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ウィンズロウ・ボーイ (2015年)

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ウィンズロウ・ボーイ

何を信じ、何を守り、何を貫くのか。“しかるべき権利”を求める家族の会話を通して問う正義。

第一次世界大戦前夜のロンドン。ウィンズロウ家は、銀行を退職した父アーサー、母グレイス、婦人参政権論者の長女キャサリン、オックスフォード大学生の長男ディッキー、海軍兵学校で寄宿舎生活を送る次男ロニーの5人家族。キャサリンの結婚が決まる日に、ロニーが突然一通の手紙を持って帰ってくる。手紙は校内で5シリングの窃盗を働いたために退学に処す、という内容だった。「僕はやってない!やってないんだ!!」無実を訴えるロニーの言葉に、父アーサーは息子の名誉を守るため、ある決心をする。それはウィンズロウ家だけでなく、世論をも巻き込む大きな論争へと発展していく―。

本作は、英国を代表する劇作家テレンス・ラティガンが実際の事件にヒントを得て描き、1946年に初上演された作品。今回の翻訳は第3回小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞した小川絵梨子、演出はラディガン作品を愛してやまないという鈴木裕美が務め、重くシリアスなテーマを扱いながらもウィットとユーモアに富んだ秀逸な会話劇に仕上げた。

話の中心となるのは裁判だが、すべては中産階級家庭の居間の中で進む。次男の名誉回復のためと始めた裁判は長引き、世間体や経済的問題など、次々と家庭に暗い影を落としていく…。国家をも巻き込んでいくその問題が重くのしかかってくるが、ウィンズロウ家は実に明るい。立場の信念と思いやりの狭間で、迷いながらも“正しさ”と向き合い続ける家族それぞれの姿がそこにあった。小林隆や竹下景子ら実力派俳優たちに加え、新国立劇場演劇研究所修了生たちが実に活き活きと作品を作り上げているが印象的だ。“個の権利”というのは、開戦目前というこの作品の時代背景に限らず現代においても根深い問題である。自分だったらどうするか。劇中繰り返される「然るべき権利を!」という言葉は、時を超えて生き続ける言葉なのかもしれない。

ウィンズロウ・ボーイ 詳細情報

主催
  • 新国立劇場
公演
劇場
  • 新国立劇場
キャスト
スタッフ

『ウィンズロウ・ボーイ』公式ホームページ

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