2018年4月12日(木)東京・新国立劇場にて、米国作家ジョージ・オーウェルによる同名小説を原作とした『1984』が開幕した。本作は2014年にロンドンにて初演され、現代の社会が抱える問題を鮮烈にあぶり出したとして、その年のオリヴィエ賞にノミネート。2017年にはブロードウェイでも上演され、世界的な注目を集めている。出演には井上芳雄、ともさかりえ、森下能幸、宮地雅子、山口翔悟ら実力派メンバーが揃った。
【あらすじ】
時は2050年以降の世界。人々が小説『1984』とその”附録”「ニュースピークの諸原理」について分析している。過去現在未来を物語り、やがて小説の世界へと入って行く・・・。1984年。1950年代に発生した核戦争によって、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国により分割統治されており、その3国間で絶え間なく戦争が繰り返されていた。オセアニアでは思想、言語、結婚等全てが統制され、市民は”ビッグブラザー”を頂点とする党によって、常に全ての行動が監視されていた。
真実省の役人、ウィンストン・スミスは、ノートに自分の考えを書いて整理するという、発覚すれば死刑となる行為に手を染め、やがて党への不信感をつのらせ、同じ考えを持ったジュリアと行動をともにするようになる。ある日、ウィンストンは、高級官僚オブライエンと出会い、現体制に疑問を持っていることを告白する。すると反政府地下組織を指揮しているエマニュエル・ゴールドスタインが書いたとされる禁書を渡され、体制の裏側を知るようになるのだが・・・。
はたして、この”附録”は誰によって、どのように書かれたのか?それは真実なのか?そして今、この世界で、何が、どれが真実なのだと、いったい誰がどうやって分かるのだろうか・・・。
新国立劇場 開場20周年記念『1984』は4月12日(木)から5月13日(日)まで、東京・新国立劇場にて上演される。その後、兵庫、愛知を巡演。詳細は以下のとおり。
【東京公演】4月12日(木)~5月13日(日) 新国立劇場 小劇場
【兵庫公演】5月16日(水)~5月17日(木) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【愛知公演】5月20日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
(撮影/宮川舞子)