“一人でも多くの子供たちとその未来を守りたい”という想いで新たにスタートしたAct Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」が、2020年12月1日(火)に東京・日本武道館から無観客でのインターネット生配信ライブとして開催された。そのオフィシャルレポートを紹介する。
岸谷五朗の呼びかけにより、1993年から2018年まで「12月1日世界エイズデー」に豪華キャストが集結し、一夜限りのエンターテインメントショーを日本武道館で披露してきたAct Against AIDS「THE VARIETY」。
その活動が岸谷五朗・寺脇康文、そして2007年から一緒に取り組んできた三浦春馬の想いと共に、Act Against Anythingと名称を改め、エイズだけでなく様々な問題を抱えた子供たちへの支援チャリティとして新たなフェーズへと一新。12月1日にAct Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」として総勢53名(バンドメンバー含)が武道館に集結した。
冒頭、スクリーンに「本日のショーには春馬が共に舞台上に居てくれていると思っています。お客様と彼の力を借りて、本日武道館に立つ仲間と共に第一回目となる「Act Against Anything」チャリティコンサートを成し遂げ成功させたいと思っています」という、これまで活動を共にしてきた三浦春馬への想いが綴られた岸谷五朗からの手紙が流れ、無観客の客席から岸谷が登場。
キックボードでステージまで移動しながらサザンオールスターズの「栄光の男」を熱唱し、「ありがとうございます。『THE VARIETY』28年目のチャリティに突入します。武道館のチケットを買ってくださったお客様、ライブ・ビューイングのチケットを買ってくださったお客様、申し訳ありません。配信がありますので、ぜひよろしくお願いいたします!キャスト一同精いっぱい盛り上げます!最後まで応援してください」とスタートを切った。
ステージ下手から抜群の歌唱力を誇る中川晃教が登場。難曲「Bohemian Rhapsody」を完璧に歌い上げ、続いては同じくミュージカル界から柿澤勇人が「宇宙刑事ギャバン」という意外な選曲で盛り上げた。
神木隆之介と小関裕太の若手俳優コンビが星野源の「SUN」で配信を観ている人たちを笑顔で盛り上げると、ギターを携えたソニンが登場。自身のヒット曲「カレーライスの女」ではギターをかき鳴らして熱唱し、そのアンサーソングとして今年、15年ぶりに新曲としてリリースした「ずっとそばにいてね。」を続けて披露した。
さらにAct Against AIDS『THE VARIETY』の第2回から参加しているサンプラザ中野くんとパッパラー河合が登場し、自身の楽曲「Runner」と日本武道館のことを歌った「大きな玉ねぎの下で」を披露。
無観客ということで、特別に客席の中央に降り立つことが許可され、タイトル通り武道館の“大きな玉ねぎの下”での歌唱が実現し、2018年の『THE VARIETY』で三浦春馬が同曲を歌唱した際の映像と共に、装い新たになった『Act Against Anything』の記念すべき第1回目のステージを飾った。
続いて登場したのは、岸谷と共に『THE VARIETY』を引っ張る寺脇康文と、宮澤佐江。12月にふさわしく「恋人がサンタクロース」をデュエットで披露すると、宮澤の「配信をご覧の皆さん!一緒に歌って踊ってくださーい!」の掛け声で始まった「恋するフォーチュンクッキー」では岸谷や大村俊介らがバックダンサーとして加わり、ライブ序盤をポップに彩った。
J-POPコーナーの後半戦は城田優からスタート。木村カエラの楽曲「Butterfly」をワルツにアレンジして情感たっぷりに歌い上げた。
照明が一気に華やかになり雰囲気は一変して、植原卓也・平間壮一・水田航生による「仮面舞踏会」、猪塚健太・風間由次郎・松島庄汰・栁澤貴彦・吉村卓也による「Z女戦争」と、キレのあるダンスの楽曲が披露されると、続くポルノグラフィティの楽曲「ミュージック・アワー」では、小関裕太・富田健太郎・兵頭功海・福崎那由他・藤原大祐・細田佳央太・松岡広大・溝口琢矢が登場し、サビで定番となっているお馴染みの振付で盛り上げた。
Act Against AIDS時代から恒例となっている楽曲「Brave Love, TIGA」では岸谷・寺脇・小関・サンプラザ中野くん・溝口が登場し、ミュージシャンと俳優たちによるコラボステージが実現。
その後は、仙台で7年間「Act Against AIDS in SENDAI」として啓蒙・啓発ライブを行なってきたFLOWが登場し、KEIGOが「全員でひとつになりましょう!」と呼びかけ、ステージを隅々まで掛け回り盛り上げた。
代表曲「GO!!!」では、岸谷・寺脇と共に<チーム・ハンサム!>と呼ばれるアミューズの若手俳優たちがステージに駆け付け、配信を観ている視聴者とステージをウエーブで繋ぎ、一体化させた。
チャリティ活動報告を行う「AAA報告」のコーナーでは、お客様からいただいたチケット代の中から生まれた収益でどのような活動ができたのかを報告。2018年まで開催してきたAct Against AIDS「THE VARIETY」としての収益金は、ここ近年、認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じて、ラオスのルアンパバーンにあるラオ・フレンズ小児病院に寄付され、医療設備の充実や医療スタッフの育成など病院の運営維持や訪問看護を行うための経費、HIVと戦う子どもたちの支援に充てられている。
2018年開催のAct Against AIDS 2018「THE VARIETY 26」の寄付額は1777万1619円となった。病院での子供たちの様子や、三浦春馬が何度も足を運んだというラオ・フレンズ小児病院、寄付金で購入した訪問看護用の車両の写真などと共に報告を行った。
岸谷は、エイズだけでなく、生活を取り巻く様々な環境や病気と闘う子供たちの未来を守りたいと考えたことから『Act Against Anything』を立ち上げ、「難病」「貧困」「教育」という子供たちを取り巻くあらゆる問題に必要な支援を届けていきたいという想いを語った。
今回のAct Against Anything VOL.1『THE VARIETY 27』の寄付金は、収支と寄付先が決まり次第、特設サイト内で報告される。
後半戦のトップバッターには、岸谷香が自身のガールズバンド「Unlock the girls(アンロックザガールズ)」を率いて登場。プリンセスプリンセスの代表曲「Diamonds<ダイアモンド>」、そして「来年はまた、きらきら光り輝く日常が戻って来ますように。」という願いが込められた「ミラーボール」を披露した。
柿澤勇人による『デスノートTHE MUSICAL』の「ゲームの始まり」でミュージカルコーナーの幕が上がると、「Beauty and the Beast」(ソニン・中川)、「Can’t Take My Eyes Off You」(中川)といった人気のナンバーが続き、ミュージカルの魅力がたっぷりと詰まったステージとなった。
『エリザベート』の「私だけに」では、AAA初参加となる愛希れいかが白いドレス姿で登場。続く「私が踊る時」では、城田優との息の合った掛け合いで、視聴者を物語の世界に惹き込むステージを作り上げた。「What I Did For Love」では森公美子がソロで登場。圧巻の歌声で視聴者を魅了した。
ミュージカルコーナーのラストでは、柿澤・城田・ソニン・中川・平間・愛希・森といったミュージカル界の第一線で活躍する豪華な顔ぶれで『RENT』の「Seasons of Love」を披露。力強い歌声と美しいハーモニーで、コーナーのラストを飾った。
そして、「海盗セブンのテーマ」でスタートした地球ゴージャスのコーナー。過去の公演映像をバックに『海盗セブン』『クザリアーナの翼』『X day』の楽曲が披露され、武道館のステージが一気に地球ゴージャスの世界観に。
2009年に三浦春馬にとっての初舞台作品となった初演が上演され、今年3月に地球ゴージャス25周年祝祭公演として新田真剣佑主演で再演するも、新型コロナウィルスの影響でほとんどの公演が中止となった『星の大地に降る涙』からは、代表曲「愛すべき未来へ」が披露された。ステージで歌う出演者たちと、スクリーンに映し出された2009年の三浦春馬の映像と歌声が融合する演出によって、一夜限りの特別なステージとなった。
続いてアミューズの若手俳優によるファン感謝イベント「ハンサムライブ」から、“歴代ハンサム”と“現役ハンサム”による<チーム・ハンサム!>のコーナーへ。現役ハンサムたちによる「So Free!」でスタートすると、桜田通、渡部秀など歴代ハンサムも加わった「PARTY RIDE」で一気にステージをハンサム色に彩った。
続く「Feel The Same」からは佐藤健が登場。<チーム・ハンサム!>のステージでは久しぶりとなる歌声を披露した。歴代ハンサムメンバーによる「春の花」では、ステージ上のスポットライトをメンバーが囲み、三浦春馬のソロパートの歌声も交わり、今も変わらないハンサムたちの絆を感じさせた。
ラストの「DEAR MY GIRL」では現役ハンサムと歴代ハンサムが再びステージに集結。ハンサムならではの感謝の気持ちを込めた歌とダンスでハンサムコーナーを締めくくった。
エンディングは岸谷のかけ声で本日のステージを盛り上げた出演者たちが再び登場。映画『グレイテスト・ショーマン』の「This Is Me」を圧倒的な歌とパワフルなダンスでパフォーマンス。フィナーレに向けてステージを熱くさせた。
ラストは「THE VARIETY」で歌い継がれる「一人じゃないから」を披露。曲中に寺脇が「今年は悲しいことがいっぱいありました。夕陽がきれいだなとか、ご飯が美味しいなとか、小さなことでもいいです。自分にとっての幸せを探して、日常が返ってくるのを待ちましょう」と呼び掛けると、岸谷は「我々も一人じゃありません。配信を見ているお客様たちも決して一人じゃありません。この配信を見てくださる皆様のおかげで、苦しんでいる子供たちが確実に救われています。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を視聴者に伝えた。
【セットリスト】
1「栄光の男」
2「Bohemian Rhapsody」
3「宇宙刑事ギャバン」
4「SUN」
5「カレーライスの女」~「ずっとそばにいてね。」
6「Runner」
7「大きな玉ねぎの下で」
8「恋人がサンタクロース」~「恋するフォーチュンクッキー」
9「Butterfly」
10「仮面舞踏会」
11「Z女戦争」
12「ミュージック・アワー」
13「Brave Love,TIGA」
14「GO!!!」
15「DIAMONDS<ダイアモンド>」
16「ミラーボール」
17「ゲームの始まり」/デスノートTHE MUSICAL
18「Beauty and the Beast」/美女と野獣
19「Can’t Take My Eyes Off You」/ジャージー・ボーイズ
20「私だけに」/エリザベート
21「私が踊る時」/エリザベート
22「What I Did For Love」/コーラスライン
23「Seasons of Love」/RENT
24「海盗セブンのテーマ」/海盗セブン
25「心に・・・」/海盗セブン
26「ジャメーリアの命」/クザリアーナの翼
27「魂の鼓動」/クザリアーナの翼
28「ジャメーリアよ!蜂起せよ」/クザリアーナの翼
29「奇跡の唄」/X day
30「愛すべき未来へ」/星の大地に降る涙
31「So Free!」~「PARTY RIDE」
32「Feel The Same」
33「春の花」
34「DEAR MY GIRL」
35「This Is Me」
36「一人じゃないから」
公演概要
Act Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」
【配信日時】2020年12月1日(火)18:30開演
【会場】日本武道館
【出演】岸谷五朗 寺脇康文
大村俊介(SHUN)/柿澤勇人/岸谷香/サンプラザ中野くん・パッパラー河合/城田優/ソニン/チーム・ハンサム!2020forAAA(猪塚健太/植原卓也/風間由次郎/神木隆之介/小関裕太/桜田通/佐藤健/富田健太郎/兵頭功海/平間壮一/福崎那由他/藤原大祐/細田佳央太/松岡広大/松島庄汰/水田航生/溝口琢矢/栁澤貴彦/吉村卓也/渡部秀)/中川晃教/FLOW/愛希れいか/宮澤佐江/森公美子
<BANDMEMBER>
エンペラー福田/キューティクル鈴木/高木茂治/会田敏樹/五十嵐公太/立井幹也/高橋結子/佐久間勲/霜田裕司/堀江有希子/藤林美沙/JONTE
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