舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-開幕!久保田悠来の「貴虎をご堪能ください」

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2019年3月9日(土)に東京・日本青年館ホールにて、舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-が開幕した。本作は、平成仮面ライダーシリーズ第15作目の『仮面ライダー鎧武/ガイム』に登場した仮面ライダー斬月(ざんげつ)を主役とし、初の演劇作品として上演するもの。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、主演の久保田悠来をはじめ、萩谷慧悟、丘山晴己、脚本・演出を手掛けた毛利亘宏(少年社中)が登壇し、意気込みを語った。

本作で描かれるのは、TVシリーズでは描かれなかった前日譚を含むその後の物語。TVシリーズにも脚本で参加した毛利のほか、シリーズ原案・監修に虚淵玄(ニトロプラス)、脚本協力に鋼屋ジン(ニトロプラス)が参加し、舞台ならではのオリジナルストーリーを展開。

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物語の舞台は、かつて巨大企業ユグドラシル・コーポレーションの実験場となっていたトルキア共和国。国の異変に気づき訪れた際、予期せぬ襲撃により記憶を失ってしまった呉島貴虎(くれしまたかとら)と、生き残るため「オレンジ・ライド」などチームを組んだ青少年たちの戦いを描く。

TVシリーズに続いて、呉島貴虎役を演じる久保田は「仮面ライダーシリーズ初の演劇企画として、平成最後のお祭りのように演劇としてできることを大変嬉しく思っております。ぜひ、歴史的瞬間を目の当たりにしていただきたいなという気持ちです」と挨拶。

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チーム「オレンジ・ライド」のリーダー・アイム役の萩谷は「幼少期の頃から平成仮面ライダーを観ていまして、おもちゃのベルトなどを買ってもらっては、変身ポーズとかをしていたんです。それがまさか、お仕事としてやらせていただけるとは・・・。本当にフレッシュな気持ちで、がんばるぞ!という感じですね」と意気込んだ。

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鎮宮雅仁(しずみやまさひと)役の丘山は「毛利さんの力で、とても革命的な作品になっているんじゃないかなと思います。皆さんに楽しんでいただけるように、僕たちも精一杯がんばりますのでよろしくお願いいたします」と語った。

TVシリーズを引き継いだ毛利は「TVシリーズでも参加してきた作品を、(自分の)ホームグラウンドとも言える演劇にできることを、とても光栄に思っております。映像やキャラクター、TVのいろんな要素が詰め込まれ、誰も見たことがないような作品が出来上がったと思います。ぜひとも、ご期待くださいませ」と自信を見せる。

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「仮面ライダー」と言えば、映像におけるアクションシーンの多彩さが見どころの一つだが、その舞台での見せ方について、久保田は「TVですと、いろいろとカットを変えたりもできますが、今回は『カメラを止めるな!』ということで(笑)」と、初日前日にTV放送された映画タイトルになぞらえながら、「舞台では、常にアクションを続けていかなければなりません。そこで(作品としての)新しい熱をお見せできるのではないかなと思っております」とコメント。毛利も「できる限り、ライブならではの生々しさにこだわって創りました。迫力が生で伝わることを楽しんでいただければなと思っております」と続いた。

また、毛利は各役者の魅力について「久保田くんに関しては、全編において貴虎をご堪能ください!という感じです。すごく頼もしい座長です。慧悟は、キラッキラしていていいですね。TVシリーズと舞台版をつなぐ重要なキャラクターなのですが、本読みの段階から『この子でよかった』『この子でいける』という確信が持てました。丘山くんは、初めて会うタイプの役者。アプローチがおもしろく、貴虎と対を成す大事な役をミステリアスかつ深みのある芝居で見せてくれています」とそれぞれ絶賛。

毛利の絶賛を受けた萩谷が「自分の活動に関しても心機一転、幅を広げていきたいと思っているので、いろんなことを吸収しながら、少しずつできることを増やしていって、偉大な存在になりたいなと思っています!」と目を輝かせながら、今回の現場を「先輩方にいろいろ教えていただいておりまして、とても温かい現場です」と楽しんでいる様子を覗かせると、久保田も「僕も(一緒に舞台を作る役者が)彼で良かったと思っています」と毛利の言葉にかぶせながら応えていた。

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【あらすじ】
巨大企業ユグドラシル・コーポレーションが人類救済計画プロジェクト・アークの実験場としていたトルキア共和国で異変が起きているとの情報を得た呉島貴虎(久保田)は、約8年ぶりにトルキアを訪れるが、予期せぬ襲撃を受けて地下世界アンダーグラウンドシティへと落ちてしまう。

その地下世界では、チーム「オレンジ・ライド」のリーダーであるアイム(萩谷)、チーム「バロック・レッド」のリーダーであるグラシャ(増子敦貴)、チーム「グリーン・ドールズ」のリーダーであるフォラス(宇野結也)ら多くの少年・青年が、生き残るために殺し合いを行っていた。さらに、その戦いでは各チームのリーダーたちがアーマードライダーに変身し、死闘を繰り広げていた。

貴虎は落下の衝撃で記憶喪失となった貴虎はアイムに助けられるが、アーマードライダーたちの戦いに巻き込まれてしまう。その中で、突如見知らぬアーマードライダーが現れるが、貴虎はそのアーマードライダーが「斬月」であることを思い出していた・・・。

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舞台版はTVシリーズの後日譚として、貴虎とアイムらトルキアの少年・青年たちを中心に、トルキアに貴族として君臨する鎮宮鍵臣(大高洋夫)、その長男・雅仁(丘山晴己)、次男・影正(原嶋元久)、鍵臣に雇われた傭兵の雪叢(小沼将太)らが関わることで物語が展開する。

冒頭の世界観説明から、テレビシリーズ同様に声優・大塚芳忠のナレーションによって、一気に『仮面ライダー鎧武/ガイム』の世界へと引き込む本作。TVシリーズでは崖から落ちても生き残り、海に落ちて昏睡状態となっても生還した貴虎が、本作では地下世界に落ちて記憶喪失になるというテレビシリーズのファンならば思わずニヤリとしてしまうエピソードだ。

その主人公・貴虎を演じる久保田は、貴虎としてテレビシリーズ同様に舞台上に圧倒的な存在感を放つ。また、雅仁との回想シーンなどを通して、今まで語られることのなかった貴虎の新たな一面を、TVシリーズの前日譚として久保田が浮き彫りにしている。まさしく全編“呉島貴虎”を堪能できる演出になっている。

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本作で演出・脚本を務める毛利は、TVシリーズにも脚本で参加しており、仮面ライダーシリーズ初の舞台化にうってつけの人物。Vシネマなどの外伝でサブライダーを主人公として動かすことにも定評がある毛利によって、主人公としての“貴虎”の姿が舞台上に鮮烈に浮かび上がる。TVシリーズを彷彿とさせるシーンや台詞を盛り込みつつ、舞台としての「仮面ライダー」というものを確立させられるのも、毛利の手腕と作品愛あってのことだろう。

TVシリーズにも出演していたのは久保田だけだが、今作には萩谷、増子、宇野をはじめ、後藤大、千田京平、高橋奎仁、田淵累生らフレッシュなキャストが名を連ねており、TVシリーズで特徴的だったダンスシーンなどによって、彼らの魅力が舞台上にも放たれている。

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また、彼らが演じる登場人物たちは、アイムがTVシリーズ主人公の葛葉紘汰に、雅仁と影正の関係が貴虎とその弟・光実の関係のように、TVシリーズを彷彿とさせるキャラクター像となっている。この点からも、物語に深みを感じる。

仮面ライダーの舞台化ということで、舞台ならではの生のアクションも、本作の大きな見どころの一つ。ライブとして生々しく激しいアクションの連続に、役者たちが体当たりで挑んでいる。本編で、ありそうでなかった貴虎の大立ち回りや、映像と演者を融合させた変身シーン、プロト鎧武・プロトバロン・プロトブラーボ・プロトグリドン・プロト龍玄といったアーマードライダーたちによるライブ感あふれるライダーバトルも大興奮の出来栄えだ。

さらに本作では、仮面ライダー残月の新フォーム「仮面ライダー残月 カチドキアームズ」も登場する。舞台上でどのようなアクションを繰り広げるのか・・・ぜひ、その雄姿を劇場で確かめてほしい。

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なお、劇場ロビーには、精巧な仮面ライダーのフィギュアを提供している魂ネイションズのS.H.Figuartsとして制作された本作のアーマードライダーたちが展示されており、こちらもライダーファンなら要注目となっている。

毛利による演出・脚本によって、久保田を筆頭にフレッシュな有望株、キャリア豊かなベテランなどの個性溢れる面々と、アーマードライダーを演じるスーツアクターたちが舞台としての仮面ライダーを作り上げた本作。これはきっと、仮面ライダーシリーズにとっても、新たステージの幕開けだ。

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舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-は、3月9日(土)から3月24日(日)まで東京・日本青年館ホールにて、3月28日(木)から3月31日(日)まで京都・京都劇場にて上演。大千秋楽となる京都公演3月31日(日)18:00回では、全国の映画館でライブビューイングが行われる予定。
【ライブ・ビューイング詳細】https://tjoy.co.jp/stage/lv/zangetsu/

なお、一部公演ではTVシリーズに出演した白又敦、佃井皆美、白又敦、小林豊、松田岳、松田凌、波岡一喜(出演日順)が登壇するアフタートークも実施される。登壇者スケジュールは、以下のとおり。

◆アフタートーク実施日時&登壇者
【東京公演】
3月13日(水)14:00公演 白又敦×久保田悠来×毛利亘宏(脚本・演出)
3月13日(水)19:00公演 佃井皆美×久保田悠来×小沼将太
3月14日(木)14:00公演 小林豊×久保田悠来×増子敦貴
3月14日(木)19:00公演 松田岳×久保田悠来×原嶋元久
3月15日(金)19:00公演 松田凌×久保田悠来×宇野結也
2019年3月19日(火)14:00公演 波岡一喜×久保田悠来×丘山晴己

【京都公演】
3月29日(金)19:00公演 小林豊×久保田悠来×丘山晴己

【公式HP】https://www.nelke.co.jp/stage/zangetsu/
【公式Twitter】@stage_zangetsu

(C)石森プロ・東映 (C)舞台『仮面ライダー斬月』製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部、櫻井宏充)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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