2017年10月25日(水)から11月3日(金・祝)まで開催される第30回東京国際映画祭。この映画祭で毎年好評となっている『歌舞伎座スペシャルナイト』が10月26日(木)に実施されることになり、市川海老蔵による舞踊「男伊達花廓」(おとこだてはなのよしわら)が披露されることが発表された。また、第7回カンヌ映画祭でグランプリ、第27回アカデミー賞で名誉賞と衣裳デザイン賞を受賞した名作『地獄門』が4Kデジタル復元版、英語字幕付きで上映されることも決定した。
【舞踊「男伊達花廓」あらすじ】
主人公・御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)は江戸一番の男伊達。五郎蔵が向かうのは吉原仲之町。この廓へやって来たのは、恋人の傾城から文が届いたゆえ。その傾城との馴れ初め、折々に交わす逢瀬の様子を踊りで見せて行く。折からそこへ現れたのは五郎蔵に遺恨を抱く男伊達たち。隙をついて打ちかかるが、これを難なく退け、恋人の許へと向かうのだった。
海老蔵は、東京では初の上演となるこの舞踊について「『御所五郎蔵』という河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の世話狂言を元にしまして、侠客としての粋な風情や心意気、恋人のもとへ通う男の色気を描きました舞踊です。華やかさあふれる歌舞伎の様式美をお楽しみいただけることと存じます」と見どころを解説。そして「『歌舞伎座スペシャルナイト』には毎年国内外から多くの方がいらっしゃるとうかがっておりますので、今からとても楽しみにしております。歌舞伎に初めて触れる方をはじめ、日本の伝統文化の素晴らしさを世界へと伝えることができれば嬉しく思います」とコメントしている。
そして映画『地獄門』は、日本映画の巨匠・衣笠貞之助が監督を務めた1953年の作品。出演は長谷川一夫、京マチ子、山形勲ら。当時カンヌ映画祭審査員長であったジャン・コクトーが「これこそ美の到達点」とまで称賛し、日本初のイーストマン・カラー作品として、大映第一回天然色映画として公開された。執念の恋に燃える愛欲の業火。源平盛衰の絵巻を背景に繰りひろげられる人間愛憎の姿を描いている。
第30回東京国際映画祭プレゼンツ『歌舞伎座スペシャルナイト』は、10月26日(木)に東京・歌舞伎座にて上演される。チケットは、9月22日(金)10:00より販売開始。
『地獄門』 (C)KADOKAWA1953
(「男伊達花廓」撮影/安井信介)