2人の“MA”の運命描く花總まり、笹本玲奈ら出演ミュージカル『マリー・アントワネット』開幕!ゲネプロレポート

当ページには広告が含まれています

2021年1月28日(木)に東京・東急シアターオーブでミュージカル『マリー・アントワネット』が開幕。花總まり、笹本玲奈、ソニン、昆夏美、田代万里生、甲斐翔真、上原理生、小野田龍之介、原田優一、駒田一、彩吹真央、彩乃かなみ、上山竜治、川口竜也らが出演する本作の公開ゲネプロの模様を写真と共にお伝えする。

『マリー・アントワネット』は、『エリザベート』『モーツァルト!』などの傑作ミュージカルを生み出し絶大な人気を誇るミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが手掛けた日本発のオリジナルミュージカル。

18世紀のフランスが舞台となっており、フランス革命の嵐の中で交錯する物語をベースに王妃マリー・アントワネットと庶民の娘マルグリット・アルノー、2人の“MA”の姿を描いていく本作。2006年に初演され、その後、日本での凱旋公演やドイツ・韓国で上演。日本では2018年に新曲を追加した新バージョンを上演し好評を博した。

2021年版の今回は、王妃のマリー・アントワネットは花總、笹本、貧しい娘でフランス革命へ道を歩み始めることになるマルグリット・アルノーをソニン、昆がそれぞれ演じている。また、マリーの愛人であるスウェーデン貴族・フェルセン伯爵を田代、甲斐、国王夫妻を失脚させようと企むオルレアン公を上原、小野田がWキャストで演じ、マリーの夫である国王ルイ16世役で原田、マリーはヘアドレッサーのレオナール役で駒田、衣裳デザイナーのローズ・ベルタン役で彩吹、を抱え込み、王妃の傍に寄り添う友人・ランバル公爵夫人役で彩乃らが出演している。

飢えと貧困に苦しむ民衆を尻目に上流階級の貴族たちと豪華な舞踏会を満喫していたマリーが、オルレアン公、マルグリットらの画策によって嘘のスキャンダルを流されたり、かの有名な「首飾り事件」を起こされることで失墜、そして革命によって家族と共に囚われの身に・・・色鮮やかで華やかな世界が灰色と赤に飲まれていく様子は哀しくて儚い。それでも最後の最後まで背筋を伸ばし誇り高く凛とした姿を見せるマリーは美しく、目が離せなくなる。

一方、もう一人の“MA”であるマルグリットは、舞踏会で貧しい人々の悲惨な状況を訴えるも相手にされず、自分たちのことしか考えない貴族たちへの憤りから貧困と恐怖のない自由な世界を求めてフランス革命への道を歩み始めることになっていくのだが、怒りと哀しみを抱えながら貧しい人々のためにと心奮い立たせるその姿はどんなにボロい服を纏っていても輝いていた。

同じ“MA”の名を持ちながらも境遇も服装もあまりに違う2人。豪華絢爛な舞踏会と貧しい人々が暮らす灰色の世界。高貴な立場から罪人。そして正義は・・・予期せぬ形に変化していく。さまざまなギャップが激動の時代を浮かび上がらせ、リアルに感じさせてくれる。物語後半には幽閉されたマリーを監視するためにマリーの身の回りの世話をマルグリットがすることになり、お互いに真実の姿を見出していくことになるが・・・迎えた結末は見ているものの心に大きな衝撃を与えるだろう。

ミュージカル『マリー・アントワネット』は東急シアターオーブで2月21日(日)まで上演し、3月2日(火)から3月11日(木)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演される。

以下、花總、笹本、ソニン、昆、田代、甲斐からの開幕に向けた意気込みなどを紹介する。

コメント紹介

◆花總まり(マリー・アントワネット役[Wキャスト])
今回はコロナ禍での上演ということで特別な想いをキャスト一同が抱いてでの舞台になります。この舞台をご覧頂きたい、成功させたいという気持で各自様々な感染予防対策を精一杯行ってまいりました、観客の皆様におかれましてはどうぞこの特別な『マリー・アントワネット』をお楽しみ頂ければ幸いです。残念ながら観劇が叶わなかった方々にもこの舞台上から熱いメッセージをお届けする気持ちと全てに感謝して演じたいと思っております。

◆笹本玲奈(マリー・アントワネット役[Wキャスト])
徹底された厳しい感染対策の中で進めてきたお稽古を経て、今日無事にこの日を迎えられる事を心から嬉しく思っております。
今後どの様な状況になるかは誰にも分かりませんが、一回一回の公演を『今日と言う日は今日しかない』という心持ちで務め、劇場にお越しくださったお客様に最高の舞台を全身全霊でお届けします。

◆ソニン(マルグリット・アルノー役[Wキャスト])
この作品の再演が意味のあるものだと感じれる瞬間が多くありました。私にとって大切な役であり再び出演できる事に心より感謝し、興奮しています。厳しい状況の中で開幕までたどり着いた事は、カンパニーで起こした革命的な偉業だと思っています。
お客様が、普段見ている世界で悩んでいる事を、舞台を通じ浄化し昇華できるそんな力を信じて、私は瞬間瞬間を誠実に皆様にお届けします。エンタメが届ける力を、明日を生きる糧を、お持ち帰りいただけるような力を持ってるこの作品、是非に受け取りにいらしてください。

◆昆夏美(マルグリット・アルノー役[Wキャスト])
このような厳しい状況の中ではありますが、再びこの作品をお客様にお届けできますこと大変嬉しく思っております。カンパニー一同、気持ちを一つに稽古を重ねました。幕が開くということは決して当たり前ではなく、奇跡なんだと感じます。この奇跡に感謝をし、責任を持って舞台を務めたいと思っております。そしてご観劇くださったお客様の心の潤いとなれば幸いです。

◆田代万里生(フェルセン伯爵役[Wキャスト])
いよいよ劇場へ!昨年は公演中止が相次ぎ、個人的には2019年12月以来、約一年振りのミュージカル出演となりますが、この作品が控えていることが心の支えでもありました。演出家も振付師も海外から生中継で稽古場映像をチェックして下さり、沢山のスタッフにも支えて頂きながらブラッシュアップを繰り返して今日を迎えています。フィクションとノンフィクションが融合した超大作。こんな今だからこそ、この作品から新たな気付きが生まれると信じています。

◆甲斐翔真(フェルセン伯爵役[Wキャスト])
健康で安全に。そして限られた時間の中で濃密に作り上げてきたこの作品をお客様に届けられるという「喜び」に満ち溢れています。
ここまで来るためにバックアップをして下さった全ての方々に感謝し、初日に挑みたいと思っています。
最初は、想像の数十倍の高いハードルに呆然としました。こんな大役が自分に務まるのか、と悩むこともありました。でも今は、この作品に関われていることを誇りに思います。大好きな「マリー・アントワネット」に出演できて幸せです。
フランス革命という激動の時代、マリーという『人間』を心底愛し、命がけで救い出そうともがいたフェルセンを楽しみにしていただければと思います。

(取材・文・撮影=エンタステージ編集部3号、1号)

公演情報

ミュージカル『マリー・アントワネット』
【東京公演】1月28日(木)~2月21日(日) 東急シアターオーブ
【大阪公演】3月2日(火)~3月11日(木) 梅田芸術劇場メインホール

【脚本・歌詞】ミヒャエル・クンツェ
【音楽・編曲】シルヴェスター・リーヴァイ
【演出】ロバート・ヨハンソン
【原作】遠藤周作「王妃マリー・アントワネット」

【出演】
マリー・アントワネット:花總まり/笹本玲奈(Wキャスト)
マルグリット・アルノー:ソニン/昆夏美(Wキャスト)
フェルセン伯爵:田代万里生/甲斐翔真(Wキャスト)

オルレアン公:上原理生/小野田龍之介(Wキャスト)
ルイ16世:原田優一
レオナール:駒田一
ローズ・ベルタン:彩吹真央
ランバル公爵夫人:彩乃かなみ

ジャック・エベール:上山竜治/川口竜也(Wキャスト)
ロアン大司教:中山昇、ベメール:中西勝之、ギヨタン博士:朝隈濯朗、ロベスピエール:青山航士、ダントン:原慎一郎、ラ・モット夫人:家塚敦子
荒田至法、石川剛、榎本成志、小原和彦、川口大地、扇国遼、横沢健司、りんたろう、天野朋子、石原絵理、今込楓、岩崎亜希子、大竹萌絵、島田彩、堤梨菜、遠山さやか、船山智香子、山中美奈、吉田玲菜

マリー・テレーズ:石倉雫、桑名萌々花、山本花帆
ルイ・シャルル:田中誠人、土屋飛鳥、西田理人

【公式サイト】https://www.tohostage.com/ma/

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

目次