9月29日(月)から、東京芸術劇場プレイハウスにて『小指の思い出』が上演される。東京芸術劇場は2009年芸術監督に野田秀樹を迎え、その優れた戯曲を気鋭の演出家の手によって上演するシリーズに取り組んでいる。2010年に第一弾として松尾スズキ演出による『農業少女』を、2014年2月には第二弾としてマルチェロ・マーニ演出による『障子の国のティンカーベル』を上演したが、今回は第三弾の取り組みとなる。
★2015年1月10日(土)21:00から、WOWOWライブで放送決定!★
『小指の思い出』は、野田が学生時代に旗揚げした劇団「夢の遊眠社」にて1983年に初上演された作品。
物語は、車にわざとあたって金をせしめる「当たり屋」を生業とする赤木圭一郎と粕羽聖子を巡る現代の物語と、ニュールンベルグの魔女狩りで地下牢に幽閉された少年カスパー・ハウザーの中世の世界が交錯しながら展開する。
美しい詩的イメージに満ちたセリフや、時間・空間が交錯する複雑な構成など、初期の野田戯曲の特徴が顕著に現れている。
本公演で演出に挑むのは、「マームとジプシー」主宰の藤田貴大。象徴するシーンのリフレインを多角的に見せる映画的手法や独特の身体表現など、これまでにない舞台表現で注目される若きホープである。藤田が自作の戯曲以外を演出するのは、これが初めてとなる。
出演者には、『あまちゃん』の前髪クネ男役で強烈なインパクトを残した勝地涼、自らも演出家で多彩な表現者でもある飴屋法水、マームとジプシー旗揚げメンバーである青柳いづみ、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍する松重豊など、独特の存在感を持った役者が顔を揃える。藤田の演出と実力派の俳優たちが、若き日の野田戯曲をどのような意外性で魅せるのか。
『小指の思い出』は、9月29日(月)から10月13日(月・祝)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。