2019年3月15日(金)に東京・新橋演舞場にて『トリッパ―遊園地』が開幕した。本作は、A.B.C-Zの河合郁人が初の単独主演を務める舞台。初日前日に公開ゲネプロ、初日公演後に囲み会見が行われ、河合のほか、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、惣田紗莉渚(SKE48)、いしのようこ、純名里沙、渋谷天笑、榎木孝明の7名が登壇し、意気込みを語った。
◆河合郁人(A.B.C-Z)
初の単独主演ということで、最初に新橋演舞場の舞台に立った時に(滝沢演舞場に出演した時のように)僕の前には滝沢くんが立っているんじゃないかと錯覚しましたが、回数を重ねていくうちに自分が座長なんだ、しっかりしないと!と感じました。緊張しすぎて本番前は辰巳の楽屋を何度も行き来して、二人で「よーし、やってやるぞ」と言い合っていました。
豪華なキャストの皆さんはとても優しくて、アドバイスし合い、チームワークがとてもいいです。それに辰巳とは20年ぶりの共演で安心しますし、一緒に踊っていてもすごく気持ちがいいです。僕は「マサヒロ」と「正彦」という二役を演じていますが、大先輩お二人の名前の役を演じられることは、ジャニーズ大好きジャニーズとしてはとても光栄です。マッチさん、漢字は違いますが「正彦」という名前をお借りしているので、もしよろしければ観に来てください(笑)!
戦時中が舞台の作品で、平成の終わりに昭和の戦争を思い出してもらい、そして大阪公演が始まる時には新しい元号が分かっているので、一つ一つの時代を大事にしてやっていきたいです。あまり構えずに楽しんでもらえる作品ですので、ぜひ劇場に足を運んでください。
◆辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)
キャストみんな仲が良く、「始まったら終わっちゃうね」なんて、すでに寂しがるほど一気に仲良くなれました。数週間前に、僕が演じるショウヘイになるため美容院で髪を切ったのですが、本番二日前にもっとショウヘイになれるんじゃないか、ショウヘイもやっていたんじゃないかと思い、自分でさらに髪を切ってみました。千秋楽には坊主になっているかも(笑)。河合との共演は何をやっても受け止めてくれるので、安心感があります。20年仲良くしてきましたが、カラオケ以外でまさか舞台上でデュエットができるとは思っていなかったので今回は本当に嬉しいです。「修二と彰」ならぬ「マサヒロとショウヘイ」でこれからやっていけたらいいなと思います(笑)。
◆惣田紗莉渚(SKE48)
初めての舞台なんですけど、皆さん本当に優しくて、ようこさんが飴をくれたり、今回、辰巳さんと二人の場面が多くあるんですが「その日、その時に思ったハルでいいんだよ」と言ってくれて。その言葉で「こうしよう、ああしよう」というよりは、その場のみんなの話とかを聞いて演じてみて、お芝居するのってこんなに楽しいんだなって思えました。このような機会をいただけて本当に幸せだなって思います。
◆いしのようこ
本当に河合さん、辰巳さんのお二人が頼もしくて。辰巳さんは今日の本番直前に突然台詞を追加されても、微動だにせずにぺろっとやってしまうからすごい!と思いました。私は活弁士の役なのに噛んだりしてとても苦労してますが(笑)。楽しんでやらせていただいています。
◆純名里沙
初日公演は本当に楽しかったです。家族を戦地へ送り出すつらい役どころではありますが、私が身籠っている衣裳の時に、河合さんが「ここに僕の(役の上の)父親がいる」と言いながらお腹をなでてくれるんですよ。すごく幸せな気分になります(笑)。
◆渋谷天笑
辰巳さん演じるショウヘイの兄で、1944年当時の遊園地の経営者役ということで、良い役をいただきました。僕は35歳ですから、実際に河合くん、辰巳くんのお二人より年上で、役の上でも自然な感じで兄弟の関係を作れているのかなと思っています。
◆榎木孝明
河合くんを担ぐ場面があるのですが、全然重くないです。最強のじじいなので(笑)。河合くんと辰巳くんは物怖じしない世代の2人だからか、私が新橋演舞場に初めて立った30代の時は心臓が飛び出すくらい緊張していたのに、あれは何だったんだろうと思うくらい、2人のリラックス感がすごいです。二人が踊っているのを見ていると芝居中でも見入っちゃいます。毎日楽しくて仕方ないですね。いつもワクワクしています。芝居は生き物なので。この作品は戦争の話を残していける大事な作品だと思っています。
【あらすじ】
2019年、ここは90年続く老舗の山ノ内遊園地。IT化が進んだ今の世の中に取り残され、社長である山ノ内マサヒロ(河合)の一存で、リゾート施設ビルへの経営転換が進められている。遊園地で時代の変遷を見守って来た整備士の寅吉(榎木)の勧めで、マサヒロがしぶしぶ遊園地のシンボルである観覧車に乗り込もうとすると、そこにマサヒロと瓜二つの男が現れる。男は太平洋戦争末期、南の島で戦死したマサヒロの親戚、山ノ内正彦。男に「身体を貸せ」と言われると、ほどなく勝手に身体が動き出し、観覧車に乗ると雷鳴が・・・。
マサヒロが目を覚ますと。そこには閉園しているはずの遊園地で人々が楽しんでいる。従業員もなぜか知らない顔ばかり。そんな時、空襲警報が鳴り響く。ここは、太平洋戦争の真っ只中。1944年の山ノ内遊園地だった。
マサヒロは、この遊園地で瓜二つの山ノ内正彦として生きていく。統制が厳しい戦時中でも、なんとか遊園地を運営しようとする経営者のマツジ(渋谷)と妻のユキ(純名)。戦争下の中でも経営を続けている遊園地、そして一向に自分の元に招集令状が来ないことに疑問を抱く、マツジの弟・ショウヘイ(辰巳)。そして、遊園地を彩る活弁士トメ(いしの)やその娘ハル(惣田)たちとの関わりから、マサヒロは遊園地のあるべき姿、人々が楽しめる場所の大切さに気づき出す。
しかし、終戦間近となった頃、ショウヘイにもついに赤紙が届き、マサヒロは遊園地を託される。ショウヘイは出征して数日後、鳴り響く空襲警報の中、遊園地とみんなを守ろうと奮闘するマサヒロの決断は・・・。
『トリッパー遊園地』は、3月23日(土)まで東京・新橋演舞場にて上演。その後、岐阜、愛知、大阪を巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】3月15日(金)~3月23日(土) 新橋演舞場
【岐阜公園】3月30日(土) 可児市文化創造センター
【愛知公演】3月31日(日) 豊田市民文化会館
【大阪公演】4月3日(水)~4月7日(日) 大阪松竹座
(写真/オフィシャル提供)