2024年8月にせたがやアートファーム 2024 音楽劇『空中ブランコのりのキキ』が上演されるが、このほど全キャストとサーカスアーティストが公開された。アートファームとは、世田谷パブリックシアターが新たにスタートする夏のアートフェスティバル。
『空中ブランコのりのキキ』とは?
『空中ブランコのりのキキ』は、劇作家・童話作家として数々の名作を生みだしてきた別役実の童話数作品を原作に、北川陽子が一本の音楽劇として脚本を再構築し、野上絹代が構成・演出、オオルタイチが音楽を手掛ける新作の音楽劇である。
出演者には、すでに発表している咲妃みゆ、松岡広大に加えて、新たに玉置孝匡、永島敬三、田中美希恵、そして瀬奈じゅんの出演が決定。
更に、吉田亜希(エアリアル)、サカトモコ(ブランコ)、長谷川愛実(エアリアル)、吉川健斗(ジャグリング、スラックワイヤー)、目黒宏次郎(テトラ)など日本サーカス界を牽引するサーカスアーティストの出演も明かされた。
コメント紹介
瀬奈じゅん(出演)
劇場が芸術を生み出す農園「せたがやアートファーム」
なんとも人間味のある温かな響き。
多様性という言葉が独り歩きし、本当に大切なコミュニケーションとは何だろうと考えさせられる今日この頃。
人と人とが繋がり、心を寄せ合い、認め合う。
そんなシンプルな原点を、私もこの作品の力をお借りして見つめ直していきたいと思います。
そして皆さまに楽しんで頂ける作品となりますよう、カンパニーの皆さまと共に丁寧に創り上げて参ります。
是非、劇場に足をお運びください。
音楽劇『空中ブランコのりのキキ』公演情報
上演スケジュール
2024年8月 世田谷パブリックシアター、アクリエひめじ(兵庫)
公式サイト
https://setagaya-pt.jp/stage/15937/
原作のあらすじ
◆童話「空中ブランコのりのキキ」
“そのサーカスで一ばん人気があったのは、なんといっても、空中ブランコのりのキキでした。”
キキは三回宙がえりのできる空中ブランコのり。キキの三回宙がえりを一目見ようと、どこの町へ行ってもそのサーカスはいつでも大盛況でした。
しかしキキには、もし他の誰かが三回宙がえりをはじめたら、自分の人気はおちてしまうのではないかという不安がありました。
「お客さんに拍手してもらえないくらいなら、わたしは死んだほうがいい・・・」
けれども予感は的中し、ある日、他のサーカスでも三回宙がえりが成功してしまうのでした。
◆童話「愛のサーカス(山猫理髪店より)」
ある夜、象と、小さな象使いの少年を乗せたイカダが港街に流れ着きました。象と少年がどこから来たのか、どうやって来たのかはわからず、少年も話すことはありません。街の人々は象と少年に眠る場所を与え、彼らの生活を見守りました。
相変わらず少年は何も言いませんでしたが、少年や象のちょっとしたしぐさや表情に人々は感動してしまい、もはや港町に辿り着いた経緯はどうでもよくなっていました。街の人々は象と少年を思いやり、彼らのために優しくしたいという気持ちが、街全体をなごやかにしていました。
そんなある日、大きな黒い箱馬車が街に乗り込んできます。馬車から現れたのは、金星サーカス
の団長を名乗る陽気な紳士でした。
◆絵本「丘の上の人殺しの家」
モントン村の西にある丘のてっぺんに、ポツンと一軒、《人殺しの家》が建っていました。
そこには、ピーボテー、キーボテー、チーボテーという、《人殺し3人兄弟》が住んでいました。
彼らは沢山の《殺しのメニュー》を用意していましたが、もう12年もお客さんは来ていません。
3人はだんだんと悲しくなってしまいました。
そんなある日、ついにお婆さんのお客さんがやってきました。《殺しのメニュー》を見せると、お婆さんは「私は、ぜんぶやってみてもらいたいんだよ」と言うのでした。