2021年5月から7月にかけて東京、大阪でミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を上演することが発表された。日本オリジナル版10周年となる今回は、黒羽麻璃央、甲斐翔真、伊原六花、天翔愛、味方良介、前田公輝、新里宏太、大久保祥太郎、立石俊樹、吉田広大、春野寿美礼、原田薫、石井一孝、宮川浩、秋園美緒、兼崎健太郎、岡幸二郎、松村雄基、小㞍健太、堀内將平らが出演することも決まった。
2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員。日本では2010年に宝塚歌劇団によって初演され、その大反響を追い風に、2011年に日本オリジナル版として新たに誕生したのが、このミュージカル『ロミオ&ジュリエット』<日本オリジナルバージョン>だ。2019年以来2年ぶりの上演となる今回、記念すべき10周年を迎えることになる。
言わずと知れたシェイクスピアの名作が原作だが、本作では“ティボルトの従妹ジュリエットへの密かな恋情”ロミオに恋人の死をベンヴォーリオが伝える”といったオリジナルの設定を加え、登場人物の葛藤をより繊細に描き出している。特に全編を通じて登場する“死のダンサー”の存在感は強烈で、これによって愛と死、破壊と再創造といった哲学的テーマを表出させた点も、大きな特長ださらに、幕開きに歌われる迫力満点の「ヴェローナ」、若者たちの躍動感溢れる「世界の王」、ロミオの心象風景を鋭く描き出した「僕は怖い」、婚礼の場面で歌われる甘く切ない「エメ(フランス語で“愛する”の意味)」など、一度聴いたら忘れられない名曲の数々がファンの心を掴んでいる。
そんな注目作で今回ロミオ役に今回配されたのは、黒羽麻璃央と甲斐翔真。黒羽は2019年公演ではマーキューシオ役として若さの危うさを瑞々しく表現したが、今回役替わりでロミオを演じることになる。
一方のジュリエット役には、伊原六花と天翔愛が決定。本作が舞台初出演、女優デビューとなる天翔は、藤岡弘の長女として幼い日から父の薫陶を受け、現在は音楽大学で実力を磨きながら、夢であるミュージカル出演を叶えたシンデレラガール。
さらに、ベンヴォーリオ役を味方良介と前田公輝、マーキューシオ役を新里宏太と大久保祥太郎、ティボルト役を立石俊樹と吉田広大、死のダンサーを小㞍健太とKバレエカンパニー所属の堀内將平がそれぞれWキャストで務めることも決まった。
そして、キャピュレット夫人を春野寿美礼、乳母を原田薫、ロレンス神父を石井一孝、モンタギュー卿を宮川浩、モンタギュー夫人を秋園美緒、パリスを兼崎健太郎、ヴェローナ大公を岡幸二郎、キャピュレット卿を松村雄基が演じる。
コメント紹介
◆小池修一郎
2011年に始まったミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、3シーズン5度目の上演を迎える。
私が手掛ける宝塚版との違いは、現実社会とのリアリティの持ち方であろう。
ヴェローナを近未来都市と捉え『失われた世界の再生』をテーマに、愛の力を描いて行きたい。
既にミュージカルで頭角を現している黒羽、甲斐のロミオに対し、初出演の伊原、天翔のジュリエットの体当たりの挑戦がどんなドラマを見せるか、大いに楽しみであり期待している。
◆黒羽麻璃央
僕にとっての『ロミオ&ジュリエット』は、大きなテーマとして“愛”はもちろん“出会い”をもたらす作品です。前回は小池修一郎さん、出演者の皆さん、そして今回はロミオ役。前回出演した時にロミオを演じる二人に密かに嫉妬して、いつか演じたいと思っていたので、今回夢が叶いました。自分がこの先俳優という仕事を続けていくうえで、看板になる役であり、作品だと思っています。歴代のロミオ役は、いまやミュージカル界のトップにいる方々ばかりでプレッシャーはありますが、それこそも楽しめる自分なりのロミオを創っていきたいです。
2021年版として新しく生まれ変わります。この時代にとてもピッタリな“愛”をテーマにした作品ですので、是非お越しください。
◆甲斐翔真
世界中の人が知っている「ロミオ」という役を演じることへの責任、そして焦りを非常に感じております。ですが、関わるすべての方に感謝しながらしっかりと演じていきたいです。
『ロミオ&ジュリエット』は、ロマンチックでありながら、“愛と犠牲”、“幸福と孤独”、“破壊と再生”など難しいテーマが織り交ざっていて、お客様がそれらを考えるきっかけになる作品でもあると思います。
2021年のこの『ロミオ&ジュリエット』が今の時代にどのような関わりを作れるのか、しっかりと考えて作品に向かっていきたい。こんなご時世の中、劇場に来てくださった方には、必ず素敵な時間をお届けします。
◆伊原六花
誰もが知っている、愛されている作品に出演することが決まって、本当に光栄で夢のようです。昨年残念ながら上演中止となってしまった 『ウエスト・サイド・ストーリー』(以下 WSS)が「ロミオ&ジュリエット」を元にした作品だったので、ジュリエットを演じる事にもご縁を感じます。『WSS』を上演できなかった悔しさや、培ってきた稽古での想いなどをプラスして今回に挑みたいです。ジュリエットは可憐で純粋なイメージがありますが、戯曲を読むと冷静さを持ちつつも16歳という年齢ならではの熱量や行動力がある女の子です。私自身も良いと思ったことには没頭してしまうタイプなので共感できます。歌もダンスも練習をしっかりし、作品に入り込んで作っていきたいです。最大限出せる力を全てぶつけて、ジュリエットと共に成長したいです。
◆天翔愛
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、世界の名作でありますし、“純愛”を貫ぬくストーリーや楽曲の美しさが一番心に残っていた作品で、いつか演じてみたいとずっと願っていました。今回、オーディションを通過し、ジュリエットとして出演が決まった時は「夢が叶った!」と驚きと嬉しさで感謝の気持ちが溢れ、震えるほどでした。父に最初に報告したのですが、「選んでくれた方々に感謝を忘れずに作品に取り組むように」とアドバイスをもらいました。私はジュリエットと同じ十代なので、作品のテーマである“愛”に目覚めていくトキメキや愛の力の素晴らしさを、十代ならではの純粋さや感性、一途さで繊細に表現していきたいです。そして初舞台ということに甘えず、全身全霊を込めて歌・ダンス・演技に取り組み、「観に来てよかった」と皆様に心から思っていただけるように頑張ります。
あらすじ
モンタギュー家とキャピュレット家が代々憎しみ合い、争いを続けてきたイタリアの街・ヴェローナ。ある日、キャピュレット家ではひとり娘のジュリエットに、大富豪パリス伯爵を求婚者として紹介しようと舞踏会を開催。そこへ、モンタギュー家のひとり息子ロミオが親友のベンヴォーリオ、マーキューシオと共に忍び込む。
その舞踏会で、ロミオとジュリエットは運命的に出会う。お互いが敵対する家の者だと知り、ショックを受ける二人だったが気持ちを抑えきれず、ジュリエットの部屋のバルコニーで永遠の愛を誓い合う。二人の強い気持ちに心打たれたロレンス神父は、この結婚が憎みあう両家の和解に繋がるかもしれないと考え、密かに二人の結婚式を執り行う。
しかし、そんな矢先、両家の若者の間でいさかいが勃発。ロミオは仲裁に入るが、親友のマーキューシオがジュリエットの従兄弟ティボルトに刺されてしまう。親友の死を目の当たりにしたロミオは逆上してティボルトを殺害、ヴェローナから永久追放されることに。
ジュリエットの乳母の計らいで、夜が明けるまでのつかの間の時間、結婚初夜を過ごす二人。これが永遠の別れになるとは知らず、夜明けと共にロミオはマントヴァへと旅立っていく・・・。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演情報
上演日程
【東京公演】2021年5月21日(金)~6月13日(日) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2021年7月3日(土)~7月11日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【作】ジェラール・プレスギュルヴィック
【潤色・演出】小池修一郎(宝塚歌劇団)
【出演】
黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)、伊原六花/天翔愛(Wキャスト)、
味方良介/前田公輝(Wキャスト)、新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)、立石俊樹/吉田広大(Wキャスト)、
春野寿美礼、原田薫、石井一孝、宮川浩、秋園美緒、兼崎健太郎、岡幸二郎、松村雄基
小㞍健太/堀内將平(Wキャスト) ほか
【公式サイト】 www.rj-2021.com
【公式Twitter】@musical_RJ
(C) 岡本隆史