2016年10月14日(金)に東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて舞台『墓場、女子高生』が開幕した。本作は、2015年10月に上演された『すべての犬は天国へ行く』(脚本はケラリーノ・サンドロヴィッチ)に続き乃木坂4が本格舞台に挑む演第2弾。初日前に囲み会見と公開ゲネプロが行われ、乃木坂46の伊藤純奈、伊藤万理華、井上小百合、斉藤優里、新内眞衣、鈴木絢音、能條愛未、樋口日奈が登壇した。
本作は、数多くの舞台、ドラマ、映画で知られる脚本家・演出家の福原充則の傑作戯曲。“死者との決別”を題材に、自ら命を絶った友人への思いを抱え、墓の近くで授業をサボっていた合唱部の女子高生たちが起こす“とある行動”から展開する物語を描く。
今回、劇団鹿殺しの丸尾丸一郎による演出のもと、乃木坂46の演劇精鋭メンバー4名と個性派メンバー4名が、みのすけ(ナイロン100℃)、加瀬澤拓未(劇団ロリータ男爵)、柿丸美智恵、お笑い芸人のもう中学生と共に、その傑作戯曲に挑む。
囲み取材では、まず、死んでしまった女子高生・日野を演じる伊藤万理華が「死後の世界は誰もが体験したことないので、どう演じたらいいか戸惑った部分もありましたが、演出の丸尾さんが『分からないからこそ自由にできる』と言ってくださったので、肩の荷が降りました。本番でも、楽しくてユーモラスな幽霊の世界をお見せできると思います」と意気込んだ。
斉藤は、生と死を扱う作品について「生と死、それぞれの部分に落差をつけて、エネルギッシュにがんばりたいなと思っています」と思いを明かした。
本作は女子高生たちによる会話劇だが、24歳の新内は「女子高生になるのが久しぶりなので、キャピキャピ感が足りなくて(笑)。落ち着いてしまっていたので、女子高生の動画を見て勉強しました」と役作りのエピソードを披露。
そんな新内に対して“リアル女子高生”の伊藤純奈は「みんながはしゃいでいる時も、一歩引いてニコニコ見守ってくれているんです。でも(その落ち着きは)演じる役的にも、合っているんじゃないかなと思います」とコメント。同じく“リアル女子高生”である鈴木も「確かに、今時の女子高生感はないかもしれないですけど、こういう女子高生も全然アリかなと思います」と同調した。
演じる上で「“乃木坂らしさ”を拭うのが難しかった」という樋口。「一つ一つ(の所作)が丁寧になってしまって、何も気にしない女子高生を演じるのが難しかったです。全員で振り向くシーンでは、演出家の方にジャケット写真みたいだと言われたのが印象に残っています(笑)」と稽古を振り返った。
“乃木坂らしさ”との違いについては、井上も「お芝居の中で、色々とおもしろいワードが出てきます。シリアスなシーンで、純奈がアイドルでは言えないような“ある言葉”を言うんですけど、それがすごくおもしろいです。他の役にも、ファンの方がビックリするような台詞があるので、そこもお楽しみです」と、見どころとして挙げていた。
最後に、能條が「それぞれ皆が、なるべくしてなった役だと思っています。演じていて違和感がなく、皆のおかげで自分もさらに役に入り込めるので、本当にこの8人で良かったなと思います!」と、チームワークのよさを垣間見せていた。
舞台『墓場、女子高生』は10月22日(土)まで東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて上演。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)