ブロードウェイの名作とも呼ばれ、トニー賞にもノミネートされた『スーベニア』SOUVENIR〜騒音の歌姫〜。100年前に実在した、フォローレンス・フォスター・ジェンキンスという類い稀なソプラノ歌手と、その彼女を支えた人々の友情を描き、多くの観客を感動させた本作の日本初演が、三田佳子主演で上演される。初日となる2016年2月19日(金)には公開フォトコールが行われ、三田、SiX TONESの京本大我、相川七瀬が囲み取材に応じた。
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本作は、46歳にして、子どもの頃から夢みた歌い手としての人生に目覚め、76歳まで歌い続けたフローレンス・フォスター・ジェンキンスの半生を描いた感動の物語。オペラの名曲のほか、日本版オリジナル楽曲をちりばめ、ジェンキンスを三田が、彼女をサポートする若きマネージャーのディークを京本が演じる。
三田演じるジェンキンスは、“音痴”のソプラノ歌手という設定だ。劇中では音を外しまくった「夜の女王のアリア」を歌い、観客を笑わせるとともに、ジェンキンスという人物の魅力を存分に伝える。三田は、「(音痴に歌うのは)難しい。私もそんなに上手じゃないけれど、正しい音になっちゃうんで、普通じゃない音で歌うのは・・・。今日は緊張のあまり上手になっちゃったの。夜(本公演)はもっとうまく外れるといいな」と意気込んでおり、その“音痴”具合にも、ぜひ注目してもらいたい。
一方、京本演じるディークは、ジェンキンスに魅了され、恋心を抱くようになっていく。京本は、自身の恋愛観を聞かれると、「年上の女性もウェルカム。幅広く恋愛をしていきたいと思います」と笑顔で語る。さらに、「舞台でハグを何回か(三田さんから)していただくんですが、多すぎるから減らすということになり、シュンとしちゃいました。その代わり、手の甲にキスしていただくシーンもありますので、恋心も見どころとして見ていただきたいです」と笑顔で明かした。
また、京本の父親である京本政樹から、演技に対するアドバイスを受けたかを聞かれると、「時代劇は聞いたりすることもあるんですが、今回は自分の力でやってみようかなと。台本を自分なり解釈してやりました。父も(公演で)初めて見ることになるので、どういう反応やダメ出しがあるのか楽しみです」と話した。
本作では、ストーリーソングス・テラーとして、各回替わりで、相川をはじめ、因幡晃、加藤いづみ、木根尚登、ゴスペラーズ、ジェロ、Chage、中川晃教、新妻聖子、米倉利紀といった豪華アーティスト陣が登場し、思い出の曲などを披露して舞台を盛り上げる。この日のフォトコールでは、相川が坂本九の「見上げてごらん夜の星を」と自身の思い出の曲である「恋心」を熱唱した。
相川は、「気持ちを込めれば込めるほど、正しい音程にならなかったりするときもあるんです。でも、そういう音程が外れちゃったなってステージほど、良かったと言われるんです。上手く歌えるってこととお客様が感動するっていうのは違う種類のものなんじゃないかなと思います。気持ちを伝えることや思いは、上手く聞こえる起爆剤」と、ジェンキンスに通じる音楽観を語った。それを聞いた三田は「それこそが(本作の)テーマそのものだと思う」と共感を示していた。
ブロードウェイ トニー賞ノミネート(最優秀女優賞)作品『スーベニア』SOUVENIR〜騒音の歌姫〜は、2016年2月19日(金)から3月6日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、3月9日(水)・3月10日(木)には大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。