2020年2月22日(土)に、舞台「おそ松さん」で人気の「F6(エフシックス)」による2ndライブツアー「FANTASTIC ECSTACY」が千葉・幕張メッセ イベントホールにてスタートした。F6を演じるのは、井澤勇貴、和田雅成、小野健斗、安里勇哉、和合真一、中山優貴の6名。ツアーは、東京・大阪・沖縄の3都市で10公演を行う。本記事では、その初日の模様をレポートする。
(以下、歌唱楽曲の一部に触れています)
F6とは、TVアニメ「おそ松さん」に登場する“びっくりするほどルックスがいい6つ子のイケメンver.”のこと。1stライブツアー「Satisfaction」から1年半ぶり、2回目のライブツアーとなった今回。初日の公演には、約5,000人のファンが詰めかけた。ステージセットは、宇宙をイメージさせるような仕上がり。前回よりも格段にスケールアップし、花道がせり出す大きな舞台に、6人のシルエットが浮かび上がると、客席には一斉に6色のペンライトの明かりが灯り、割れんばかりの歓声が上がった。
ツアーは、F6の代表曲ともいえる「Forever 6ock You」から始まった。F6/おそ松役の井澤を筆頭に、6人がコンビネーションを上げたダンスで会場は一気にヒートアップ。挨拶の中でF6/カラ松役の和田が「2回目(のツアー)だから分かってるよな?!ぶっ倒れるまで声出せ!」と叫ぶと、ファンは負けじと大きな声で応える。F6/おそ松役の井澤は「ジャスティース!夢見てた以上の夢に招待します」と宣言していた。
今回のツアーでは、舞台「おそ松さんon STAGE ~SIX MEN‘S SHOW TIME~」シリーズや前回のツアーで披露された楽曲に加えて、舞台「おそ松さんon STAGE ~SIX MEN‘S SHOW TIME3~」で6つ子が披露した「JOBLESS!!!!!!」という楽曲をF6verにアレンジした「CASHLESS!!!!!!」などが歌われた。
ライブ中盤、おそ松が「ここからはみんなと一緒に歌を歌いたいと思います」と告げ、始まったのは「いつか夢でチャックメイト」。本来はトト子が歌う部分を会場のファンが代わりに歌うという演出で会場は一体に。6人は、ファンの反応の良さに「みんな、覚えてくれているんだね・・・」と感慨深げだった。
そして、前回のツアーでは試行錯誤が見えたMCも、ずいぶんと板についたものとなっていた。アニメではあまり細かいところまで描かれていない「F6」という存在を、演じる6人が丁寧に紐解き力を合わせてその存在を作り上げてきた時間が、ライブというステージにもしっかりと乗っていた。本来話す順番ではないタイミングで話してしまってちょっと揉めるなど、自由が生まれたからこそのハプニングも。
また、1stツアーでも好評だった「F6への質問」コーナーも健在。初日公演では3つの質問にまつわるトークが繰り広げられた。「全員“富豪”のF6ですが、バイトをするなら何がしたい?」という質問には、トド松役の中山が「カフェを作って、社長だけどそこでバイト」と真っ先に回答。十四松の和合は「パチンコ屋さんでパチンコドン!したい」と言うも「What do you mean?だよ?」と突っ込まれ共感を得られず。一松役の安里は「牧師」、チョロ松役の小野は「ちゃんこ屋さん」、カラ松役の和田は「肉を切る人」と続く。おそ松役の井澤が迷っていると、和田に「ケバブ屋の店員」と決められていた。
また、今回のライブでは、ツアーのタイトルでもある「FantaStIc X-tasy」、そして「NAKED KINGDOM」の3曲に加えて、F6が2組に分かれて歌った「アモーレ・ムーチョ!」と「マツゥ~ダンシング・マハラジャ・ナイト~」の計5曲の新曲が初披露。
特に盛り上がったのは、舞台「おそ松さんon STAGE ~SIX MEN‘S SHOW TIME3~」の舞台上でグループ分けされた、おそ松・カラ松・チョロ松が歌うラテン調の曲「アモーレ・ムーチョ!」と一松・十四松・トド松が歌うインド調の曲「マツゥ~ダンシング・マハラジャ・ナイト~」の2曲。
「ヒリヒリシチャウヒリヒリシチャウ」というフレーズが印象的な「マツゥ~ダンシング・マハラジャ・ナイト~」では、タイトルコール直後にその意外性に笑いが起きる場面も・・・。サビの「メ アプコ ピヤール カルタ フン」という歌詞は、インドの言葉で「I LOVE YOU」という意味だという。
一方、おそ松、カラ松、チョロ松が歌い上げた「アモーレ・ムーチョ!」は、ラテンのリズムが効いたセクシーかつ情熱的な一曲に仕上がっており、観客をうっとりとさせた。舞台上で組分けされた際、偶然にも兄組と弟組に分かれるミラクルが起こっていたが、それぞれの組み合わせの特性がよく引き出された新曲が誕生した。
「NAKED KINGDOM」では、カジュアルな衣裳にチェンジした6人。実はこの衣裳、井澤がコーディネートしたという。披露の際、井澤は相当緊張していたようで「受け入れてもらえるかなと、すごく緊張してた・・・。でも、みんな(F6)のこと考えていたら楽しくなっちゃって。F6、大好きです!」と、メンバーの新たな一面を引き出せたことに満面の笑みを浮かべた。
井澤は、舞台「おそ松さんon STAGE ~SIX MEN‘S SHOW TIME3~」の囲み会見で、ツアーへの意気込みを聞かれた際、何か「プロデュースしたい」という趣旨の発言をしていた。その希望を、見事形にしたようだ(新衣裳の個別写真は画像ギャラリー内でご紹介)。
ほかにも、人気曲「Magic Night Satisfaction」、「“F”→U GO! -Many Money Make You Happy-」や、コールアンドレスポンスが盛り上がりをみせる「Fo6ow Your Dreams!!!!!!」など多数の楽曲を披露したF6。
なお、「Fo6ow Your Dreams!!!!!!」については、MVが作成されており、ライブ内でそのメイキング映像も公開された。こちらは舞台「おそ松さんon STAGE ~SIX MEN‘S SHOW TIME3~」のBlu-ray&DVDに特典として収録されるので、お楽しみに。
ファンと一緒に盛り上がるため、趣向を凝らした演出がたっぷり詰め込まれた約2時間。アンコールにも応え、最後にはそれぞれが自分の言葉で観客に感謝の気持ちを伝えた。挨拶するメンバーに合わせて、ペンライトでメンバーカラーに塗り替えられていく客席。
その光景を眺め、井澤は「こんな景色、テレビでしか観たことなかった。いまだに実感できてない部分もあったりします。4年くらい演じさせていただいていますが、最初はF6ってなんだろうって思って、悩んだ時期もありました。でも・・・ここまでやってきて良かった。最後の最後まで家族、スタッフ一丸となってがんばっていくので、応援よろしくお願いいたします」と締めくくった。
「みんなとの約束、守ったでしょ!」と、舞台を後にする最後の最後まで、井澤は誇らしげな表情を浮かべていた。「おそ松さん」の世界観らしいコミカルさと、独自のかっこよさを追求し、“自分たちらしさ”を高めていくF6。念願だった2ndツアーのその先に、彼らが何を見るのか、最後まで目が離せない。
F6 2ndライブツアー「FANTASTIC ECSTACY」は、以下の日程で開催。
【東京公演】2020年2月22日(土)・2月23日(日) 幕張メッセイベントホール
【大阪公演】2020年3月4日(水) 大阪城ホール
【沖縄公演】2020年3月14日(土) ミュージックタウン音市場
【東京・凱旋公演】2020年3月19日(木)・3月20日(金・祝) 幕張メッセイベントホール
なお、このライブツアーの模様を収録したBlu-ray&DVD、そしてツアーで披露された全楽曲が収録されたCDアルバムが、7月10日(金)に同時発売されることも決定した。
(取材・文・編集/エンタステージ編集部 1号、素材/オフィシャル提供)