2016年6月25日(土)から上演される、DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS『FLAMENCO CAFE DEL GATO~フラメンコ・カフェ・デル・ガト~』。公演に先駆けて、都内の稽古場にて公開稽古が行われ、BAD GIRLSの4名である湖月わたる、水夏希、緒月遠麻、原田薫、そしてFLAMENCO BOYSの大貫勇輔が登壇した。
本作のフラメンコ構成・演出・振付は、世界トップクラスのフラメンコ舞踊団「マリア・パヘス舞踊団」のホセ・バリオス。スペイン・フラメンコ界で最も権威のある2015年度「フラメンコ・オイ賞」男性舞踊家部門の最優秀賞を受賞した話題の人物だ。
公開稽古冒頭に、バリオスから「第1幕はカフェ・デル・ガトという、カフェの中で起きる愛と悲劇のストーリー。ダンスはもちろん、演出・演技も高度な内容となっています。第2幕は私の生まれ故郷であるアンダルシア地方の文化、生き方、そして何よりもフラメンコをご覧頂けると思います」と、本作の説明があった。
そして公開稽古がいよいよスタート。まずACT1 M1の「GALLARDO」と、M2「Carmen Overture」の群舞が披露。ダンサーたちはメディアの目前まで迫り、フラメンコの靴音でリズムを打ち出すステップである“サパテアード”はまさに圧巻。
そのステップについて、原田は「曲のリズムの取り方に最初は苦戦しました。フラメンコのイメージは上体の動きが印象的で、そのイメージが強かったのですが、サパテアードにとにかく苦戦しました」と難しさを語った。
大貫からは「フラメンコは8カウントではなく12カウントでできているため、最初になじむまでが難しかったです。また、当初のイメージと本場のフラメンコはだいぶ違っていて、ポップスでフラメンコを踊ったり、現代的に変化しています。ホセさんから『どんどん自由にしていいんだ』と言われて、それも意外でした」と、フラメンコのイメージについても語った。
また、水は「見つめ合ったまま、手の動きで相手と会話しているような、今までにないデュエットの会話の仕方にドキドキときめきながら、大事に踊っています」と、公開稽古で披露されたデュエットシーンについてコメント。
続いて、ACT1 M4「Yo solo quiero caminar」のシーン。スペイン・ダンサーたちを中心としたエレディア3兄弟が踊り出し、姉妹の長女が闘牛士に興味を示し色目を使い始めるシーンが公開。このスペイン・ダンサーたちについて、緒月が「今回のスペインチームだけのフラメンコのシーンがあるんですけど、自分も出演していながら、観客の一員になれているのが嬉しいです」と発言。スペインから招聘されたベテラン・フラメンコダンサーも、本公演を盛り上げるに違いないパフォーマンスを披露していた。
そして公開稽古のラストはACT2 M6「FLAMENCO JAZZ」。フラメンコ・ジャズが流れる中、BAD GIRLSの4名が、衣装をパンツスタイルに変更し、男役を彷彿とさせるシーンを披露。水が「伝統的なフラメンコはちょっと難しいようなイメージがあると思うんですけど、今回の舞台では、第1幕はストーリーがあって、第2幕は場面ごとにスペインを旅するようなショーアップされたシーンが続くので、より見やすくなっています。『フラメンコってこんなに気負いもなく楽しめるのか』と分かる、何も難しいことを考えずに楽しんでもらえる作品です」と語るように、普段はフラメンコになじみのない日本人でも楽しめるだろうワンシーンであった。
最後に、今回の公演の魅力として、湖月から「フラメンコに興味がなかった方も見て頂くと、フラメンコの魅力として、言葉ではなく、ステップの振動のような体からほとばしるエネルギーを感じて頂けると思います。自分の思いを足に踏み入れたり、上半身の動きに取り入れたり、フラメンコならではの世界となっています。私たちがコラボしたことで、日本人の方にも分かりやすく、なじみやすいフラメンコの世界になっています」と語られた。
スペイン・マドリッドでの1か月におよぶ稽古から今月13日に帰国したばかりのキャストにより披露された迫力ある公開稽古からも、本公演はフラメンコの本場の情熱と雰囲気漂う内容となりそうだ。
DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS『FLAMENCO CAFE DEL GATO』は、2016年6月25日(土)・6月26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。
(撮影・文/櫻井宏充)