演出・いのうえひでのり×古田新太、劇団☆新感線の新たなスタートを語る!


2021年劇団☆新感線41周年春興業 Yellow/新感線『月影花之丞大逆転』の合同取材会が、12月21日に行われ、演出のいのうえひでのりと、主演を務める古田新太が公演への想いを語った。

今回の公演は、劇団☆新感線がコロナ禍での劇団公演を模索する中で新たに発進した「Yellow/新感線」の第1弾公演。いのうえは、今回の企画について、「この時期ならではのものができないかということで、できるだけタイトにし、少人数のカンパニーで、かつ楽しくて笑える面白い作品を作りたいと、今年の夏くらいから企画を練り直して、急遽立ち上げた」ものだと改めて説明。内容に関しては、古田や木野花をはじめとしたキャストの出演が決まっていたことからも、2003年に上演された『花の紅天狗』のスピンオフ作品で、木野が演じた月影花之丞をメインにすえることに決定したという。

『花の紅天狗』は、『ガラスの仮面』のパロディを取り入れたコメディ的要素の強い作品であることから、今回も『ガラスの仮面』を彷彿とする内容が期待されるが、古田は「最初に言っておきますが、(今回の作品には)マヤ的な人も亜弓的な人も出ません」と断言。「みんな、絶対に『ガラスの仮面』のパロディシリーズだと思うでしょう? でも、違う。今回は月影先生が第一。本来、『ガラスの仮面』は一番にマヤがいて、それに対抗する亜弓さんがいる。月影先生は最大のスパイスであって、カレーにおけるクミンみたいな人。でも、今回はクミンしか出ない(笑)。それを大前提に考えて見に来ていただければ、楽しめると思います」と明かした。

本作には、浜中文一と西野七瀬という若手2人も出演。いのうえは、「七瀬さんは、この話のキーワードにもなる役割。圧倒的にかわいいという、彼女が本来持っている輝きがお客さんに説得力を持って伝わるようにしたいと思っています。その魅力が出るように頑張ります。文ちゃんは、切れ味の良い変態ぶりを。彼は綺麗な顔をしているけど、やっぱりどこかおかしい(笑)。その微妙なズレがお客さんに伝われば、また面白いと思います」と2人の役どころについても語った。

さらに、劇団☆新感線の公演は、大掛かりなセットも印象的だが、今回の公演では「いわゆる『ネタもの』『音もの』をやるときの伝統的な形になると思うので、いつもの感じだとまず思うと思います」と言及した。

久しぶりに劇団☆新感線らしい“馬鹿芝居”に出演する古田は、「そもそも劇団員は、歌のある“おポンチ”しかやりたくないんですよ。“いのうえ歌舞伎”に出たいと思っている劇団員は1人もいないんです」と毒舌を吐いて笑わせると、「だからこそ、みんな全力でぶつかっていくと思います。今回は、文ちゃんや七瀬ちゃんというすてきなゲストが来て、阿部(サダヲ)という恐ろしい助っ人が来るので、このご時世に勇気を出して劇場に来たお客さまに残念な気持ちを与えないように頑張ろうと思っています」と熱く語った。

公演情報

2021年劇団☆新感線41周年春興行
Yellow/新感線『月影花之丞大逆転』
【東京公演】2021年2月26日(金)~4月4日(日) 東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2021年4月14日(水)~5月10日(月) オリックス劇場

【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり

【出演】
古田新太、阿部サダヲ/浜中文一、西野七瀬
河野まさと、村木よし子、山本カナコ、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁/木野花

【公式サイト】 http://www.vi-shinkansen.co.jp/yellow/

(取材・文・撮影/嶋田真己)

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