2024年11月1日(金)に東京・日本青年館にて、舞台『鴨乃橋ロンの禁断推理』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと取材会が行われ、W主演を務める岸本勇太と野嵜豊のほか、馬場良馬、石井陽菜、田上真里奈、土生瑞穂、佐々木喜英、鈴木拡樹が登壇した。
天野明による本格的ミステリー漫画「鴨乃橋ロンの禁断推理」を舞台化
原作の「鴨乃橋ロンの禁断推理」は、大人気作品『家庭教師ヒットマンREBORN!』の著者・天野明による本格的ミステリー漫画 (集英社「少年ジャンプ+」連載)。ある事件をきっかけに探偵として致命的な欠点を抱えた訳ありの天才探偵・鴨乃橋ロンと、ピュアでマヌケな熱血刑事・一色都々丸の凸凹コンビが、難事件の謎を解き明かしていく。
2023年秋にはアニメ『鴨乃橋ロンの禁断推理』が放送され、現在2nd seasonが放送中だ。
舞台『鴨乃橋ロンの禁断推理』のキャストは?
主人公・鴨乃橋ロン役にミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、『家庭教師ヒットマン REBORN! the STAGE』シリーズなどで知られる岸本、もう一人の主人公・一色都々丸役の野嵜は、『あんさんぶるスターズ!オンステージ』以来約6年ぶりに2.5次元舞台に出演となる。
このほか、ロンがかつて通っていた探偵養成学校BLUEの追跡学教官・シュピッツ・ファイア役を馬場、トトの先輩・雨宮役を石井、脳手術において天才的な腕を誇る脳神経外科医・卯咲もふ役を田上、史上最悪の犯罪一族でロンたちと敵対する・モリアーティ家(通称:M家)の第四子ウィンター・モリアーティ役を土生、第一子で現当主のマイロ・モリアーティ役を佐々木、殺人事件の検挙数で全国トップを誇り、雨宮のライバル的存在の敏腕刑事・翡翠臣疾役を鈴木、翡翠の相棒・山根を中島大地、ロンの恩師で探偵養成学校BLUEのクローズドサークル学教官・ジョン・グリズリー役を和泉宗兵が演じる。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』舞台版はコメディ要素増し増し!
開幕を迎えるにあたり、岸本は「1ヶ月の稽古期間中、全員が常にチャレンジしながら作りました。すごく自信のある作品になっていると思います。ぜひ楽しんでください」と挨拶。
野嵜も「ここまで支えてくれたキャスト・スタッフの皆様、そして応援してくださる皆様への感謝を舞台で表現して届けていきたいです」と続いた。
本作品が初共演となる岸本と野嵜。バディとして稽古をする中で「稽古に臨む姿勢などを助言いただき、お兄さんだと思って背中を追いました」と野嵜。一方、自らの性格を「納得できるまでやり通したいタイプ」という岸本は、「(野嵜が)こうしたい、という点を自発的に提案してくれたんですね。そういう役者同士のコミュニケーションが関係性の基盤になっていると思います」と語った。
馬場は「真剣に取り組みながら少しでも面白くなるよう、みんなで稽古を積み重ねました。本番を通してお客様にカンパニーの楽しい雰囲気を共有していきたいです」と意気込む。また、自身と演じるキャラクターが外国人ということもあり、「衣装に着替えると挨拶も『オッハヨーゴザイマース!』みたいに外国人風になってしまって(笑)」と明かし、場を和ませた。
石井は、本作品について「コメディ要素がかなり付け足されて、かなり見やすくなっている作品になっています」と解説。自身の役については「雨宮は喜怒哀楽がはっきりしたキャラクターで、私も自分の感情を隠さず表現することが多いので、その点が似ていると思います」とコメントした。
田上は、稽古場のエピソードについて「(野嵜の)慌てっぷりが完全にトトで。みんな癒されていました」とコメント。自身の演じる卯咲も相当おっちょこちょい(?)だが、「私もいたって真面目にがんばってっているんですが、軽いおっちょこちょいが多いので親近感が湧いています」と語った。
元櫻坂46の土生は、本作が初の2.5次元舞台への出演。本番を迎えるにあたり「演じる側として、何度もお稽古場で見てきたんですけど、毎回ハラハラドキドキさせられています。皆さんの足を引っ張らないようにがんばりたいと思います」と意気込んだ。また、ウィンターという役については「アクセサリーやピアスの数が多くて、毎回セットが大変なんです(笑)」と裏話を打ち明けた。
佐々木は、「モリアーティ家の登場がどれぐらいあるか心配している方もいらっしゃるかと思うんですが、オリジナルの脚本となっていますので、モリアーティ家の日常のようなシーンも楽しんでいただけるのでは」と解説。また「今回はチェスのシーンがあり、芝居するにあたって1からチェスの勉強を始めたら非常にハマってしまい。そこのシーンも楽しみにしていただきたいです」と明らかにした。
すると、鈴木も役に影響された部分があたったかもしれないと振り返り、「“ピンセット指導” をする翡翠臣疾は、何でも細かいんですよね。僕はあまり一歩前に出て指摘をするタイプではなかったんだけど、今回、場当たりとかで『ここ気になるな・・・』とかやっていて(笑)。役に引っ張られていたのかもしれないです」と笑った。キャラクターの個性が、細かな部分に影響を与えているようだ。
また、鈴木は作品の構造がいくつかの事件ごとに場面が構成されていると明かし、「それぞれの場におけるコントラストの違いあって、僕も通し稽古を観て驚きがいっぱいでした。劇場ならではの高揚するような推理シーンを楽しんでいただきたいです」と見どころを挙げた。
最後に、原作ファンに注目してほしいポイントについて、岸本は「生身の人間が舞台で演じるからこそ挑戦できるところを楽しんでほしいです」とコメント。そして、野嵜は「舞台ならではの臨場感、そして生演奏で表現される舞台上の気持ち動きを感じていただきたいです」と会見を締めくくった。
ゲネプロレポート:オムニバス式で繰り広げられる本格推理劇
探偵養成学校BLUEで天才と称された学生、鴨乃橋ロン。彼は、5年前に勃発したある事件をきっかけに探偵として致命的な欠陥を抱えていた。探偵行為を禁じられたたロンは、失意のどん底に堕ち、退屈な日々を過ごしていた。
そんなロンの元に、ある日警視庁捜査一課の刑事・一色都々丸(通称:トト)が連続殺人事件の捜査協力を依頼するために訪れる。ロンの苦悩を理解し、純粋で真っすぐな性格で彼を支えると宣言するトトの姿に感銘を受けたロンは、トトと共に事件解決へと乗り出す。
トトと共に数々の難事件を解決する中で、ロンはBLUEの追跡学教官で彼の「探偵行為」を疑うシュピッツ・ファイア、やや荒い性格をしたトトの先輩・雨宮、鋭い洞察力を持つ超敏腕刑事・翡翠臣疾、日常生活では不器用な脳神経外科医・卯咲もふなどと出会い、トトの“頭脳”としてその手腕を発揮する。
そんな中、ロンとトトは南暖島で開催される流星群の鑑賞会に招待される。2人が島に訪れると、招待客にBLUEのクローズドサークル学教官・ジョン・グリズリーの姿が。そして、事件の裏では史上最悪の犯罪一族・M家のマイロ・モリアーティ、ウィンター・モリアーティが暗躍していて・・・。
映像投影や回転舞台を駆使し、数々の事件がステージ全体で表現されていく。また、舞台でピアノとヴァイオリンによる生演奏が行われ、推理シーンをはじめ、ストーリーに臨場感を与えていた。
ロンを演じる岸本は、常に真実を追求する風変わりな天才探偵を好演。そんなロンの一挙一動に振り回されるトトを野嵜が演じ、2人の軽快なやり取りを通して、バディとしての絆や関係性の変化が感じられる。
事件の捜査が進む場面では、ミステリー要素に加え個性豊かなキャラクター同士のクスッと笑えるやりとりも随所で楽しめる。本作の脚本・演出を手掛ける川尻恵太が得意とする“コメディ”要素も増し増し。生の舞台ならではの掛け合いが光る仕上がりとなっていた。
舞台『鴨乃橋ロンの禁断推理』は11月4日(月)まで東京・日本青年館に上演後、11月9日(土)・11月10日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。
ライブ配信の実施も決定
なお、2024年11月4日(月・祝)12:00公演と東京千秋楽公演となる11月4日(月・祝)17:00公演の2公演がDMM TVでライブ配信されることも決定した。