仲 万美ら女性パフォーマーの強個性と三浦 香の描く物語の共鳴『DustBunnySHOW』稽古場レポート

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仲 万美ら女性パフォーマーの強個性と三浦 香の描く物語の共鳴『DustBunnySHOW』稽古場レポート

2021年11月7日(日)・11月8日(月)の2日間、東京・品川プリンスホテル クラブ eXにて上演される『DustBunnySHOW』。本作は、仲 万美のアートプロジェクト“Juliet aria”の第1弾。仲を筆頭に、主にダンスを武器に活躍する女性パフォーマー8名が集結。三浦 香の描く妖しく甘美なダークファンタジーはどんな世界なのか?その稽古場を取材した。

(以下、物語の一部に触れています)

仲 万美ら女性パフォーマーの強個性と三浦 香の描く物語の共『DustBunnySHOW』稽古場レポート

本作の舞台は、とある豪華客船。そして、世間では「DustBunnySHOW」という謎のショーのことが都市伝説のように囁かれていた。ブラック(日野陽仁)という謎の男が世界屈指のショーガールたちを集めて、船の中でショーを行いながら世界を旅しているというのだ。ブラックが採用するショーガールの条件は「ゴミクズであること」。

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リアルかフェイクか分からない情報が飛び交う中、一人の女(仲)とブラックが出会った。女もまた、ダンサーだった。男に「バニー」と呼ばれた彼女は、豪華客船へと連れ去られる。そこで、「バニー」は心に様々な光と闇を抱え、感情を失ったショーガールたちと出会う。

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埃を纏ったウサギでいるか、誇りを持ったウサギになるか。足りないものだらけな彼女たちが、選ぶ道は・・・。

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このプロジェクトの中心人物である仲と言えば、加藤ミリヤ、BoA、椎名林檎などのアーティストをはじめ、2015年にマドンナワールドツアーのバックダンサーを務めるなど、「踊る」という表現において、圧倒的経験値を積んできたパフォーマーである。

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そこへ集った女性パフォーマーたちも、ポールダンサーのacha(亞蝶)、ダンサーグループ「サイバージャパン ダンサーズ(CYBERJAPAN)」のMikaT、女性声優アイドルグループ「=LOVE」の諸橋沙夏、バレエ・コンテンポラリーダンサーの松本ユキ子、日本初の女性アクロバットダンス・カンパニー「G-Rockets」の小林由佳、ヴァイオリニストのあさいまり、D.LEAGUE唯一のブレイクダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS」・七瀬恋彩(ここあ)と、強個性の持ち主ばかり。

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稽古で見ることができたのは、パフォーマーたちが全員揃うオープニングシーン。ブラスサウンドとバスドラムのリズムが印象的な楽曲に乗って、謎に包まれた妖しく華麗なショーが幕を開ける。取材日は、振付の當間里美による動きの整理が盛んに行われており、三浦が場面やそれぞれの登場人物の「意図」や「見せ方」の演出を付け、當間が動線の整理やリズムと動きのタイミングなどを調整していった。三浦が求めていたのは「ライブ感」。「日本人の奥ゆかしさはいらないよ」と、より個々の力の開放を求める。それに対し、「はい」と言葉は短く、ダンスでそれに応えていく。

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とにかく際立っていたのは、個々のプロフェッショナルな一面。全体的な「決め」どころは演出・振付などを細かくつけていくが、個々の動きに関してはそれぞれの創造力を信頼して、任せているようだった。強い個性と物語の共鳴を感じる現場である。

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仲に関しては、ダンスの見せどころはもちろん、歌唱シーンも多い。ヒロイン役に抜擢されたROCK OPERA『R&J』でも歌声を披露していたが、あの頃よりも力強く、表現力の幅が広がった印象。心が動くから身体が動くのと同じように、歌声に魂が宿る。新プロジェクトの始動は、仲の可能性をさらに広げていきそうだ。

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もう一つ、諸橋が演じるパフォーマー・シアンとバニーが対立するシーンも見ることができた。マスクをしていたため、唯一読み取れる表情・・・笑っているのに笑っていない目。そして、定評のある歌声に滲む狂気と渇望。このシーンは、劇場に入ってから照明などの力を借りて、大きく見え方が変わりそうだった。

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物語の中で強調される「ゴミクズ」という言葉。おもしろかったのが、三浦が「ゴミクズ」のレッテルを貼られたバニーを視覚的に現すために、実際にレッテルを貼りたいと言っていたこと。「粗大ごみって概念はアメリカにあるの?」と聞く三浦に、「いや、ないですね。リサイクルの方が・・・」とアメリカのゴミ事情を説明する仲。ゴミの話題もワールドワイドだ。本番ではどのような表現になっているだろうか。

仲 万美ら女性パフォーマーの強個性と三浦 香の描く物語の共『DustBunnySHOW』稽古場レポート

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本作は、もともと今年4月に上演を予定していたが、緊急事態宣言の発令に伴い全公演が延期になっていた。状況が好転しエンターテインメントが徐々に日常に戻ってくる今も、「不要不急」と呼ばれたあの時のことは忘れられない人が多いだろう。本作も、劇場の変更し、作り上げたものを再構築しなければならなった。しかし、それすらも「表現」に変えていく熱が稽古場には満ちていた。

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TAKA、KEN THE 390、KENGO、RYO(CONDENSE)そして出演者でもあるあさいが作り出した音楽と、舞台を構成する様々な要素が、三浦の作風を存分に生かす。「DustBunny」と冠してさらに、スポットライトを浴びる女性たちは、力強く、しなやかに、美しく輝くに違いない。

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Juliet aria『DustBunnySHOW』は、11月7日(日)から11月8日(月)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて上演される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

Juliet aria『DustBunnySHOW』公演情報

上演スケジュール

2021年11月7日(日)~11月8日(月) 品川プリンスホテル クラブ eX

スタッフ・キャスト

【脚本・演出】三浦香

【出演】
仲万美
Acha(亞蝶)
MikaT(CYBERJAPAN)
諸橋沙夏(=LOVE)
松本ユキ子
小林由佳
あさいまり
七瀬恋彩

日野陽仁

【公式サイト】https://www.nelke.co.jp/stage/DustBunnySHOW/
【公式Instagram】dustbunnyshow.official

あらすじ
リアルかフェイクか分からない情報が飛び交う世の中に、都市伝説のようなショーがあった。
その名も「DustBunnySHOW」。
Mr.Black(日野陽仁)に拾われた、感情を失ったダンサー(仲万美)が連れてこられたのは、
彼が支配する豪華客船「DustBunny」だった。
ダンサーはバニーと名付けられ、7人の女性パフォーマー、
Code:R(acha【亞蝶】)、Code:G(MikaT)、Code:B(松本ユキ子)、Code:W(小林由佳)、
シアン(諸橋沙夏)、マゼンタ(七瀬恋彩)、Y(あさいまり)と出会う。

まるで自分と似ている彼女達に失った感情を抉られたバニーが「DustBunny」の中で選ぶ道とは・・・。

——埃を纏ったウサギでいるか、誇りを持ったウサギになるか。

才能溢れる若き8人の女性が織りなすダークファンタジーショーが、ここに幕を開ける。



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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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