2017年11月17日(金)より東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて舞台『義風堂々!!』が開幕した。本作は、原哲夫の漫画「花の慶次 -雲のかなたに-」の魂を受け継ぐ作品として、2008年より連載されている「義風堂々!!」シリーズ(原作:原哲夫、堀江信彦)の初舞台化作品。初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、W主演の猪野広樹と鍵本輝(Lead)をはじめとするメインキャストと、作・演出を手掛けたきだつよしが登壇した。
登壇者は、猪野、鍵本、きだのほか、志村玲於(SUPER★DRAGON)、古川毅(SUPER★DRAGON)、早乙女友貴、小野健斗、伊藤裕一、倉持由香、窪寺昭、鈴木健介、内堀克利、ブラザートム・天宮良(Wキャスト)の計14名。
物語は、原作の原が「花の慶次で描ききれていなかったという、前田慶次の莫逆の友・直江兼続を中心に展開する。その、直江兼続役を演じるの猪野は、本作の稽古に途中からの参加だったが「(参加した時点で)すでにカンパニーの空気ができており、ベテランの皆さんが助けてくださったので、短い時間でしたが、ベースを作ることができました。本番に向けて、いいものができればと思っております」と語った。
兼続と“義”で結ばれる前田慶次役の鍵本も「この作品では、武将たちの儚くも美しい様を表現しています。観に来てくれたお客様が(終わったあとに)『自分にとって生き様とは何だろう』と感じていただけたら。そうなるように、がんばりたいと思います」と意気込んだ。
スターダストプロモーションが手掛ける若手俳優集団EBiDANから誕生した9人組ミクスチャー系ユニット「SUPER★DRAGON」のメンバーで、兼続の従者・茂吉役を演じる志村は、「この舞台に元気な義の花を咲かせられたらいいなと思っております」と自身の役どころと作品のテーマを重ね、同じく「SUPER★DRAGON」のメンバーで石田三成の家臣・島左近役の古川は「この男前なキャラクターを演じきりたいと思います」と挨拶。
その流れで、小野が「SUPER★DRAGONの小野健斗です!」と続くと、周囲から総ツッコミが。「違います(笑)?」とおどけながらも、演じる元武田の忍び軍で家康の忍びとなった下坂左玄役について「初めての役どころですが、悩み苦しみながらも、楽しく演じることができました。ぜひ、たくさんの皆さんに観ていただきたいです」とアピールした。
そして、上杉家の忍び・中西次郎坊役の早乙女は、殺陣が多いこともあり「最後まで怪我なくがんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします」と誓い、上杉景勝役の伊藤は「“義”というものは、言葉では説明できるものではないので、態度で示していきたいと思います」と力強くコメント。
また、メインキャストの紅一点、京の遊郭の遊女・薄雲役の倉持は「緊張しているんですけれども、セクシーに華を添えられれば」、豊臣秀吉役の窪寺は「長いお髭がチャームポイントです、よろしくお願い致します(笑)」と、それぞれ語った。
脚本・演出を手掛けたきだは「今回は、漫画を舞台化するというよりは、大河ドラマを舞台でやるような気持ちで作らせていただきました。おそらく、2.5次元作品史上、最も骨太な作品になっていると思います」と並々ならぬ意欲を見せ、「女性ファンだけでなく、男性ファン、時代劇ファンと、いろんな方に観ていただきたいと思っています。ぜひ劇場へいらしてください」と呼びかけた。
時は戦国時代、上杉家の軍師・直江兼続(猪野)は、従者・茂助(志村)や忍び・次郎坊(早乙女)らと共に、命を賭して上杉家の名手・上杉景勝(伊藤)に仕えていた。ある時、遊郭で琵琶を奏でるある男と出会う。その男こそ、天下一の傾奇者にして、伝説のいくさ人・前田慶次(鍵本)。通じ合うものを感じた二人は、次第に“義”で結ばれた莫逆の友となっていく。そんな中、時の関白である豊臣秀吉(窪寺)による佐渡攻めの謀略が動き出す。さらに、兼続の出生にまつわる秘密を悟った徳川家康(ブラザートム/天宮)も画策し始める・・・。
猪野と鍵本、二人の座長の対象的な熱さが、物語を引っ張っていく。猪野は短期間の稽古ながら、直江兼続の忠義に熱く知略に長けた直江兼続を作り上げた。一つ一つの美しい所作と、眼差しに込められた力強さが印象的。一方、鍵本は佇まいに天性の華を感じさせる。それが、相手が誰であろうとおもねることなく傾いてみせる前田慶次の“傾奇者”ぶりを上げていた。“義”という、目には見えない深い繋がりを得た男たちの生き様を、ぜひ劇場で。
舞台『義風堂々!!』は、11月17日(金)から11月26日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、12月9日(土)・12月10日(日)に大阪・大阪メルパルクホールにて上演。
【公式HP】http://www.gifuu-stage.com/
(C)原哲夫・堀江信彦・義風堂々/NSP2008 (C)舞台「義風堂々!!」実行委員会
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)