2016年に宝塚歌劇団で初めて舞台化され、大きな反響を呼んだ浪漫活劇『るろうに剣心』が、東京・新橋演舞場と大阪・大阪松竹座にて上演される。6月27日(水)には製作発表会見が都内で行われ、早霧せいな、上白石萌歌、廣瀬友祐、松岡充、三浦涼介、植原卓也、愛原実花、松岡広大、そして脚本・演出の小池修一郎が登壇した。
本作は、和月伸宏による大ヒットマンガ「るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−」を原作としたミュージカル作品。2016年の初演時に主人公・緋村剣心を演じて高い評価を得た早霧が、今回、宝塚歌劇団退団後に男女の枠を超えて再び同役を演じる。
製作発表では役の紹介も兼ねてパフォーマンスが行われた。それぞれの武器を片手に、衣装を着て舞台上を駆け回り、終盤には剣心と舞台オリジナルキャラクターの加納惣三郎が刃を交えるシーンも。息もつけないほどの迫力あるパフォーマンスに、本番への期待がさらに高まった。
宝塚歌劇団版に引き続いて脚本・演出を務める小池は「私自身が早霧さんの剣心にもう一度会ってみたかったですし、蘇って欲しいという願いがあり、この機会はそれにぴったりだと思いました」と本作への思いを語った。さらに、オリジナルキャラクターである加納惣三郎という役が「宝塚版の上演時、2番手の敵役をどうするか(原作者に)相談した時に“原作のキャラクターを変えるよりも新しいキャラクターを作ってください”と逆提案していただいた」ことから生まれたことを明かした。加納は、新撰組の隊士ではあるが、名簿にその名前が存在していないというミステリアスな人物で、だからこそ小池は「色々な人が想像して色付けをしている人物なので、新しい剣心の物語のゲストにふさわしいと思います」と自信をのぞかせた。
一方、早霧は「男性キャストの皆さんがいる中で、自分が男性役を演じるのはどうなのかと、ここに漕ぎ着くまで悩みました」と苦悩も明かす。しかし、「人を演じるという意味では変わりはないのではないか、という境地に行き着いて、ここにいます」と話し「新しい『るろうに剣心』をお届けできたら」と意気込んだ。
加納惣三郎を演じる松岡充は「加納は原作にはないキャラクターなので、ここから作ることができるという期待があります。先生と相談しながら、僕にしかできない惣三郎を作れればと思います。悪ではあるけれども、悪の側から見た正義を持った役にしたいですね」と意欲を見せる。
神谷薫役の上白石は「全世界から愛されている役を演じることには、プレッシャーを感じますが、凛として大胆に、そして揺れ動く気持ちを繊細に演じたいと思います」と真摯に語る。薫は剣心に淡い恋心を抱く役どころであることから、剣心姿になった早霧を見ての感想を聞かれると「好きになってしまいそう。それぐらい素敵です」と笑顔を見せた。
また、斎藤一役の廣瀬は「僕なりにこの役を愛し、作品を愛し、広瀬友祐なりの斎藤一を演じられたらと思います」、四乃森蒼紫役の三浦は「歴史を知った上で(この役を)表現していきたいです」、相楽左之助役の植原は「相楽は男らしく、まっすぐなキャラクター。彼が持っている持ち味と向き合って、稽古もがんばりたいです」、高荷恵役の愛原は「自分の持っている全てを出し切ります」、緋村抜刀斎(剣心の影)役の松岡広大は「早霧さんが演じる剣心が嘘にならないよう、現在の剣心とリンクするようにがんばっていきたいです」とそれぞれコメントを寄せた。
浪漫活劇『るろうに剣心』は、10月11日(木)から11月7日(水)まで東京・新橋演舞場にて、11月15日(木)から11月24日(土)まで、大阪・大阪松竹座にて上演される。
(取材・文・撮影/嶋田真己)