『おおきく振りかぶって』ダブルヘッダー特別公演がプレイボール! 初演再演版レポート

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2020年2月14日(金)に東京・サンシャイン劇場にて、初演舞台『おおきく振りかぶって』の再演とシリーズ第3弾となる完全新作舞台『おおきく振りかぶって 秋の大会編』を同時上演するダブルヘッダー特別公演が開幕した。

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本記事では、2月14日(金)に行われた『おおきく振りかぶって』再演のゲネプロと、西銘駿(三橋廉役)、大橋典之(阿部隆也役)、神永圭佑(榛名元希役)、佐伯亮(秋丸恭平役)、脚本・演出の成井豊、特別ゲストとしてBase Ball Bearの小出祐介、堀之内大介、関根史織が登壇したゲネプロインタビューの模様をレポートする。

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本シリーズは、ひぐちアサによる本格的高校野球漫画「おおきく振りかぶって」(「月刊アフタヌーン」連載/講談社)を原作とする舞台作品。2018年2月に初舞台化され、同年9月に続編となる「夏の大会編」を上演した。今回のダブルヘッダー特別公演では、ファンの熱いリクエストに応える形で初演の再演を行うほか、「夏の大会編」のその後を描く完全新作「秋の大会編」も同時上演する。脚本・演出は、これまでと同じく成井が担当。

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ダブルヘッダー公演ということで2作分の稽古が行われた苦労について、成井は「役者たちがいろんなことを忘れることですね(笑)」とぶっちゃけると、登壇者たちは爆笑。改めて「再演の稽古で芝居が固まって、『秋の大会編』の稽古をした後に、また再演に戻ると忘れてしまうんですね。2作品の流れの中で4試合あるので、この回の先頭で打つのか、三振なのかみたいなのを瞬間に忘れてしまうんでしょう。ただ、稽古は7週間あったので、さすがに最後の2週間ぐらいは忘れることはほとんどなかったですけど、最初のうちは思い出す稽古みたいで(笑)、一番大変でした」と明かした。

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舞台奥から客席に向かって傾斜のついた八百屋舞台となっているステージ上で、上手下手にバッテリーが分かれて試合を行うという舞台版『おお振り』ならではの演出は健在。バッテリーと打者の心理と駆け引きや、ステージ上で躍動する選手たちのスピード感あふれるプレイの数々によって野球のリアリティと臨場感が表現される。今作は再演ということで、迫力で複雑なキャストたちの動きや試合展開がさらに洗練されたものとなっていた。

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今回の公演からも新キャストとして、西浦高校野球部には田島悠一郎役の大野紘幸、栄口勇人役の竹鼻優太、巣山尚治役の齋藤健心、三星学園野球部には叶修吾役の西川俊介、桐青高校野球部には高瀬準太役の越智友己、河合和已役の永岡卓也、そして武蔵野第一高校野球部には榛名元希役の神永と秋丸恭平役の佐伯が加わる。

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そんな新キャストを迎えたカンパニーの雰囲気を、この舞台シリーズで初座長を務め、初演から三橋を演じる西銘は「最初にお会いした時はぎこちなかったんですけど、高校野球を舞台とした作品なので、稽古をしていくうちにふざけ方とか、みんな高校生っぽくなってきたので、笑いの絶えない稽古場で楽しかったです」と笑顔で語った。

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前作「夏の大会編」から出演し、再演と「秋の大会編」の3作で阿部として三橋とバッテリーを組む大橋は、3作を通した三橋と阿部の関係に対して「お互いの信頼度がどんどん変わっているなと思います。再演版では、三橋を認めさせて阿部が引っ張っていく感じだったんですけど、『夏の大会編』では三橋と手を組むことの大切さに気づき、『秋の大会編』では手を取り合った上での試合運びで、お互いの関係が足し算からかけ算になる相乗効果のような変化を感じています」とコメント。

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その三橋について、新キャストとして加わる佐伯も「三橋の成長に感情移入できると思いますし、三橋が仲間と出会って仲間の存在を感じて、日々成長して強くたくましくなっていく姿がとても見応えがあります」と見どころとして挙げると、「三橋を演じる西銘くんも熱いものを持っているので、ぜひ見ていただきたいです」と呼びかけた。

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同じく新キャストで、阿部と因縁を持つ武蔵野第一高校野球部のエース・榛名を演じる神永。野球経験者でもある神永は「右投げ右打ちのキャッチャーだったんですけど、今回、演じる榛名は左投げ左打ちのピッチャーなので、正反対の役がきたなと・・・。左打ちというのは少しやったことがあったんですが、左投げというのはなかったので、そこは苦労した点ですね」と役作りの苦労を明かした。

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舞台では、三橋と阿部の関係を物語の軸として、今までのキャストが築き上げてきた思いと絆に新戦力として加わる新キャストの魅力が加わって生み出される西浦高校野球部のチームワークに、ライバル高野球部のそれぞれ抱える思いがぶつかり合って、高校球児たちの爽やかな青春の1ページが綴られる。

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劇中で使用される「ドラマチック」と「いまは僕の目を見て」を楽曲提供しているBase Ball Bearの小出は、アニメ版第1期の主題歌としても人気の「ドラマチック」に関して「バンドがデビューして2年目の時で、アニメ主題歌に使っていただくために1ヶ月ぐらいみっちり制作に時間をかけました。僕らにとっても、たくさんの方に仲良くしていただくきっかけになったので、今でもすごく大事にしている曲です」とエピソードを披露。

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「いまは僕の目を見て」が舞台で使用されることについて、関根は「まさか舞台で使われるとは思っていませんでした。すごくいいシーンで使われていて、こんなところで使われるんだという驚きがあって嬉しかったです」と喜びを露わにした。

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そして、高校時代に応援団として甲子園の決勝まで行った経験があるという堀之内は「この作品自体が、僕の当時の思い出・・・特に高校1年生の時の話が本当にドンピシャで、自分の胸にグサッと刺さり、青春を思い出させてくれるものでした」と振り返ると、「『いまは僕の目を見て』も印象的なシーンで使われていて、三橋くんの応援歌というか、西浦高校の応援団になった感じで使っていただいたと思っております」と感謝を述べた。

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本シリーズでは、アニメ版主題歌「ドラマティック」に乗せて、劇中のOPとEDで披露されるダンスシーンも見どころの一つ。新作となる「秋の大会編」ではアニメ第2期の主題歌となっていたGalileo Galileiの「夏空」をテーマ曲としてダンスが披露される。その見どころを、佐伯が「高校ごとの良さがすごく出ています。西浦だとチームカラーあふれるフォーメーション、敵校は格好良さや存在感がすごく出ています」とアピール。

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伝説となった初演が再演版として、しかも新作公演と共に楽しむことができるダブルヘッダー特別公演。二度とない機会かもしれないので、ぜひダブルヘッダー観戦で盛り上がってほしい。

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ダブルヘッダー特別公演『おおきく振りかぶって』/『おおきく振りかぶって 秋の大会編』は、2月24日(月)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。上演時間は両作共に約2時間(休憩なし)を予定。

【公式サイト】http://oofuri-stage.com/
【公式Twitter】@oofuri_stage

(C)ひぐちアサ・講談社/舞台「おおきく振りかぶって2020」製作委員会

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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