6月の注目ミュージカル作品!新作や期待の再演も【5選】


蒸し暑くも、夜の過ごしやすさをまだ感じる6月初旬。今月も多くの舞台・ミュージカルの幕が上がっています。今回、その中でも編集部が気になっているミュージカル作品をご紹介したいと思います。

ミュージカル『GIRLFRIEND』

6月14日(金)から東京・シアタークリエで上演されるミュージカル『GIRLFRIEND』。本作は、90年代の“パワーポップ”(※ロックの形態の一つ)シーンの中で最も輝いたアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スウィートの代表的なCDアルバム「GIRLFRIEND」をベースに、 二人の青年の甘酸っぱい「恋愛」を描いたポップでロックなミュージカルで、今回日本初演を迎えます。

出演はウィル役を高橋健介さん・島太星さん・井澤巧麻さん、マイク役を萩谷慧悟さん・吉高志音さん・木原瑠生さんと、それぞれトリプルキャストで務めます。たった二人の役者のみで構成された世界となっており、自身の経験を重ねながら作品へと没入することができます。青春時代の初恋を思い出すように二人の距離感に共感・心揺さぶられる作品を堪能することができるでしょう。

ミュージカル『GIRLFRIEND』あらすじ

ネブラスカ州の田舎町で学校に馴染めないウィルと、野球部でスポーツ万能、友人たちからも人気のあるマイク。

マイクはすでに大学進学が決まりネブラスカを離れることになっている。

しかし、ウィルは自分が何をしたいのか見えないまま悩んでいた。

今まで接することのなかった二人だが、高校卒業時にマイクがウィルに渡したミックステープをきっかけに交流が始まる。

ウィルは両親が離婚し母子家庭になり、マイクは父親の圧力で進路が決められている。

一緒に過ごすうちに、二人でいる時間は自分らしくいられることにお互い気づき、距離が縮まっていく二人。

マイクが大学進学のためリンカーンへと旅立つ直前、ウィルはマイクに手紙を書くが野球部のメンバーに見つかってしまう。

取り乱したウィルはそのままマイクと距離を置いてしまうが、二人の運命は音楽で繋がっていた――

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』

6月20日(木)から東京・帝国劇場で『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の再演がついに上演されます。本作はバズ・ラーマン監督が映像によってつくり上げた、きらびやかなビジョンを、アレックス・ティンバース演出によってさらにパワーアップさせ、めくるめく世界へと観客をいざなう革命的なミュージカルです。

豪華絢爛な舞台に、ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スター・サティーンとアメリカ人作曲家・クリスチャンの激しい愛の物語が印象深い本作。物語を彩る、19世紀にオペレッタを創始したオッフェンバックから、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョンやマドンナをはじめとする20世紀に大流行したメガヒット曲、21世紀が生んだ最高の歌手レディー・ガガまで、160年以上にわたるポピュラーミュージック約70曲を堪能することができます。

日本人キャスト版が2023年に初演され、サティーン役を望海風斗さん・平原綾香さん、クリスチャン役を井上芳雄さん・甲斐翔真さんがそれぞれWキャストで務めており、そのほか豪華キャスト陣がスペクタクルな舞台を見事に作り上げています。

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』あらすじ

1899年、パリ。
退廃の美、たぐいまれなる絢爛豪華なショー、
ボヘミアンや貴族たち、遊び人やごろつき達の世界。
ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スターであるサティーンとアメリカ人作曲家クリスチャンは、
ムーラン・ルージュで出会い、激しい恋に落ちる。
しかし、クラブのオーナー兼興行主のハロルド・ジドラーの手引きでサティーンのパトロンとなった
裕福な貴族 デューク(モンロス公爵)が二人の間を引き裂く。
デュークは望むものすべて、サティーンさえも金で買えると考える男だった。
サティーンを愛するクリスチャンは、ボヘミアンの友人たち(その日暮らしだが才能に溢れる画家トゥールーズ=ロートレックやパリ随一のタンゴダンサーであるサンティアゴ)と共に、華やかなミュージカルショーを舞台にかけ、
窮地に陥ったムーラン・ルージュを救うことでサティーンの心を掴もうとするのだが――。

ミュージカル『鉄鼠の檻』

6月14日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで京極夏彦原作のミュージカル『鉄鼠の檻』が開幕します。いずみたくさんが結成した「イッツフォーリーズ」は日本のオリジナルミュージカルにこだわって上演しており、本作の上演には、グランドミュージカルから2.5次元で活躍する俳優まで、様々なクリエイターとキャストが集結。京極夏彦原作の百鬼夜行シリーズから、『魍魎の匣』に続く2作目のミュージカル化になります。

原作『鉄鼠の檻』は、京極夏彦による「百鬼夜行」シリーズ第4弾として刊行された長編推理小説で、2017年にはコミック化もされました。小西遼生さんがミュージカル『魍魎の匣』から引き続き主人公・中禅寺秋彦役を、北村諒さんと横田龍儀さんが Wキャストで探偵・榎木津役を演じます。

日本のオリジナルミュージカルにこだわり続けるイッツフォリーズと、グランドミュージカルから2.5次元まで、ミュージカル界を牽引してきたクリエイターやキャストが勢揃いした新作に期待が高まります!

ミュージカル『鉄鼠の檻』あらすじ

昭和28年初春。古物商の今川雅澄は、明慧寺の僧侶、小坂了稔から依頼を受け、箱根山中の仙石楼に投宿する。逗留していた医師、久遠寺嘉親と碁を打つ日々を送りつつ、了稔からの続報を待つ今川。
しかし、そんな彼の前に突如現れたのは、雪の中で座禅を組んだまま死んでいる了稔の遺体であった。周りに足跡はなく、不可解な現場に旅館は騒然となる。
一方、時を同じくして箱根を訪れていた憑物落としの古本屋、京極堂こと中禅寺秋彦と、その友人で作家の関口巽も事件に巻き込まれてしまう。更に、県警の捜査に業を煮やした久遠寺が、探偵の榎木津礼二郎を呼んでしまったことにより、榎木津も事件に関わることに。
やがて一行は、僧侶が次々と殺される箱根山連続僧侶殺害事件に飛び込んでいくこととなるのだった――。

音楽座ミュージカル『SUNDAY(サンデイ)』

6月13日(木)に東京・草月ホールで開幕する音楽座ミュージカル『SUNDAY(サンデイ)』。ミステリー作家として有名なアガサ・クリスティーによる名作小説『春にして君を離れ』を原作に、2018年、世界ではじめてミュージカル化した音楽座ミュージカルの最新作で、初演での好評を受けて、2020年に全国で再演されました。

コロナ禍により、中止・延期を余儀なくされたものの、実際の上演では主人公のジョーン・スカダモアを演じた高野菜々さんが“令和2年度(第75回)文化庁芸術祭賞(演劇部門 新人賞)”を受賞するなど受けるなど、高い評価を受けています。今回の上演でも、観客を魅了してくれること間違いなしです!

音楽座ミュージカル『SUNDAY(サンデイ)』あらすじ

弁護士の妻として子どもたちを立派に育て上げたジョーン・スカダモアは、バグダッドに次女バーバラを見舞った帰り、ひどい雨に降られて砂漠に足止めをくってしまう。砂漠の強い日差し、薄暗いレストハウス、本も読み尽くして話す人もなく、やることもなければ食べるものも缶詰ばかり。退屈な日々の中でジョーンは、自らの「素晴らしい」人生を思い出す。美しく塗りこめられた思い出は、時間とともに少しずつ真実の姿をさらけだし、やがて――。

ミュージカル『モンパルナスの奇跡~孤高の画家モディリアーニ~』

6月15日(土)から東京・よみうり大手町ホールでオリジナル・ミュージカル『モンパルナスの奇跡~孤高の画家モディリアー二~』が上演されます。本作は、ストレートプレイからミュージカルまで様々な作品を手掛けるG2さんが長年構想を温めてきた作品で、主演は浦井健治さんが務めます。

物語の舞台は、20世紀初頭、モンパルナス界隈の芸術が溢れかえっていた時代。20世紀初頭のパリ・モンパルナスの街で、伝説的芸術家たちの狭間で繰り広げられる、友情、真実の愛、そして芸術にかける執念とプライドを描いていきます。

この激動の時代を生き、芸術界において“稀代の美男芸術家”と言われるアメデオ・モディリアーニを浦井さんが演じる他、稲葉友さん、宮澤佐江さん、秋本奈緒美さん、福田えりさん、俵和也さん、大津裕哉さん、鎌田誠樹さんらが出演。

ミュージカル『SPY×FAMILY』や音楽劇『ブンとフン』などを手掛けたかみむら周平が音楽を務めており、本番では、様々なコンサートで活躍している榊原大さんがピアノを、川口静華さんがヴァイオリンを、奥泉貴圭さん、山崎太陽さんがチェロを生演奏し、上質な音楽生演奏と歌声でモンパルナスの世界を創り上げていきます!

ミュージカル『モンパルナスの奇跡~孤高の画家モディリアーニ~』あらすじ

第一次世界大戦下のパリ。
無名の画家モディリアーニは孤高の画風で批評家を寄せつけず、毎夜カフェで客をスケッチし売り歩いては日々をしのいでいた。ポーランドの若き詩人・ズボロフスキーはモディリアーニの絵に感動し、彼を成功に導こうと自ら画商に転身する。だが、前途には想像を超えた障壁が待ち受けていた。
パリ・モンパルナスの街で繰り広げられる、ふたりの男の友情と葛藤、愛と裏切り、警察沙汰、戦争の影、生と死。やがてモディリアーニはうら若き女性ジャンヌとの愛にのめり込み、衝撃のラストへと突き進んでいく。

(文・エンタステージ編集部3号)

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