佐藤流司が原案・脚本・演出し、藤原樹(THE RAMPAGE)が主演する『カストルとポルックス』が2023年3月24日(金)に東京・品川プリンスホテル ステラボールにて開幕した。初日前には公開ゲネプロが行われ、会見には藤原、佐藤に加え、新谷聖司、田村升吾、山﨑晶吾、うえきやサトシ、龍(THE RAMPAGE)、中村誠治郎、北園涼が登壇し、公演への思いを語った。
本作は、西暦2045年を舞台にした、佐藤が初めて脚本・演出を手掛ける作品。繰り返された戦争や環境汚染によって、残された人類は地下シェルターで生活をしているという世界で、肩を寄せ合って暮らす兄弟の姿を描く。
会見で、主人公・五十嵐総司役を演じる藤原は「素晴らしいキャストの皆さま、アンサンブルの皆様、スタッフの皆様に囲まれて、恵まれた環境で主演を務めさせていただいています。この舞台が初座長ということで、これから先、僕にとっても、観に来てくださる皆さんにとっても忘れることのできない最高の舞台をお届けしたいと思います。10日間15公演というハードなスケジュールですが、安全第一でみんなで最後まで突っ走っていきたいと思います」と挨拶した。
稽古について聞かれると、「大変だったのは、アクションです。舞台で殺陣の経験はあるのですが、拳で喧嘩するシーンが初めてだったんで、覚えるのに苦労しました。でも、毎回、アドリブ部分もたくさんあって、おもしろい。稽古場も賑やかで、うえきやさんは毎回すごいネタを持ってくるので、本番ももっと楽しくなるんだろうと期待しています」と明かした。
総司の弟・翔役を演じる新谷は「何度観ても感動できるお芝居をしたいと思います。ここにいないキャストも含めて素晴らしい方々ばかりなので、その存在感に負けないように、こんな弟が一家に一人欲しいと思われるように頑張ります。楽しんで観ていただけたら嬉しいです」と笑顔を見せた。
津田洋介役の田村は「流司くんが書いた本がとにかく素晴らしくて、それをこんなに素敵なメンバーでやれるのが嬉しくて、稽古場が毎日楽しくて、勉強になることもいっぱいありました。10日間、毎日楽しみながら役割を全うしたいと思います」、雉丘久遠役の山﨑は「流司くんが初めて脚本・演出をするというので、この作品に今、携われていることが誇らしいです。今、自分にできる全てをかけて全力で挑みたいと思います」、猿渡遼斗役のうえきやは「最高のメンバーで最高のメンバーで最高のメンバーで最高にやれて、最高のものを届けられたらと思います!一言言うなら“最高”ですね!」とそれぞれが思いを語った。
東雲修太役の龍は「この最高な舞台に携わることができて本当に嬉しいです。来ていただいた方は心の底にあるものが揺れると思いますし、色々な感情を持って帰れると思います。全身全力で、チーム一丸となって頑張りたいと思います」、鷺沼役の中村は「唯一の40代ですが、キャストの方は年齢関係なくすごい才能の持ち主が集まっています。舞台は敷居が高い印象が強いと思いますが、この作品は、舞台を観たことがない人にも観やすい作品になっていると思いますし、これをきっかけに舞台を好きになる作品だと思うので、騙されたと思って観に来てください」、一条犬御役の北園は「皆さんと過ごせる時間を“最高に”過ごせるように、日々、精進していきたいと思います。何より流司が演出をしていますので、それに華を添えられるようなものになるよう、一公演、一公演していきたいと思います」とコメント。
また、佐藤は「昨日(の稽古で)、この作品の大事にしなければいけないシーンを(ステージ上で)やった瞬間に勝利を確信した次第です。相当面白い作品になっていると自負していますので、ぜひ期待をしていただければと思います」と胸を張った。初めての演出作品の手応えを聞かれると「このキャストがいて、信頼が置けるスタッフさんがいるので何を書いても面白くなると思うんですが、マジで今回は面白いのができちゃったなと。壁に手を当ててるくらいの手応えがありますね」と断言。
そして「難しくてよく分からないけど面白い、という舞台もありますが、今回は『分かるし面白い』を目指したので、絶対に楽しくなっていると思います。知育菓子の“ねるねるねーるね”的な作品になっていると思います」とアピールした。
今回は、佐藤とプライベートでも仲が良いキャストも顔を揃えるが、キャスティングについては「現実的な話をすると、全くお芝居の経験がない人と、演出の経験がない自分自身という、経験ない同士で作り上げるのが無理と思ったので、芝居経験がある方。それから、意思の疎通がしやすい方。自分とウマが合わない人と初めての演出でやるのが不可能と思ったので、普段、話してても仲良く話せる方の方がスムーズなんじゃないかと判断したのがキャスティングの理由でした」と説明。さらに、主演の藤原については「主演は華がないとダメ。(藤原は)ルックスを含めて、すごく華がある方なので、中心にいたら間違いなく様(さま)になる方ですし、描きたかった五十嵐総司という人物にぴったりだなと思ってオファーさせていただいた」とその理由を明かした。
物語の舞台は、西暦2045年。繰り返された戦争や環境汚染によって、地上から姿を消した人類。残された者たちは、地下シェルターで共に生活をしている。その貧民街近くのオンボロアパートに、肩を寄せ合い暮らす兄弟がいた。
喧嘩っ早いが仲間思いの兄・五十嵐総司(藤原)と、兄との生活を日記に綴る心優しい弟・翔(新谷)。生まれた時からシェルターで育ち、星空を見たことがなかった二人の夢は、本物の星を見ることだった。そんな兄弟を見守りながら、総司に喧嘩を教えるガラクタ売りの鷺沼(中村)。喧嘩仲間の犬御(北園)、猿渡(うえきや)、雉丘(山﨑)と、強い総司を慕う洋介(田村)の存在も、兄弟の支えになっていた。
その頃、街の平和を守る委員会の東雲修太(龍)と霊誠也(佐藤)は、治安を乱す恐れのある貧しい者たちをマークしていた。中でも圧倒的な強さを持つ総司に目をつけた修太は、卑劣な手段で兄弟を追い込んでいく・・・。
ゲネプロでは、キャストたちが思いきり暴れ、時に笑わせにかかる姿が印象に残った。荒廃した未来都市を舞台とした物語だが、そこに悲壮感はなく、登場するキャラクターたちの力強さに爽快感すら覚える。
さらに、ステージをめいっぱい使って繰り広げられる大人数でのアクションシーンは圧巻の迫力。お笑いシーンをうえきやが担い、あの手この手で観客を盛り上げるのも楽しい。佐藤らしいギャグや言葉選びは全編に渡って感じられ、物語のスパイスとなっていた。
『カストルとポルックス』は、3月24日(金)から4月2日(日)に品川プリンスホテル ステラボールで上演。上演時間は約2時間5分(休憩なし)を予定。
(取材・文・撮影/嶋田真己)
『カストルとポルックス』公演情報
上演スケジュール・チケット
2023年3月24日(金)~4月2日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
<チケット>
【一般発売】2023年2月25日(土)10:00~
スタッフ・キャスト
【原案・脚本・演出】佐藤流司
【出演】
藤原樹(THE RAMPAGE)
新谷聖司・田村升吾・山﨑晶吾・うえきやサトシ
龍(THE RAMPAGE)
中村誠治郎
北園涼
佐藤流司
公式サイト
【公式サイト】https://castorpolluxstage.com
【公式Twitter】@castorpolluxstg
(C) カストルとポルックス製作委員会