日ロードショー!石井一彰インタビュー「やってみたい役だった」

――撮影中の記憶に残るエピソードがあれば教えてください。

夜中の2時ぐらいに、みんなでハンバーガーを食べたことかな。撮影はタイトではありましたが、観てくださる方に楽しんでもらいたいので丁寧に時間をかけて撮っていましたし、みんなすごく熱量が高かったんです。激しいシーンも多くて。だから、ちょっと休憩時間に、みんなで衣裳のままハンバーガーを頬張りました。はたから見たらすごい絵面だったと思うんですけど、なんか、青春してるなって思いました(笑)。

――共演者の皆さんとは、どのようにコミュニケーションを取られましたか?

邪魚隊のメンバーとは、結構距離感がありました。休憩中は話しもしていましたが、本番の前は、邪魚隊は邪魚隊で打ち合わせ、僕と多々良役の玉城裕規さんはこっちで、というように、敵対関係なので撮影中の距離感はありました。緊張感のある関係性でいられたと思います。

共演するのが初めての方ばかりだったので、皆さんがどういうお芝居をするのか、すごく興味がありました。逆に、ほかの皆さんからも「この安食という役をやる石井という人間はどういう人間なんだろう」と、常に見られているような気も感じたんです。だから、しっかりその場に立とうという意識はしていた気がします。

――撮影の場面としては、玉城さんとご一緒されるシーンが一番多かったですね。

玉城さんには、撮影終わった後に毎回「いてくれてありがとうね」って言っていました。いつも守ってくれているので。玉城さんが演じる多々良がいないと、すぐに殺されてしまうので(笑)。だから、常に「ありがとう」と言っていました。玉城さんは、それに「ハイっ!」って答えてくれていました(笑)。

――細かくコミュニケーションを取られていたんですね(笑)。

おもしろかったのが、お札を出すシーンの撮影でした。もともと、台本には違う書かれ方をしていたんです。現場で監督が少し変えようとおっしゃって。僕だけでなく、玉城さんも出るシーンとなり、雰囲気も含めまったく違ったシーンに生まれ変わりました。

映画『邪魚隊/ジャッコタイ』5月31日ロードショー!石井一彰インタビュー「やってみたい役だった」

――結構柔軟にアイデアを試す現場だったんですね。

そうですね。監督だけでなく、俳優部もいろんなアイデアを出して、それを現場で固めていった感じでした。

――石井さんからご提案されたことは?

僕からは、所作や居方を提示させていただきました。僕、提案をする前にまずテストでちょっとやってみるんです。「こういうのやってみたいんですけど」と聞きにいくよりは、やって見てもらうようにしていました。聞きにいって「ちょっとそれは・・・」って言われてしまうと、何もできなくなってしまうので。そういうチャレンジをすごく応援してくれる現場でもあったので。だから、とにかくカメラの前で演じることがすごく楽しかったです。

――(インタビューの時点で)石井さんはまだ完成版をご覧になっていない状態ですが、仕上がり楽しみだなと思っていらっしゃるシーンは?

物語の後半に大立回りがあるんですが、様々な角度からカメラが入っていて。しかも、撮影現場の床が土、明かりは蝋燭という、かなり異様なセットだったので、すごく入り込みやすかったです。実は、あのシーンもたくさん話し合いをしたんですよ。

一回テストをしてみて、こうじゃない、こうした方がいいんじゃないかと、いろんな意見が出ました。邪魚隊のメンバーともいろいろ話しました。すごく時間はかかりましたが、熱量のあるいいシーンになったんじゃないかと。早く観たいですね。

――クリエイティブな現場の様子が、映像にも表れていました。

スケジュール的にタイトでしたが、現場が楽しすぎて、全く苦にならなかったです。ほかの皆さんはもっといろんなシーンがあったので、もしかしたら体力的には結構大変だったかもしれないんですけど。僕は本当に楽しく参加させていただきました。

「ムビ×ステ」なので、これが舞台へと続くわけですよね。僕自身は映画のみの出演となるのですが、あの映画の終わりからどうなるのか・・・とても気になっています。自分の役柄に関してもそうですし・・・。舞台もぜひ観に行きたいです。

――まずは映画ですね!お客様へのメッセージをお願いします。

ミュージカル時代劇ということで「どういうものなんだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に観ていただいたら「ミュージカル時代劇ってこういうものなんだ」と説得力のある作品になっていると思います。邪魚隊の皆さんとの、力のぶつかり合い、歌のぶつかり合いが、熱量のあるシーンになっていると思います。現場で僕らが体感したことが、きっと映像からも感じていただけると思いますので、ぜひ映画館で体感していただければ嬉しいです。

【東映ムビ×ステ】
映画『邪魚隊/ジャッコタイ』は2024年5月31日(金)公開
舞台『邪魚隊/ジャッコタイ』は2024年8~9月に上演予定

<ヘアメイク>
藤井まどか(untitled.)
Madoka Fujii(untitled.)

<撮影協力>
Lily

映画『邪魚隊/ジャッコタイ』作品情報

2024年5月31日 ロードショー

【出演】
佐藤流司
阿久津仁愛 橋本祥平 小柳心 廣瀬智紀
高田夏帆 姜暢雄 輝馬 横山涼 吉岡睦雄
玉城裕規 石井一彰/永井大

【脚本】小西麻友
【監督】兼﨑涼介
【音楽】和田俊輔
【作詞】藤林聖子

『邪魚隊/ジャッコタイ』あらすじ

天下泰平の江戸時代。
人々の平和な暮らしの裏側に、限られた者しか存在を知らない特殊部隊があった。
その名も【邪魚隊】。
鱗蔵(佐藤流司)、スルメ(橋本祥平)、鮒右衛門(小柳心)、比売知(廣瀬智紀)からなる邪魚隊は全員が死刑囚。
死刑免除の引き換えに、死と隣り合わせの危険な闇仕事を任される隠密部隊だ。

今回、邪魚隊に下された任務は、謎の集団・お太鼓教への潜入捜査。
昨今、江戸の町では人が突然消える事件が続出。
それらは人喰い鬼の仕業と恐れられ、一方でお太鼓教の教祖・安食満親(石井一彰)は鬼から人を守る救いの神として崇められていた。
しかし、将軍・徳川吉宗(永井大)ら幕府はお太鼓教と鬼の関係に疑問を抱き、鱗蔵らのスリのスキルを駆使して教団からある物を盗み出すミッションを命じる。
御典医・蓼丸玄庵(輝馬)によると、その「ある物」が、鬼退治に役立つという。

一方、そんな邪魚隊の前に一人の青年が現れる。
彼の名は、水野平馬(阿久津仁愛)。
生き別れの姉を探す旅を続けていた平馬だが、お太鼓教の歌姫・音御前(高田夏帆)こそが姉であると確信。
真実を知るために、鱗蔵たちとともにお太鼓教に忍び込む。

だが、姉を救いたい平馬の行動が生んだアクシデントにより、鱗蔵たちは安食の側近・多々良(玉城裕規)に捕えられてしまう。
さらに、目の前に現れた安食によって、鱗蔵の封印していた過去が甦る。

はたして邪魚隊はお太鼓教の陰謀から
江戸の町を救えるのか?!
人喰い鬼とならず者たちの
妖美にして痛快な戦いが今始まる――。

【公式サイト】https://toei-movie-st.com/jakkotai/
【公式X(Twitter)】@toei_movie_st







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