2024年6月に開業する新劇場「シアターH」。その開業に先駆け、5月28日(火)にオープニングイベントが同劇場にて開催され、株式会社シアターH 代表取締役会長の中山晴喜のほか、総勢11名の俳優が登壇した。
「シアターH」は、新たなライブエンターテイメントの発信基地とし、“HAPPINESS”、“HOPE”、“HARMONY”、“HOSPITALITY”の4つの“H”に思いを込めて、「共感・情感・体感」の感動を届けるために開設された新劇場。
一般の観客を招いてのオープニングイベントでは、総勢11名の俳優によるにぎやかなトークショーや、大人気の2.5次元舞台であるミュージカル『薄桜鬼』、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』の代表曲を、出演俳優が歌唱披露するスペシャルパフォーマンスも実施された。
オープニングイベントは、司会進行を務めるKIMERUが登場し、シアターHを紹介するオープニング映像が流れてスタート。そして、中山会長が挨拶を実施。1997年に株式会社マーベラスを設立して以来、2.5次元舞台を中心に数々の舞台に携わってきた中山は、「2.5次元が演劇業界で確かなポジションを築くことができた一方で、いくつかの問題も起こってきました。中でも大きかったのが、市場拡大に伴う慢性的な劇場不足です」と問題を提起し、そのためにシアターHを作ったと説明。
また、シアターHを作るにあたって「多方面からいろいろなアドバイスを頂きました。客席の配置、楽屋のスペース、物販スペースやグッズのトレーディング場所の確保。音響、照明に関しましても良いスタッフに恵まれて、すごくいいものが作れたと思っています」と胸を張り、さらに「それと、開演時間前や休憩時間にできる長蛇の列を見て、これが1番問題だなと思いまして、今回、女子トイレの数は特にこだわりました」と明かすと、会場から賛同の大きな拍手が起こった。
続いて行われたオープニングトークショーには、中山会長、神里優希、馬場良馬、松井勇歩、和合真一、MCとしてKIMERUが登壇。中山と個人的に仲のいい役者たちと紹介された4人は、それぞれ中山に祝辞を述べながらも、馬場が、観客たちへ「今日からあなたたちはシアターH宣伝隊長としてSNSで『シアターHいいよ!推しの舞台がシアターHで決まってほしいな』といっぱい宣伝してください!」と呼びかけた。和合もおなじみの自己紹介「令和の和に合格の合、真実はいつも一つ!だけど生まれは昭和だよ!\みっえなーい!/和合真一です!」を披露するなど、新たな劇場に登壇者たちも初っぱなからテンションMAX。
そして、シアターHが役者や関係者のアドバイスを多く取り入れているという話から、神里は「今回、劇場を作るにあたって、構想の段階から協力させてもらったんですけど、やっぱりまず座席はオレンジ色でいこうということで、あと女子トイレを増やそうと言ったのも僕なんです」という冗談に、観客も大爆笑。
中山への質問コーナーでは、松井が「普段、もっと気軽に電話してもいいですか?」と会場の笑いを誘う質問を行うと、中山から「それこそ、高崎翔太とか、夜中にかけてくる鈴木勝吾とか、酔っ払ってかけてくる宮下雄也とか、あと、おたくの先輩(同事務所)の平野良とか容赦なくかけてくるので、そこはご遠慮なさらずに、いつでも」と次々とおなじみの俳優の名前が飛び出し、会場も笑いに包まれた。
4人の俳優たちが出演した数々の2.5次元作品を通して、中山との出会いや、様々な中山とのプライベート・トークも飛び出すなど盛り上がりを見せたオープニングトークショーとなっていた。
次に、ミュージカル『薄桜鬼』トークショー&歌唱パフォーマンスでは、土方歳三役の久保田秀敏、藤堂平助役の樋口裕太、風間千景役の佐々木喜英が登壇。トークショーではそれぞれのキャラクターや作品の魅力についてや、4月29日まで上演されていたミュージカル『薄桜鬼 真改』土方歳三 篇の思い出として、公演のダイジェスト映像が流れれる中での生コメンタリーも実施。土方と風間の決闘シーンで、久保田が自身の演じる土方について「たぎってますね。ただ、なぜかカメラ目線(笑)」とコメントし、笑いが巻き起こった。
さらに前回公演を振り返って、樋口は「薄ミュって、クセになるんです。やってる時はつらいんですけど、かっぱえびせんと一緒です(笑)」と、かっぱえびせんの「やめられない。とまらない」をもじって笑いを取ると、「男が大好きなかっこよさが凝縮された作品」と作品の魅力をアピール。佐々木は「土方と戦っていて、くぼひで(久保田)が目の前でボロボロになっていくんですよ。風間としてはぶち殺したい感情なんですけど、佐々木としてはちょっと手数を減らそうかなという優しさがあって。でも、一個も手数を減らさずに立ち向かっていました」と裏話を披露した。
そして、歌唱パフォーマンスでは3人は、「ヤイサ!ヤイサ!ヤイサ!」「雪風華」「春夏秋冬」のショートバージョン3曲をメドレー形式で披露。音響にもこだわりを持って設計された新劇場に、3人の熱のこもったパフォーマンスと歌声が響き渡り、ペンライトやうちわでで応援する観客たちも3人の熱唱に酔いしれていた。
次のスペシャルステージは、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』トーク&パフォーマンスショー。東海道新幹線役の永山たかし、東海道本線役の鯨井康介、東武東上線/信越線の二役を演じる高崎翔太、秋田新幹線/千代田線の二役を演じる神里優希、西武西武園線/九州新幹線の二役を演じる馬場良馬たちキャストが大盛り上がりで登場して会場を沸かせると、西武池袋線/銀座線/常磐線の三役を演じるKIMERUの司会進行を完全無視。まるで暴走特急のごときキャストたちの暴れっぷりに観客も大爆笑。
KIMERUが「シャラップ! うるさい! 時間がないんだから!」と訴えても、キャスト陣はお構いなしのフリーダム状態で、KIMERUもたじたじ。爆笑につぐ爆笑のにぎやかで楽しいトークショーに観客も大盛り上がりとなっていた。
そんなカオスなトークショーに続き、歌唱パフォーマンスでは、永山の「シアターHの輝ける未来に向かって! 出発!!」のかけ声に、キャストと観客たちの「進行!!!」というコールアンドレスポンスと共に、テーマソングでもある「つながる青春」がスタート。
今回は、二役のキャストは二役分、三役のキャストは三役分を歌唱する特別なロングバージョンとなっており、様々な鉄道路線たちのシングルパートも満載で、観客の黄色い歓声も飛び交うにぎやかで楽しい歌唱パフォーマンスとなっていた。
さらに、シアターHの上演ラインナップ紹介として、舞台『文豪とアルケミスト 旗手達ノ協奏(デュエット) 』、舞台『川越ボーイズ・シング』-喝采のクワイア-、ミュージカル『憂国のモリアーティ』コンサート 、ミュージカル『暁のヨナ』、舞台『夢職人と忘れじの黒い妖精』、舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears、『前田慶次 かぶき旅 STAGE&LIVE~肥後の虎・加藤清正編~』が紹介された。
そして、イベントの最後に中山が「本日はご来場いただきまして、誠にありがとうございました!」との言葉で、イベントを締めた。
通常のミュージカル・舞台公演とは一味違った劇場空間を体験できるトークショー&スペシャルパフォーマンスによって魅力の片鱗を見せた新劇場“シアターH”。新たな産声を上げたシアターHのこれからに注目だ。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)