2015年6月20日、ルーマニア・シビウ市で開催された第22回シビウ国際演劇祭にて、まつもと市民芸術館芸術監督を務める俳優・演出家の串田和美が「シビウ・ウォーク・オブ・フェイム」を受賞した。同日、タリアホール(Sala Thalia)で行われたセレブリティ・ガラで同賞の授賞式が行われ、その模様はルーマニア国立放送で生中継された。
6月12日~21日に行われたシビウ国際演劇祭は、フランスのアヴィニオン、イギリスのエディンバラに次ぐヨーロッパ3大演劇祭の一つと言われ、今年で22回という長い歴史を持つ国際演劇祭。参加国は70か国以上にのぼり、開催期間10日間で公演数は350を超え、街中が演劇一色に染まるという。この演劇祭には、これまでに日本からも野田秀樹や野村萬斎など、名だたる演劇人が参加している。
「シビウ・ウォーク・オブ・フェイム」とは、ハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに着想を得て、2013年より始まった舞台芸術の分野に功績のあった人物を表彰する賞。現在のラドゥ・スタンカ劇場から建設予定の新劇場への歩道に星型のネームプレートが埋め込まれる。過去の受賞者にはアリアンヌ・ムヌーシュキン、シルヴィウ・プルカレーテ、ピーター・ブルックなど。日本では2013年には故十八代目中村勘三郎も受賞している。
今回、串田はルーマニアに約2か月滞在し、6月13日に、ルーマニア人キャスト、スタッフとともに制作した『幽霊はここにいる』(安部公房脚本・ラドゥ・スタンカルーマニア国立劇場レパートリー作品)、6月14日には、自身がタイトルロールを務める代表作『スカパン』(モリエール原作・まつもと市民芸術館制作)を連続上演した。また、6月15日には、シネマ歌舞伎『三人吉三』(中村勘九郎、中村七之助主演・串田和美演出)も上演されるなど、演劇祭の顔となった。
今年9月の『スカパン』凱旋公演のほか、10月にはラドゥ・スタンカ劇場公演『オイディプス』『ガリバー』が日本に招聘(東京芸術劇場・まつもと市民芸術館)される予定もあるとのこと。続報に期待したい。