2018年6月2日(土)と6月3日(日)に東京・NHKホールにて『This is NIPPON プレミアムシアター初音ミク×鼓童 スペシャルライブ 2018』が開催された。去年の3月に太鼓芸能集団「鼓童」が初音ミクとコラボレーションしてから1年。さらにグレードアップしたライブの熱気あふれる舞台写真とオフィシャルレポートが届いた。
会場のNHKホールは、衿に「初音」「鼓童」と名前の入ったライブ・ハッピを着た人たちでいっぱい。オープニングとともに地鳴りのような歓声が起き、オールスタンディングとなった客席に、いっせいに太鼓型ペンライトの光が揺れ出した。
「去年はにぎやかな曲と穏やかな曲を交互に入れていたんですが、今年はミクさん側からの『もっとアゲアゲで!』というリクエストで、体力的にもハードな曲が続くんです」と選曲担当の石塚充が言うように、ミクのナンバーを太鼓と鳴物で盛り上げ、リン・レンのデュエットでは、鳴物担当が彼らのダンスを完コピして一緒に踊り、「三宅」「巴」など鼓童の大曲では、3~4分ずつにまとめた濃縮ハイライト版を惜しげもなく演奏と、大忙しのフル稼働。
驚いたのは、こうした鼓童の緩急に富む複雑なビートを刻む楽曲にも、観客が手拍子やかけ声で、しっかり伴走してみせること。今年初参加の住吉佑太は「ミク・ファンは音楽が好きで、曲を聴きに来ている人が多い感じがしますね。こちらが何を振ってもついてきてくれるので、もう”闘い”みたいにテンションが上がって、すごく楽しいです。「巡」では、前の方のお客さんも踊ってくれてましたし(笑)」と、今秋のワンアースツアーの新作にも、十分な手応えを感じた様子。
フィナーレでいったん幕が閉まると「コドオ・ミーク」「コドオ・ミーク」のアンコール大合唱。コラボ2度目にして、ミクはもちろん、ミク・ファンと鼓童も、ガチで相思相愛の関係になったことを確認できた。
鼓童は11月より新作公演 『巡-MEGURU-』 を控えている。演出を行うのは2010年に鼓童研修所に入所し、2013年から鼓童のメンバーとして、「大太鼓」やソリストに抜擢された住吉。公演内の楽曲はすべて新作で構成され、住吉が生まれ育った香川に伝わる獅子舞や徳島の阿波踊り、栃木や群馬に伝わる八木節や岩手に伝わる鬼剣舞など、多くの郷土芸能をさりげなく織り込まれていくようだ。
鼓童『巡-MEGURU-』は11月3日(土・祝)より22都市、28回公演の日本全国ツアーがスタートする。
(文/伊達なつめ、撮影/宮川舞子、画像ギャラリー/オフィシャル提供)