2024年12月10日(火)に東京・神田明神にて、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs 比嘉のヒット祈願と記者会見が行われ、青学(せいがく)キャストから越前リョーマ役の竹内雄大、手塚国光役の寺田友哉、大石秀一郎役の藤本力翔、比嘉キャストから甲斐裕次郎役の益川和久が登壇した(なお、登壇予定だった木手永四郎役の二階堂心は体調不良にて欠席)。
テニミュ史上初、4度目の全国大会成功を願って
2003年の始動から21年にわたり、2.5次元ミュージカルの金字塔として、今もなお進化を続けるミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)。テニミュ4thシーズンの6作目となる今作では、中学テニストーナメントの関東大会を勝ち抜いた青学(せいがく)が、沖縄のダークホース・比嘉に挑む、全国大会の緒戦が描かれる。
テニミュにとって4度目となる全国大会を、これまで以上に活気に満ちた公演にするべく、創建から1300年目を迎える令和12年へ向けて「文化の鼓動を生む」を合図に「創建1300年記念事業」を展開しており、近年は夏の風物詩「神田明神納涼祭り」にて「アニソン盆踊り」を行うなど、エンタメとの親和性が高い神田明神にて、テニミュ史上初となるヒット祈願を行う事となった。
【会見レポート】祈祷を終えた竹内雄大らが公演に向けて気合いを高める
記者会見前に神田明神で公演のヒット祈願を行ったという4名。祈祷を終えた竹内は「初めての経験だったので緊張しましたけど、いよいよ公演が始まるんだなっていうワクワク感も芽生えてきて、とても楽しみになりました」と開幕が待ちきれない様子を見せていた。
寺田も「今日ここにはいないキャストの分の気持ちも背負って、ご祈祷を受けさせていただきました。これから始まる新しい物語、僕たちの初めての公演について、いいスタートを切れるようにと心に刻んで稽古に臨みたいです」と気を引き締めていた。
祈祷が初体験だったという登壇者たちは、口々に緊張したとコメント。そんな中でも、竹内は寺田と藤本から祈祷の手順などを間違っていたと暴露されると、「お辞儀の角度が難しくて、なんか僕だけめっちゃ下がっちゃったりとかしちゃいました」と答え、はにかんでいた。
現在、稽古中ということで、会見の話題がどんな気持ちで稽古に臨んでいるかという話になると、竹内は「お披露目会を終えて、僕たちもいろいろな課題とかが見つかって、より高いモチベーションで稽古に挑めています」と充実感をみなぎらせていた。
期間中は常に1日1回台本を読むようにしているという寺田は「昨日は気づかなかったことが今日は気づけたりと新しい発見があるので、常に台本は読むようにしてます。キャラクターの絡みでこういう角度で見ると違う感情が湧いてくるなとか、いろいろ発見があります」と語った。
さらに藤本が「僕たちのスローガンの一つに“青春”というものを掲げているんですけど、みんなでいいものを作ろうと一つになってやっている感じが、本当に“青春”という感じで、日々この中学生と一緒の青春を送れているなと思いながら稽古してます」と思いを打ち明けた。
比嘉キャストたちの稽古における雰囲気について、益川は「比嘉のみんなは歌だったりダンスだったり、あとお芝居も気合がめちゃくちゃ入っています。あと休憩中のボケだったりツッコミも全て本気でやってしまうので、稽古がある日はもう最後まで持つかなとか思ったりするんですけど、みんなすさまじい集中力の持ち主なので、最後まで集中しながらちゃんと稽古できています」とアピールしつつ、「比嘉のキャストたちみんながボケなので誰もツッコめなくて、みんなボケちゃう」と明かして、笑いを誘った。
今作の見どころについて、竹内は「やっぱり僕と田仁志くんとの試合を見てほしいです。僕がどうやって田仁志くんみたいな強靭な男の子に挑むのか。僕がリョーマくんのかわいいところとか、そういうところもどうやって出すかとか、いろいろ試行錯誤してるので、ぜひ見てほしいです」と挙げ、「リョーマくんの田仁志くんに対する生意気な姿勢とかはどうやって出すかとかは、常にいろんな引き出しを持って稽古に挑んでます」と役作りについて語った。
寺田は「全国大会ということで、青学(せいがく)のメンバー全員がパワーアップして再集結となっているので、その各々のパフォーマンスだったりの進化したところを見ていただきたいです」と手塚部長らしく部員全員についてアピール。
藤本は、大石が今回の全国大会が始まるまでの関東大会決勝まで、怪我の手塚の代わりに部長代理として部を引っ張ってきたことを説明しながら、「その中でも手塚部長との約束である全国大会出場というのを果たして、さらに青学(せいがく)みんなもレベルアップして、手塚部長もレベルアップして帰ってきて、手塚を加えた本当に強くなった青学(せいがく)というのを全国大会での戦いで見ていただけたらなと思います」と訴えた。加えて、役作りについて「部長代理としての経験とか、そこで悩んだこととかで、部長と大石との関係だったり、その絆だったりっていうのはすごく研究しました」と苦労を語った。
益川は「甲斐くんは右手と左手を使いこなす男なので、ダンスの振りの時やお芝居でラケットを持ち替えるところとかを意識しています」と見どころを解説。
そして、比嘉が沖縄の学校ということで方言に関しても、「沖縄言葉の先生がいて、ちゃんと話し方だったりイントネーションを教えていただいてるんですけど、この前、指笛を教えていただきました。最近は稽古場でピューピューなり響いていて、そういう沖縄の文化も取り入れながら頑張りたいです」と指導を受けていると明かした。
その流れで、司会者から指笛の実演をお願いされた益川だが、「比嘉キャストの中で唯一指笛ができない男なんです」とまさかの告白に会場も爆笑に包まれ、改めて「もっと練習しなきゃ。本番までには頑張ります」と苦笑しながらも意気込んだ。
続けて益川は、青学(せいがく)に負けないこととして、登壇者の中で唯一タンクトップ姿であることから、「このアツさですかね。タンクトップですからね。ジャージを着てないし、やっぱりアツさが違うかなって思います(笑)」と答えたが、竹内たちから「さっき、めっちゃ寒いって言っていた」とバラされて、会場から笑いが起こった。
そんな益川のアツさに対して、竹内は稽古場エピソードとして、「いろいろ熱い思いをさらけ出しあって、それでみんなで泣きながら、『よし切り替えていこう!』って円陣組んで稽古をしています」と披露。アツい青学(せいがく)のエピソードに、益川は「アツいですね」と認めながらも、「でも、まずは形から入らないといけないんで。タンクトップを着てない時点でダメですね」とダメ出しをすると、再度会場は笑いに包まれた。
最後に、登壇者たちからメッセージが送られた。益川は「本公演ではもうアツアツの舞台をお届けしますので、皆さん日焼けしないように日焼け止めを塗ってご来場いただきたいと思ってます」とアツさ全開でコメント。
藤本は「僕たちの青春の1ページをぜひ劇場で足を運んで見届けてくださると嬉しいです」と期待を寄せ、寺田は「進化した新しい青学(せいがく)をぜひ楽しみに待っていてください」と呼びかけた。
そして、竹内が「全国大会の幕開けがしっかりできるように、僕たちも稽古に励んでいますので、皆さん、ぜひ劇場に足を運んでご観劇いただけたら幸いです」と会見を締めた。
そして、会見を終えた登壇者たちは、爽やかな青空の下、神田明神をバックにヒット祈願の祈祷木札を持って、公演に向けて気合いを高めていた。
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs 比嘉は、2025年1月11日(土)から1月19日(日)まで東京・日本青年館ホール、1月25日(土)から2月2日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、2月8日(土)から2月15日(土)まで東京凱旋公演として東京・TACHIKAWA STAGE GARDENにて上演される。
(C) 許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
(取材・文・撮影/櫻井宏充)