『文豪ストレイドッグス 黒の時代』開幕!谷口賢志「命をかけて演じる」

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架空の都市・ヨコハマを舞台に、歴史に残る文豪たちが繰り広げる異能力アクションバトルを、プロジェクションマッピングと演劇的手法を駆使して舞台上で展開し、大ヒットを記録した舞台『文豪ストレイドッグス』。第2弾公演となる舞台『文豪ストレイドッグス 黒の時代』が2018年9月22日(土)に開幕した。初日前日には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、織田作之助役の谷口賢志、太宰治役の多和田秀弥、坂口安吾役の荒木宏文、前作に続いて演出を手掛ける中屋敷法仁が公演への思いを語った。

本作は、テレビアニメ第2シーズンの13話から16話にかけて放送されたスピンオフで、ファンの間で人気を誇るエピソード「黒の時代」を原作にした作品。太宰治が武装探偵社に入社する前、「ポートマフィア」最年少幹部だった時代が描かれる。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_2

ゲネプロを終えて行われた会見で、谷口は「とても素敵な作品ができました」と笑顔を見せながら、「稽古場でもスタッフの皆さんが時間をかけて、イメージのしやすい現場を作ってくれました。実際に劇場で演じてみて、イメージを上回る素敵な舞台になりました」と自信をのぞかせた。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_6

初演から演劇的な演出で、創意工夫に富んだ表現を見せてきた中屋敷は、本作では「大人のムード漂う作品なので、気合いだけでは乗り切れない作品。余裕を持った、大人の魅力を出すために、貫禄あるお芝居をしてほしい」という思いから、演出面での説明を欠かさなかったという。そして、具体的な演出は「俳優さんが魅力的なので、いろいろな演出をやりたくなってしまう。アイディアをもらっている気持ちでやっています」とキャストたちにインスパイアされて生まれたものと明かした。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_8

また、本作の見どころについて、谷口は「原作の中でも人気の高いエピソードの中心人物をやらせていただくにあたり、『40歳で2.5次元舞台の主役をやるってどうなんだろう』と思いながらも、覚悟を持って挑みました。第1弾のキャストたちにも下手なものを見せられないですし、秀弥にとっては『黒の時代』で与えられるものが次につながっていく物語なので、全身全霊で思いを届けようという気持ちです。命をかけてやっているというところが、個人的には魅力だと思っています」と自身の“強い思い”こそが見どころだと話す。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_3

一方、多和田は「今回は18歳の太宰を演じています。前回の太宰とベースは一緒ですが、本作で描かれているのが本来の太宰。真に迫るものがあるので、前作との違いを見ていただきたいです。油断していると置いていかれちゃうようなスピード感のある芝居をしているので、一つ一つのシーンに入り込んで見ていただけたら」とアピールし、荒木は「グッズですら見ることができない、ジャケットを着ていない安吾」が見られることを、注目ポイントとして挙げた。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_4

【あらすじ】
常人ならざる“異能”の力を持ち、ヨコハマの裏社会に巣食う悪虐の徒、その名は「ポートマフィア」。最年少幹部の太宰治、下級構成員の織田作之助、秘密情報員の坂口安吾。階級を重んじる組織にありながら、立場を越えて3人は、仄暗いバーのカウンターに肩を並べ、今夜もグラスを傾ける。あの日、一人が消息を絶つまでは・・・。
男は何を求めてマフィアになり、何を失い訣別したのか?
胸襟を開かぬ彼らに代わり、一葉の写真が物語る。黒の時代、闇の中に光る“何か”を。
これは、まだ太宰治が「武装探偵社」に入社する前の話である―。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_5

原作からして、落ち着いた大人な空気感を漂わせる「黒の時代」。本作でも、しっとりとした空気が流れながらも、人間が演じているからこその生々しさや、静けさの中に熱い想いがひしひしと感じられる仕上がりとなっていた。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_9

初演時よりも、さらに演劇的手法が有効に使われており、観るものの想像に委ねるかのような演出も印象的だ。また、劇中に繰り返し登場するバーのシーンは、織田、太宰、坂口の関係性が垣間見える貴重な場面で、このシーンこそが本作のキーともなっている。

ここでは中屋敷は「3人は初共演なので、泳がせてみたらどうなるんだろう」と特別な演出は加えなかったそうで、「横顔や背中、いろいろな演技を見せてくれたので、どこをチョイスするか悩ましいぐらいでした」と明かした。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_10

会見の最後、多和田は「18歳の太宰を自由にのびのびと、そして胸を締め付けられるような思いで生き抜いていければ、この公演は成功につながると思います。気負いすぎず、やっていけたらと思います」と公演への思いを語り、荒木は「原作が好きな方々が観ても共感と発見ができるぐらい、いろんな角度からいろんなものを感じ取れる作品となっています。ぜひ劇場で、同じ空間を味わって、匂いを感じ取ってほしいです」とコメント。

谷口は「劇中に『小説を書くことは人間を書くことだ』という台詞があるのですが、演劇も同じだと思います。演劇を作るということは人間を作るということだし、出会うことだと思っていますので、多くのお客様に出会って、一緒に人生を作れたらと思っています」と締めくくった。

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_7

舞台『文豪ストレイドッグス 黒の時代』は、9月22日(土)から10月8日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて、10月13日(土)・10月14日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。

なお、大千秋楽となる10月14日(日)の大阪公演17:00公演では、全国の映画館でライブビューイングが開催される。詳細は、以下のとおり。

◆舞台『文豪ストレイドッグス 黒の時代』大阪千秋楽ライブビューイング
【日時】10月14日(日)17:00開演
【会場】全国の映画館(33館)
【料金】3,500円(全席指定/税込)
【来場者特典】新井伸浩描き下ろし スペシャルコラボブロマイド
※本公演会場で配布している来場者特典と同一のもの

【公式HP】http://bungo-stage.com/
【公式Twitter】@bungo_stage

『文豪ストレイドッグス 黒の時代』舞台写真_15

(C)舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」製作委員会

(取材・文・撮影/嶋田真己)

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