立石俊樹らによる再演！ミュージカル『黒執事』～寄宿学校の秘密 2024～レポート【動画あり】

2024年9月23日

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ミュージカル『黒執事』～寄宿学校の秘密 2024～の東京公演が、2024年9月21日（土）に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開幕した。初日前に行われた公開ゲネプロより、その模様をレポートする。

ミュージカル『黒執事』シリーズとは

月刊「Gファンタジー」（スクウェア・エニックス刊）で連載中の大人気漫画「黒執事」を原作に、2009年より長きに渡り舞台公演を行ってきたミュージカル『黒執事』シリーズ（通称“生執事”）。今回は、4月から6月に放送されたアニメ『黒執事 -寄宿学校編-』でも描かれた、原作14～18巻の「寄宿学校編」を、2021年の初演からパワーアップして再び上演する。

出演には、前作からセバスチャン・ミカエリスを務める立石俊樹、シエル・ファントムハイヴに小西詠斗、葬儀屋に上田堪大が続投。

そのほかのキャストは一新となり、学園に君臨する監督生4人（通称：P4）のエドガー・レドモンド役を神里優希、ロレンス・ブルーアー役を栗原航大、ハーマン・グリーンヒル役を塩田一期、グレゴリー・バイオレット役を定本楓馬、ウェストン校副校長のヨハン・アガレス役を伊藤裕一、インドのとある小国の王子、ソーマ・アスマン・カダール役を伊勢大貴が演じる。

さらに、P4の寮弟であるモーリス・コール役に成瀬遙城、クレイトン役に星野勇太、エドワード・ミッドフォード役に岩崎悠雅、チェスロック役に益川和久、ウェストン校の寮生であるジョアン・ハーコート役に戸塚世那、マクミラン役に熊谷俊輝、デリック・アーデン役に鈴木達也が名を連ねる。

ゲネプロレポート：続投組と新キャストが織りなす新たな生執事カンパニーによる想いみなぎる再演

19世紀の英国。ヴィクトリア女王の＜裏＞の仕事を請け負う＜悪の貴族＞ファントムハイヴ家の万能執事、セバスチャン（立石）。その正体は悪魔。呪われし運命に立ち向かう孤高の若き当主シエル（小西）との契約のもと、シエルの影となり、裏社会の事件を闇で片付けている。

ある日、女王のいとこであるクレメンス公爵の息子デリック（鈴木）が去年の夏休みから帰省しておらず、その原因を調査してほしいと女王より依頼の手紙が届く。セバスチャンとシエルはデリックが通っている名門寄宿学校の先生と生徒になりすまし、潜入調査を始める。

そこは伝統と規律が支配する閉鎖空間で、絶対君主である“校長“がいた。しかし多忙の“校長“は一切姿を現さず、実務は副校長のヨハン（伊藤）が取りしきっていた。その“校長“へ唯一面会が許されているのは学園に君臨する監督生4人（通称：P4）のレドモンド（神里）、ブルーアー（栗原）、グリーンヒル（塩田）、バイオレット（定本）のみ。

事件の真相を探るため、P4と彼らの寮弟であるコール（成瀬）、クレイトン（星野）、エドワード（岩崎）、チェスロック（益川）にあらゆる手段で近づき、だんだんと認められていくシエル。寄宿学校という、伝統と戒律に守られた閉鎖空間に潜入したシエルとセバスチャンが辿り着いた真相とは･･･。

再演となる今回は、フェイスシールドなどのコロナ禍によって課された様々な物理的な制限と想いから解き放たれ、“生執事”寄宿学校編の完全版とも言うべき作品となっている。出演者も増え、広くなったステージにてさらにダイナミックで磨き上げられた表現とアクションが展開。

より豪奢で美麗な19世紀後半、ヴィクトリア朝時代の英国を彷彿とさせる舞台セットと美術の数々と、そのステージを彩る照明と音楽に、そして新衣装と見た目はもちろん、壮麗でバラエティー豊かな歌唱パフォーマンスとダンスの数々が熱量をMAXに劇場内へと響き渡り、全てが絢爛でパワーアップした公演となっている。

全てにおいて完璧な執事を演じるセバスチャンを演じる立石は、美しく色気のあるセバスチャンを華麗で圧倒的なまでの歌声と、執事としての完璧なまでの立ち振る舞いで観客を虜にする。

名門貴族の若き当主シエル役の小西は、運命に立ち向かう孤高さを鮮烈に歌い上げれば、潜入捜査として学生に扮した“カワイイ”が詰まった姿で学生たちと触れ合うことにより、今までとは違った一面を交えて繊細に演じ歌う。

また、セバスチャンとシエルの関係も潜入捜査という普段とは違ったシチュエーションによってユーモアあふれるものとなっており、本作の見どころの一つになっている。

そして、葬儀屋を演じる上田は、ハイトーンボイスと伸びのある歌声に特徴的な葬儀屋の口調も組み入れた唯一無二の歌唱パフォーマンスを披露し、セバスチャンと渡り合える鋭いアクションと存在感バツグンの演技でステージを支配する。

続投組となる3人による3年半の時を経て洗練された演技と歌唱シーンが、新生“生執事”の再演を期待してきたファンの心を打つ。

そこに加わる新キャストたち。英国の名門寄宿学校の監督生として、伝統を絶対とする誇り高く麗しいP4を演じる神里、栗原、塩田、定本、そしてP4の寮弟を演じる成瀬、星野、岩崎、益川が、それぞれの寮に割り当てられた個性がみなぎるキャラクターたちを煌びやかに華々しく、時に軽妙な演技と様々なミュージカルナンバーでステージを染め上げることにより、ストーリー展開の原動力となっていく。