2016年7月1日(金)よりシアタークリエにて開幕するミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。日本人キャストによる上演が発表され大きな話題となっている本作の記者会見が先日都内で開かれ、演出を務める藤田俊太郎と、ザ・フォー・シーズンズのメンバーを演じる中川晃教、藤岡正明、中河内雅貴、海宝直人、矢崎広、福井晶一、吉原光夫の8人が登壇した。
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『ジャージー・ボーイズ』は、60年代に数多くのヒット曲を生みだしたフランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズの栄光と挫折、そして再生の物語を描いた作品。2005年にブロードウェイで初演され、2014年には名匠クリント・イーストウッド監督によって映画化もされている。
「震えるほど素晴らしいスタッフ、キャストの皆さんと仕事が出来ることをとても嬉しく思っています。決定版と呼べるような『ジャージーボーイズ』を作っていきたい」と挨拶した藤田は、「せっかくこのメンバーでやれるので映画とは違うものにしたいです。日本人キャストが演じるからこそ、日本人のお客様が作品に入っていけるような構造を用意しようと思っています」と演出のアイデアを明かした。
「RED」と「WHITE」の2チームに分かれて上演される本作で、唯一両チームの公演に出演するフランキー役の中川。「僕にとってはチャレンジしていく作品になるのかなということと、コーラスグループを描いた作品なので、全員で感動の渦のなかに行けるようにみんなで力を合わせて頑張っていきたい」と心境を明かしたほか、「信頼できる仲間がいる、そして夢をあきらめず青春を追いかけていけるところ」と、役との共通点を挙げた。また、劇中の歌で用いられる独特の歌唱法“トワング”についての質問では、これを実際に披露し会場を沸かせていた。
続く藤岡は、「今回が日本初演ということですが、今後も再演、再々演とずっと続いていく作品になるのではないかと。日本のスタンダードミュージカルの新しい誕生の瞬間だと思っています」と期待を覗かせた。藤岡とWキャストでトミー役を演じる中河内は「初心に帰って、皆さんと一緒にいいものを作っていきたいと思います。演出の藤田さんに全力でついていくだけなので、しっかりと頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。
やや緊張気味にも見えたのは、グループ最年少・ボブ役のWキャストを務める海宝と矢崎の二人。「この作品は、既存のアーティストの楽曲を使ったミュージカルの中でも珍しくそのアーティスト自身を描いた作品。なので音楽の部分なども深く掘り下げて、こだわって演じていけたら」と海宝が語り、矢崎も「ジャージーボーイズは、本国でも愛されているアーティストですし、ブロードウェイ化もされ、映画化もされました。世界各地にジャージー・ボーイズがいるなかで、その一員になれる事をとても光栄に思います」と喜びを語った。
「最初にこのお話を頂いた時に、年齢的に僕はフォーシーズンズのメンバーじゃないんじゃないかと思った」と笑ったのはニック役の福井。「この4人の中に入れて頂いてとても光栄に思っております。日本のミュージカルを担う若者達を一緒にこの新しい作品を作る喜びを感じています」と、最年長キャストらしいコメント。
福井とともにニック役を演じる吉原は、本作を「ありそうでなかった作品」と評した。自身が所属するチームREDについては「この男らしいメンツは仲がよいのか悪いのか分かりませんが、どちらの方向に進んでも良い作品になると思います」と語り、役柄についても「以前までは中河内とか藤岡みたいなスタンスのつもりでいたんですけど、さっき中川くんに『胸を貸していただいて・・・』とか言われたように、そういう年齢になってきたんだなというのを最近実感しています」と、自分と重なる部分を感じているという。
また中川によると、この日に行われたプロモーションビデオ撮影では「WHITEチームはとってもポジティブに前向きに楽しく、REDチームは文句も言いながら、やるときはちゃんとやる」という様子だったそうで、早くも両チームのカラーが出てきているようだ。
どちらのチームの公演も気になるミュージカル『ジャージー・ボーイズ』は、2016年7月1日(金)から同月31日(日)まで、シアタークリエにて上演される。