『呪怨 THE LIVE』小松準弥×大場美奈インタビュー!声出しOK「僕たちと一緒に叫びましょう!」

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2023年8月12日(土)から8月20日(日)まで東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロにて上演される『呪怨 THE LIVE』。ジャパニーズホラーの名作が、この夏、舞台になる。一体、どんな“最凶”舞台になっているのか?本作で、幸せな夫婦役を演じる小松準弥と大場美奈に、その一部を語ってもらった。

――お2人ともホラーはお好きですか?

小松:好きです!でも、自分が身をもってそれを体験するのは苦手です(笑)。

大場:私も「怖い!」と思いながらお化け屋敷に行くタイプです。だから怖くない人じゃないので、怖がりながら楽しむタイプです。

――『呪怨』という作品は、ご覧になったことはありましたか?

小松:あの唸るような声や、白い俊雄くんの印象が強くて馴染みがあります。知らぬ間に普通に見てたなあ。

大場:私も気づいた時には知っていたかも。私、「学校の怪談」シリーズがすごく好きだったんです。そういうのを観ていたから、成長していくにつれて徐々にレベル上げて、いろんなホラー作品を観ました。多分、ビデオ屋さんで借りて観た記憶があります。レンタルショップじゃなくて、ビデオ屋さん。

小松:分かる~!

大場:ジャパニーズホラーが確立されていった時代はまだVHSの時代でしたから。今はDVDとか配信の時代だから、砂嵐とかないですもんね(笑)。

――今回は、『呪怨』を舞台というアナログでリアルな形で表現することになりますが、やはり怖いですか・・・?

小松:エンターテインメントとして提示しつつ、やはり「怖い」が勝つと思います。作品自体に不穏な空気が漂ってるので、何か面白いことが起きても、それももう怖いんですよ。裏を知っている僕らが見たら、「ここ、面白いな~」と思うところもあるんですけど、何も知らないで見ると「うっ、怖い・・・!」ってなると思います!

大場:舞台上だけでなく、360度取り囲む客席も、安心は保証できないかもしれません。客席間の通路などでも・・・そこで何が起きるのかは、来ていただいてのお楽しみです(笑)。だから「お化け屋敷に行く」みたいな心持ちで来ていただいた方がいいかもしれません。

小松:今回、360度客席に取り囲まれたステージと、客席の間にも通路が設けられています。お客さんと僕たちが、共存してるような空間になっているんですよ。だから、映像という画面を挟んだ関係ではなく、お客さんも同じ世界にいる、迷い込んでしまったみたいな状態になるのが、一つポイントかなと思います。

大場:リアルだから、シンプルな怖さが生まれるのかなって思っています。人間の怖さをどれだけ我々が表現できるか。そういう作品です。

――お二人が演じるのは「小林家」の夫婦役ということですが、どのように役作りされましたか?

小松:物語の中には、僕らが演じる「小林家」と「佐伯家」という2組の夫婦が出てくるんですが、その愛情表現の仕方がまったく違うんです。その差、対比を意識して、僕たちはいかに「幸せいっぱい」に見せられるかを話し合いましたね。台本を読んで、それが際立つようにと考えたことを演出の田邊さんとお話して、2人のシーンを足していただいたり試行錯誤してきました。

大場:私、最初は「『呪怨』という作品の中でのハッピー感」を考えていったんですが、演出の田邊さん的に「それだと5ぐらい」って言われて。10段階の5じゃなくて、100%の5%(笑)。そんな思い込みの強い状態から始まったんですが、俊介役の小松さんがザッツハッピーな方だったので、それに引っ張られていきました(笑)。私たちの「ハッピー」の出力を上げていけるかが、『呪怨』という作品の温度感としても鍵になるのかなと思っています。

小松:そのバランスがすごく難しいよね。

大場:ホラーって音が大事じゃないですか。舞台って全部がその場で聞こえるから、気持ちが引っ張られちゃったりもするから、気持ちを強く持たないといけないよね。

小松:物語の序盤、演出として「佐伯家」と「小林家」が対比して見えるようになっている部分があるんですよ。これが難しい!佐伯家の真逆に100%持っていくのは簡単なことではないんですが、その出力を上げた分だけ、物語が深まると思うので踏ん張りどころです。

――やはり剛雄と伽椰子と俊雄くんの「佐伯家」は強いですか?

小松:強いですね~。特に、剛雄役のいしだ壱成さんが放つエネルギーがすごくて。稽古の中でも、軽くぱっとやるだけでものすごいパワーを発しているんです。小松としては、観ていて超楽しかった!でも、「小林家」の俊介としては、ハッピーがまだ押し負けている!と思ったので、もっとハッピー感を出さねばと闘志が湧きました。

大場:私は、初めて壱成さんとの1対1になるシーンの稽古で、ビビりました・・・。パワフルすぎて、 1発目の台詞で「殺される!」と思いました。多分、あの場にいた方全員、ビビってたと思う(笑)。そこから演出の田邊さんが足したり削ってったりと調整してくださったんですけど。雰囲気、目だけでヤバいと思わせられるすごさを感じますし、役者として尊敬しています。

小松:舞台だから、場面としては別々の空間にある「佐伯家」の声が僕たち「小林家」にも聞こえているんですよね。

小松:本番に入ってからも、さらにレベルが上がっていく気がするので、そういう部分も楽しみながらやっていきたいですね。

――今回は、360度客席が取り囲む上に、盆が回るステージになっているとお聞きしました。

小松:そうなんです。盆の上に組まれたセットの中で、2つの家族に起こる出来事が同時進行で描かれたりするんです。だから、自分の席の対岸で起こっていることは見えないこともあるんです。客席の位置によって、見えているものが違う。この作品では、客席の皆さんも「声出しOK」となっています。だから、どこかで悲鳴が上がるかもしれないんですけど、盆が回ってくるまで、悲鳴が上がった理由が分からない方も出てくるんです。そうやって、劇場という空間全体で作る『呪怨』の舞台になると思うので、僕たちと皆さんはあの世界での共犯になります。みんなでたくさん怖って、みんなを怖がらせてほしいです。

大場:いろんなエンターテインメントを目指した舞台がありますけど、史上最高にアトラクション感が強い舞台になるかもしれないです。

――客席も、最凶シート、一般席・エリア「呪」、一般席・エリア「怨」、一般席・エリア「逃」と怖さによる区分があるんですよね。

小松:怖がりな方には、いつでも逃げられる「逃」シートがありますし、純粋にお芝居として楽しみたい方はエリア「怨」とかがおすすめです。1回どこで何が起きるのか分かった上で、違うエリアで観ていただくとさらに面白いと思います。

大場:ホラーが大好きな方は、率先して最凶シートに来ていただけたら。ちょっと怖いけど・・・と思っている方は、だんだんと前に来てほしいです!

小松:内容を分かった上で、ステップアップしてきてもらえたらね(笑)。

大場:「逃」シートは、一番怖がりさんが集まるゾーンになると思うんですけど、もし同じ回にめっちゃ怖がりさんがたくさんいて悲鳴が多発したら、「逃」シートが一番怖くなるかもしれない(笑)。

小松:なるほど、そういう考えもあるな・・・。

大場:場所によって、いろんな見方ができるので、それも含めて楽しんでもらえたらいいですよね。

――心して、恐怖を楽しみたいと思います!

大場:とてもチャレンジのあるものなので、試行錯誤しながらやっていますが、作品自体は間違いなく素晴らしいものです。繊細に作り上げていって、来た方にしっかり「 怖かった、でも来てよかった」と思ってもらえるような、一夏の経験として感じてもらえたらいいいなと思いながら、がんばっていきたいと思いますので、ぜひ楽しみに来ていただけたら嬉しいです。

小松:『呪怨』という作品の世界を、いろんな角度、いろんな席から観ていただいて楽しんでいただきたいです。そして、お芝居で人間だからこその“恐怖”をに挑戦していきます。アトラクションが好きな方も、お芝居が好きな方も、ご自身のホラー耐性に合わせて、自分なりに楽しんでください。怖かったら、遠慮せずに声を出していただいてオッケーです!僕たちと一緒に思いっきり叫びましょう。そして、最高の夏の思い出を作りましょう!

原作情報はこちら!

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

『呪怨 THE LIVE』公演情報

上演スケジュール

2023年8月12日(土)~8月20日(日) 東京・こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ

キャスト・スタッフ

【出演】
小林俊介:小松準弥
小林真奈美:大場美奈
鈴木達也:あべこうじ
鈴木響子:原 幹恵
鈴木信之:古賀 瑠
神尾刑事:荒木健太朗
北田良美:越智ゆらの
北田洋:宮下幸生

吉川刑事:野添義弘

佐伯俊雄:福田龍世/石井 舜/溝口凛瞳/いおり
佐伯伽椰子:佐々木心音

佐伯剛雄:いしだ壱成

<凶演者>
斉藤ひかり 木原実優 真辺彩加 絃ユリナ 白石真菜 福島愛 CHIRI 柴崎菜々 和田望伶 鶴田彩

【原作】『呪怨』『呪怨2』(製作:東映ビデオ 脚本・監督:清水崇)
【脚本】穂科エミ
【演出】田邊俊喜
【恐怖監修】五味弘文

公式サイト
【公式サイト】https://juonthelive.com
【公式Twitter】https://twitter.com/juonthelive

(C) 清水崇・東映ビデオ/『呪怨 THE LIVE』製作委員会




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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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